田舎の近所付き合いは厚くて濃い。好むと好まざるに関わらず、田舎の近所付き合いは濃厚で緊密であり、秘密にできることは少ない。我が家も今、田舎で厚い注目を浴びている。
私が小さかった頃の田舎は全てが人力頼りの農業で、近所が力を合わせなければ農作業は進まなかった。一軒の家ではままならない田植えも、数軒の家が寄り合って行えば、一気に進んでいく。そして、順番にすべての家の田植えが終わっていく。それは、脱穀、籾摺りも一緒だ。うちの田舎ではそれを「もやい」と言った。運命共同体である家々が集まり、いつもの段取り/やり方で仕事が進められていく。助け合いの世界だが、良いことがあれば悪いことも当然あるわけで、すべてが力関係のうえに成り立っているなかで弱いものは辛い。農作業はすべて後回しにされるし、条件の悪い中での作業となる。そして、それは当然、作物の成長にも影響してくるのだ。私の家は父が60歳でなくなり、その後は母が一人で農業を続けた。その苦労は大変だったそうし、女だてらにも強くなければ生きてこれなかったはずだ。これも田舎の濃密な人間関係だ。 最近では大型の農業機械が普及して、昔のように多くの家が集まって作業することはなくなり、人に頼らなくても農作業が進められるようになった。しかしながら、昔の古い習慣、人間関係は薄くなりながらも続いているように感じる。これも含めて田舎暮らしだ。 2008/03/04(Tue) 20:35:33 [ No.22 ] |
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