1.日程 2008/07/07〜07/08 2.天気 曇りのち晴れ 3.ルート ・往路は博多港から小値賀島まで「フェリー・太古(たいこ)」に乗りました。博多港を23時30分に出港し、小値賀島に早朝の4時50分に到着しましたが、まだやっと夜が明けた時間です。
・小値賀島の柳漁港から旅客船・第3みつしま丸で宇久島へ渡りました。宇久島は時計回りに一周しました。
・復路は宇久島の宇久平港からフェリー・太古で博多港まで戻りました。
・灯台撮影を兼ねたツーリングなので、灯台が建っている島の端っこも走ります。
4.装備 ・自転車は愛称「走一郎」こと700cツーリング、アップダウンが多いのでちょっと心配ですが、まあ大丈夫でしょう。
・2泊3日の計画なので、荷物を携行するために小さめのリア・パニアパックとハンドルバッグを組合せました。
5.その他 ・小値賀島は風が強いようで、生け垣に囲まれた畑が続いていました。また放牧された牛がのんびりと草を食んでいるのも印象的な風景でした。
・宇久島も放牧された牛がいっぱいで、灯台へ近づく時も慎重に足を運ばないと運(糞)がつきそうになりました。
ルートマップ(小値賀島) ルートマップ(宇久島)
小値賀島のフェリー発着所に着いたフェリー・太古です。博多港を深夜23時30分に出港し、到着時間は早朝4時50分、7月上旬でもやっと夜が明けた時間です。今回は、小値賀島と宇久島を走って灯台を撮影する計画ですが、フェリー・太古が宇久平港に着く4時20分は、外はまだ真っ暗なので、まず小値賀島を先に走り、その後で宇久島へ渡ることにしました。 上陸最初の目的地は、小値賀島と橋で結ばれた斑島の北西端に建つ「斑島灯台」です。
くねくねと曲がった港の道を抜け時計回りに斑島を目指しましたが、走り始めはいつもわくわくする期待とちょっとした不安があります。今回の相棒は700cツーリングの「走一郎」です。黒島へ繋がる橋を左手に見ながら直進すると、すぐに上りが始まります。小値賀島の平坦な場所は港の近くだけなのです。大浦の漁港を抜けて、やや大きな道に合流しましたが、朝の早い時間なので、交通量はほとんどありません。小値賀島は風が強いのでしょうか、家や田畑の周りには防風林(ほとんど松の木)が作られており、防風林の裏から生活音が聞こえてきます。大浦漁港で見かけた民家の前に植えられた大きな木は「アコウの木」でしょうか?。
写真は斑(まだら)大橋で、橋の奥が斑島(の漁港)です。橋の手前左の野原では、放牧された牛(黒牛)がのんびりと草を食んでいます。小値賀島も放牧の島のようです。 斑大橋を渡り、海岸沿いを半時計回りに「斑島灯台」を目指します。漁港と民家の間を抜けていくと、正面に急坂が見えてきました。急坂を上りきると右側に牛の放牧地が広がり(牛は放牧されていませんでしたが・・)、正面に「斑島灯台」が小さく見えてきました。
「斑島灯台」です。 手前の草原が牛の放牧地で、奥の海岸近くに「斑島灯台」が小さく見えています。このまま舗装道路を走りながら灯台へ入る道を探しましたが、どの道も途中で行き止まりになり、次第に灯台から離れていきます。国土地理院の2万5千分の1の地勢図とはちょっと違うようです。最初に灯台を発見した地点まで戻りながら脇道を探しましたが、全然見つからないので、牛の放牧地を横切って灯台を目指しました(多分、放牧地以外には船で近づくしか方法はないように思います。灯台側から探しても道は見つかりませんでした)。幸いに、牛は放牧されていなかったので迷惑をかけることはなかったのですが、放牧地の中は牛の糞がいっぱいで、また早朝の朝露がついていて、灯台に着くまでに靴はびっしょりと濡れてしまいました(結局、旅の終わりまで靴は濡れたままでした)。
「斑島灯台」は海岸の岩場に建っていました。四角い灯台でしたが、天気がちょっと曇っていたのと、灯台の周囲が荒れた岩場だったためでしょうか、ちょっと淋しい雰囲気でした。放牧地なので長居は無用と、写真撮影を終え、すぐに引き上げました。
港へ引き返す途中でポットホール(玉石甌穴)という「黒い溶岩のベンチの裂け目にできた穴に入った石が荒波に揉まれて丸くなったもの」を見物し、斑大橋を渡って小値賀島へ戻りました。戻る途中で気付いたことは、1.斑島は「あわびの里」を称していて、斑大橋の袂には「あわび種苗センター」がありました。2.道路脇に「牛に注意」という看板がたっていること。3.朝になっても、ほとんど交通量がないこと。そういう面では、自転車にとっては嬉しい島です。 浜津で時計回りのルートに合流し、宇久島へ渡る旅客船の乗り場がある「柳漁港」を目指しました。7時前には柳漁港に到着し、朝食のおにぎりを食べて船を待ちました。食べ終えて堤防で腰を伸ばしていると、うす曇りだった空が次第に晴れてきました。7時48分発の旅客船・第3みつしま丸に乗船、自転車と人一人で450円で、乗客は2人でした。途中の寺島で4人(おじいさん一人、おばあさん三人)が乗船し、8時20分頃に宇久島・神浦漁港に上陸しました(写真は小値賀島・柳漁港です)。
宇久島の神浦漁港に着いた旅客船・第3みつしま丸です。 船から降りて、海岸沿いに走り小島崎の先端を目指しました。小値賀島と宇久島の間の相瀬に建つ「相瀬灯台」を撮影するためです。以前、フェリー・太古から望遠レンズで撮影しましたが、写りがいまいちだったので、一番近い岬から撮影しようと思ったのです。カメラがカメラなので、どこまではっきりと撮れるかわかりませんが、もう二度とこの島を訪れる機会はないでしょうから、駄目もとです(結果的には駄目でした・・)。もっとも、灯台が無ければ、この島に来ることもなかったでしょうね、縁って不思議なものです。でも一応、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの両方でチャレンジしました。もっとも、マニュアルフォーカス機能もそれほどしっかりしたものではなく、効果はありませんでしたが。撮影を終えて時計回りに対馬瀬鼻灯台を目指します。
道路(県道160号線)は広く、整備されていて、ばっちりです。なんといっても良いのは、交通量がすごく少ないこと。ある場所では道路の中央に軽トラックと自転車を停めて、おばさんたちが世間話をしていました。これが島の普通なんだろうと、文句も言わずに横をすり抜けましたが、それくらいのんびりしているということでしょうね。宇久島も平坦な場所はほとんどありません。
道路はアップダウンを繰り返し、時々急坂が現れます。まあ、のんびりと楽しみながら走っていましたが、途中で道を間違えて北へ行くはずなのに、いつのまにか南へ走っていて宇久平港の近くまで来ていました。地図があてにならない(本当は曲がる場所を間違えた)ので、案内板を頼りにどうにか対馬瀬鼻灯台(案内板では「対馬瀬灯台」になっていました。灯台の横に建てられている案内板でも、海上保安庁は「対馬瀬鼻灯台」で、町が立てたと思われる案内板では「対馬瀬灯台」になっていました)へ辿り着きましたが、そこは素晴らしい場所でした。 緑の草原(放牧場)と青い空、そしてエメラルドグリーンの海を背景に立つ白い灯台、その横で草を食む黒牛たち。低めの断崖もある程度縊れこんで、船遊び/海遊びには最適でしょう。ちょっと残念なのは日陰の休憩所がないこと。海岸線を少し離れた高台にでも良いので、休憩しながら風景を楽しんだり、弁当を開く場所があれば、もっともっと素敵な場所になるでしょうね。
写真撮影を終えた後、宇久島の西北沖に位置する「古志岐島灯台」を撮影するため、「牧崎」と「倉ノ鼻」を回り、それから島の東南端に位置する「肥前長崎鼻灯台」を目指しました。
宇久島の東南端に位置する長崎鼻です。周囲はきれいな海水浴場もあり、泳いだり散策するには最適の場所でしょう。島の東南エリアは比較的に平坦で、この場所に島の主要な機能が集中しているようです。 着いたのは丁度、潮が満ちている時間で、肥前長崎鼻灯台は土台が波に洗われていましたが、干潮だったら灯台まで歩いていけたのではないでしょうか。ちょっと残念でした。
撮影を終えた後は、時計回りに出発点の神浦まで走って宇久島一周を達成し、再度宇久平港まで戻りました。その時間はかなり気温も上がっていたので、「クールマックス」に水を含ませて首に巻き、熱さ対策しましたが、頭がすっきりして、かなり効果があるように感じました。宇久平港のフェリー待合所で昼食を摂り、14時20分出港するフェリー・太古で博多まで戻りました。博多からのフェリーは朝早く(4時20分)宇久平港に到着するので、フェリー待合所には仮眠室(4時〜8時利用可)もありましたよ。
久々のフェリーで灯台を訪ねるツーリングでしたが、宇久島はとても素敵なところでした。