ツーリング東北1997
−奥の細道をたどる旅1−
Touring Date:1997/4/12〜4/13 & 4/26〜4/30
|1日目|2日目|3日目|4日目|5日目|6日目|7日目|
平成9年(1997年)の4月と5月のゴールデンウィークに奥州道を中心に約880Kmを走破したので報告します。
まず足慣らしとしてPART-1で日本橋〜郡山を走り、その後PART-2として郡山から青森まで走破しました。この時期の東北は桜が満開で天候も良く、ゆったりとしたツーリングを楽しむことができました。
このルートは松尾芭蕉の「奥の細道」と重なる部分が多く、行く先々で芭蕉の足跡を見つけることができます。出発する前に「奥の細道」を読んで行けば、より興味深くツーリングが楽しめたんじゃないかと思います。
また、この旅のきっかけとなった本があります。風間一輝著「男たちは北へ」ハヤカワ文庫です。ぜひ読んでみてください。一時期はこの本を読んで、東北ツーリングにチャレンジする人が急増したそうです(残念ながら「男たちは北へ」は、廃版になってしまったようですが、中古本ならあると思いますよ。
1.日程;1997/4/12(土)〜4/13(日) & 4/26(土)〜4/30(水)の5泊7日
2.旅人;牛ちゃん(当時47歳)
3.区間;東京・日本橋〜青森の約880Km
4.ルート;主に
- 国道4号線(日本橋〜氏家、白河〜仙台、一関〜南部、十和田〜青森)、国道293号線(氏家〜小山)
- 国道294号線(小山〜白河)、国道45号線(仙台〜津山、八戸〜十和田)、国道342号線(津山〜一関)
- 国道104号線(南部〜八戸)
5.装備等;
- 自転車は「ブリジストン・レイダックRD-6」です。フィットネスというジャンルの自転車で14段変速のドロップハンドル。タイヤは700×28Cです。ペダルはMTB用のBP、シューズはシマノのSH-M090です。ペダルはBPの方が安全で、かつ力が効率的に伝わると思います。サドルも大きくて厚めのものに交換しています。
- デイバック、ハンドルバッグ、輪行バッグを携行し、夜は宿に泊ります。
- 私の平均的な走行パターンは2時間走って1時間休憩ですが、名所/旧跡に合わせて柔軟に変更しています。
- ヘルメットは必需品です。暑い時でも安全が第一です。
6.宿泊等;
- この旅ではビジネスホテルを中心に泊りました。ビジネスホテルは観光時期や休日は比較的に空いているので、宿泊当日に連絡しても大丈夫です。
- 食料は主にコンビニ等で購入しました。食堂では食事の後もゆっくり休憩できないため、コンビニで食料を購入して公園や神社等で食べ、食後はゆっくりと昼寝等をして休憩しました。
- 洗剤を持参しビジネスホテルのバスタブで洗濯しました。部屋の中は結構乾燥しているので、朝までには着れるようになります。
7.感想等;
- このルートは比較的に平坦で大きな峠は1〜2ヶ所です。
- このルートは交通量が多いですが、道路を選べばゆったりと走りを楽しむことができます。
- 1日の走行距離は約120〜140Kmに設定しました。おおまかな計画を作成した後は、天候やその日の体調に合わせて距離/宿を変更/決定しました。
- 今回は1日を除いて晴れの日が続き、快適なツーリングが楽しむことができました。
- 初めてのロングツーリングだったので出発前は不安でしたが、走り始めればどうにかなるものです。慣れるにつれて自分のペースが出来上がり、どうにか目的地に到着することができました。そして、この旅が日本一周へチャレンジするきっかけとなりました。
1997/4/12(土) 1日目。日本橋〜宇都宮、約125Km
GWのロングランに向けた足慣らしのツーリング。1泊2日で日本橋から郡山の約260kmを走る予定です。シーズン初めで、まだまだ走り込みが不足しており、体調を見ながらの旅です。のんびり行きます!。
05:00;起床、今日も晴れそうだ。
05:20;見送る人もなく淋しく出発。荷造りは昨夜終了している。
05:35;JR新杉田駅に到着し、早速輪行の準備。
06:06;大宮行きの京浜東北線に乗車。土曜日の早朝なので車内は空いている。他のお客さんに迷惑を掛けないよう最前列の車両に乗車する。車内でおにぎりの朝食を摂る。わびしい!。
07:05;JR東京駅に到着し、八重洲口で走行準備。まだ肌寒い。
07:25;出発。まずは日本橋で記念撮影。
ここは日本の国道(街道)の起点で、東海道、甲州街道、中山道、奥州道はここから始まる。
09:00;草加松原に到着し記念撮影。
国道4号線は歩道と車道の段差も少なくて幅も広く、すごく走りやすいが、信号が多いのには参った。
10:05;「牛島」という名前に惹かれて目指した「牛島公園」に到着。ここまで約46km。しばし休憩。近くの「牛島の藤」は4月19日の開園に向けた準備のため、入ることができなかった、残念!。
国道4号線はすぐ横を広〜い農道?が走っており、そこは自動車を気にせずに、ほんとうに眠くなるくらいのんびりと走ることが出来る。早立ちのためマジに眠くなってくる、やばい・・・。途中のコンビニで昼食を購入するが、なかなか休憩できるポイントが見つからない。
12:20;三和町上片田の「香取神社」で昼食&休憩、ここまで約80km。食後はゆっくりと昼寝。疲れが回復!。
13:20;出発。国道4号線を離れて「しもつけ風土記の丘」を目指す。日光街道は一部に杉並木が残っており、昔の街道の風景を偲ばせる。
14:30;「しもつけ風土記の丘」到着。ここまで約100km。ここは観光客も多い。しばし散策した後、ベンチでゆっくりと腰を伸ばす。日陰の風が涼しい。
15:20;出発。
途中で、牛塚古墳、車古墳に寄り記念撮影。
17:00;宇都宮での今夜の宿「ニ荒」に到着、本日の走行距離は約126Km。ここは1泊夕食付きで6,600円。
今日は約126kmを6時間半で走破した。久々のロングランにしてはまあまあのペース。
明日は少し疲れが残るかな?。明日の予定は白河の関の峠越えを含めて約130km。奥州路では最大の難関(峠)かな?。できれば昼までに峠を越えたいと考えています。
十分にストレッチをして早めに寝よう!
1997/4/13(日) 2日目。宇都宮〜白河の関〜郡山、約131Km
足慣らしのツーリング2日目。久々のツーリングで体が少々強張っているので、最初はゆっくりスタートする。今日は峠越え(追分の明神)がポイントで、できれば昼までに峠を越えたい。
05:30;起床
06:10;出発。すぐに鬼怒川橋を渡る。
07:15;氏家町の川岸交差点で国道4号線を離れ、国道293号線に入る。ここまで約21km。
07:55;喜連川の御用堀に到着、ここまで約30km。ここは古い街並みが残っている。記念撮影し出発。
喜連川と小川の間は大谷石の土蔵が多く、登り下りがある。
小川から国道294号線へ左折する。
国道294号線はゆったりしたわずかな登りがあるが、一段低めのギアで楽に走る。
09:50;黒羽のコンビニで昼食を購入。黒羽は「奥の細道」の途中で芭蕉が2週間程滞在した所だそうで、「芭蕉の里・くろばね」という案内板も立っている。やっと見つけた「芭蕉の里・くろばね」近くの神社で遅めの朝食を摂って大休止する。ここまで約56km。
10:50;出発。ゆるやかな登りが続くが、伊王野を過ぎて登りがきつくなる。
12:10;追分の明神(栃木県と福島県の境、標高約480m?)に到着。やれやれ!、ここまで約80km。記念撮影。予定通り昼頃に峠をクリア。これからは下り坂だ。
12:20;白河の関跡に到着、ここまで約82km。記念撮影し、ベンチで休憩。源義経に思いをはせる。観光客や花見客が多い。
12:50;出発。白河市で国道4号線に戻る。この頃から向い風が強くなり、大幅にペースダウン。それにしても福島県は道が悪い。栃木県の道が懐かしい気がする。
15:25;JR郡山駅に到着。本日の走行距離は約131kmで今回のツーリングの全走行距離は約260km。早速輪行の準備をし、ビール&つまみを買いこんで東北新幹線に乗車。
16:20;やまびこ92号が出発。
18:50;東北新幹線、京浜東北線、タクシーを乗り継いで横浜の単身社宅へ到着。お疲れさ〜ん!。
1997/4/26(日) 3日目(PART-2の初日)。郡山〜仙台、135Km
ツーリング東北1997のPART-2。今回は4泊5日で前回のゴール・郡山から青森までの約630Kmを走る計画です。
04:40;起床。外はまだ薄暗い。
05:05;自宅(横浜)を出発。うっすらと明るくなってくる。
05:15;R新杉田駅に到着し、早速輪行の準備。
05:29;大宮行きの京浜東北線に乗車。今日も晴れそうだ。
06:25;JR東京駅に到着。
06:54;東北新幹線「やまびこ35号」に乗り換える。早朝にもかかわらず乗客が多い。GW初日のせいかな?。
車内で朝食を摂る。大宮では立席の人がでる。指定席は全て売り切れとのこと。宇都宮ではバッグ1つで下車するおじさんが多く、席もかなり空いてきた。ゴルフ客で混んでいたようだ。
08:18;JR郡山駅に到着し、早速走行準備。今日は日差しが強くなりそうだ。
08:50;出発。国道4号線を走り始めるが、北西の風が強い。左手の山々(安達太良山系?)には、まだ雪が残っている。二本松から道路が整備されていて、走りやすくなる。
11:10;福島県庁前に到着、ここまで約46km。となりの公園で小休止し、バナナを食べてエネルギーを補給する。11時半に出発。
12:45;福島県と宮城県(白石市)の県境の貝田(峠?)を通過、ここまで約69km。
13:35;「××温麺茶屋」に到着。昼食にする。ここまで約86km。
名物の「せいろうめん」を注文するが、薬味もパサパサで全然おいしくない。名物っていうけど、こんなもんなのかな?。不満たらたらで14時05分に出発。
途中、阿武隈川畔のベンチで30分程休憩。日陰が恋しいくらい暑くなっている。
17:30;仙台卸センターホテルに到着、本日の走行距離は135km。
夕食時にビールを飲み、ベッドに横になっていたら、何時の間にかぐっすり。深夜の1時過ぎに目が覚め、そのあと眠れなくて困った。
1997/4/27(日) 4日目(PART-2の2日目)。仙台〜一関、123Km
05:20;自然に目が覚める。睡眠は十分?。天気は晴れ。
06:20;出発。ウェアは長レーパンに短パン。
07:40;松島に到着、ここまで約24km。近くのコンビニで弁当を購入し公園で朝食。観光名所(瑞巌寺、五大堂、etc)を見物し記念撮影。9時15分に出発。
11:10;北上川河口の飯野川橋に到着、ここまで約62km。
途中でスペアチューブを無くしたことに気付く。シート・ピラーにスペアチューブを括り付けていた紐が緩んで落としたようだ。今後はパンクしたらその場で修理することになる。不安だがしょうがない。650のチューブであれば、どこの自転車屋さんでも購入できるが、700Cのフレンチバルブは大きな店にしか置いてない。これから北上川に沿って走行する。
11:45;津山町・柳津大橋近くの公園で小休止、ここまで約73km。
ここにも松尾芭蕉の句碑が立っている。奥州道は奥の細道の舞台なのであちこちに足跡が残っている。北上川は江戸時代まで、この近くで大きく蛇行して、たびたび水害が起きていたため、大工事によって川をまっすぐにして、水害を防いだそうだ。
12:15;出発。すぐに登米大橋を渡る。ここにも松尾芭蕉の句碑。
西風(時には北風)が強く、風を避けて山際を走る。間もなく北上川を離れて山間の道に入っていく。
13:35;中田町のスーパーで昼食を購入し、近くの愛宕神社で昼食&昼寝。ここまで約95km。
14時半に出発。山の中に入り、細かなアップダウンが続く。一ノ関市街に入り、コンビニで夕食&缶ビール&おつまみを購入。
16:15;「ホテルサンルート一ノ関」に到着、本日の走行距離は約123km。この程度の距離だと到着が早い。
昨夜、良く寝たせいか、なかなか寝付けず。F-1サンマリノGPを途中まで見てしまう。
1997/4/28(月) 5日目(PART-2の3日目)。一関〜盛岡、112Km
今日は走行予定も少なく、北上川沿いをのんびりと走る予定。今日の宿は盛岡市内に確保済み。
05:50;起床。今日も晴れそうだ。
06:40;出発。穏やかな晴天で風もなく、絶好のツーリング日和。
07:15;中尊寺に到着、ここまで約11km。ただいま「桜祭り」の真っ最中。
横の道を登っていくと裏の駐車場まで行ける。自転車を停め歩いて金色堂へ向う。金色堂はあいにくと(早朝にもかかわらず)ドラマの撮影中で、写真撮影もできない。撮影が終わるまで見学して記念撮影。撮影が場所を変えて続いていたので、ほかの所は省略して中尊寺の門まで戻り、自転車を入れて記念撮影。7時35分に出発。
08:55;水沢市の公園で朝食。ここまで約32km。
ここ町には古い街並みが残っており、大切に保存されているようだ。9時35分に出発。後方からの微風、快調。
途中で胆沢城跡に寄るが、跡と呼べるものは殆ど残っていなく、少々がっかり!。北上市から花巻市までは、北上川沿いのサイクリングロードをのんびりと走る。
ぽかぽかと暖かく、絶好のサイクリング日和。サイクリングを楽しんでいる人たちや花見で浮かれている人々…。
「北上川夜曲」を口ずさみながら、ゆったりのったり…。
11:50;花巻城跡に到着、ここまで約68km。
ここも桜が満開で、花見の客が一杯。九州では4月早々に満開を過ぎるが、東北は4月末が最盛期。昼食を摂り、ベンチで昼寝。幼稚園生が遠足に来ているので、少々うるさい!。12時40分に出発、残りは40km弱。
次第に暑くなってくるが、追い風、快調。
13:45;勝源院(逆カシワ)で小休止、約90km。残りは僅かなので急ぐこともない。14時05分に出発。
15:40;本日の宿・盛岡市の「仁王会館」に到着、本日の走行距離は約112km。
本日は1泊2食付きで約8,000円。酔いつぶれていつしか爆睡、目が覚めたのが深夜の1時半。また、やっちゃった!。その後、1時間おきに目が覚めて困った。
1997/4/29(火) 6日目(PART-2の4日目)。盛岡〜八戸、約140Km
今日の走行予定は約140Km。国道4号線の最高標高地点(十三本木峠)もあるので、気張って走るぞ。
04:40;起床。
05:45;出発。今日も晴れそうだ。
出発してすぐに目の前で交通事故発生!。追い越して行った車が左側の街路樹に激突してストップ。二人の若者が車から降りてきたが、居眠り運転のようだ。ちょっと間違えば事故に巻き込まれるとこだった。思い出すだけでもぞっとする。
道路はゆるやかなアップダウンが続く。歩道も広く走りやすい。左手には岩木山が見える。
07:00;啄木記念館に到着、ここまで約20km。記念撮影して7時15分に出発。沼宮町のコンビニ朝食を購入。ずっと登りが続く。
09:00;国道4号線の最高標高地点、十三本木峠(標高458m)に到着。ここまで約51km。やった〜!。記念撮影。これからずっと下りが続く。
09:25;水繁で朝食&休憩、ここまで約60km。
12:15;三戸町の城山公園で大休止&昼寝、ここまで約100km。ついでに今夜のホテルを予約する。
昼寝して気分すっきり!。13時05分に出発。
14:10;史跡「根城跡」到着、ここまで約127km。ここはすでに八戸だ。
15:30;「ホテルサンルート八戸」到着、本日の走行距離は約140km。少し疲れぎみ。
近くのコンビニで夜食&ビールを購入する。盛岡以北は桜が満開。東北は道路沿いに桜の古木が多く、八戸市内は「春まつり」の真っ最中。
明日は最終日。天気が下り坂でちょっと心配だが、残りわずかだ。安全に頑張ろう!。
1997/4/30(水) 7日目(PART-2の5日目)。八戸〜十和田〜野辺地〜青森、112Km
今日は最終日、雨の中の走行になりそうだ。いっきに約110Kmをクリアするぞ!。
05:20;起床。やはり小雨が降っている。出発?、う〜ん、いやだな〜!。
05:45;小雨の中を雨装備で出発。雨が次第に強くなり風も出てくる。1時間程で雨はあがるが、向い風が強くペースが上がらない。
09:00;七戸のコンビニで朝食を購入。朝食を摂れるような場所を探すが見つからないので、やむなく道路脇で朝食を摂る、休憩もできず、そそくさと出発。
11:00;平内町のパーキングエリアで休憩&トイレ。朝から向い風の中を走ってきたため、結構バテバテだ。雨が降りはじめたので、休憩を諦めて11時半に出発。
すぐに雨が強くなる。突如降り始めた雹混じりの大雨に、雨具を着る暇もない!。雷も鳴り始め、狭い軒下で半分濡れながらの雨宿り。雨具の中も外もずぶ濡れだ。小降りなったところで出発。依然として向い風が強く、最悪のコンディション。雨&風でむつ湾の景色を楽しむ余裕もない。
13:30;どうにかJR青森駅に到着。気温は13℃。本日の走行距離は約112km。駅前で記念撮影。雨風の中にしては結構良いペースだ(その分、疲れたが・・)。
14:28;はつかり2号に乗車(青森〜盛岡)
16:52;JR盛岡駅でやまびこ54号に乗換え(盛岡〜上野)
19:49;JR上野駅で京浜東北線に乗換え(上野〜杉田)
21:05;タクシーで自宅に到着。ご苦労さん!、トータル625kmの旅でした。
最終日になって自然の厳しさを思い知らされたが、全体的には快調な楽しいツーリングでした。5日連続のツーリングは初めての経験だったので不安がありましたが、走り始めればどうにかなるものです。大きな自信となりました。
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