小豆島一周ツーリング

Touring Date:2006/11/03〜11/04
岡山市街ルートマップ小豆島一周ルートマップ

最近はすっかり島旅づいていますが、今回は瀬戸内で淡路島に次いで2番目に大きな島・小豆島を一周することにしました。

小豆島は灯台は少なく、道路もアップダウンが多そうですが(アップダウンばかりとも言います)、博多から岡山まで新幹線で輪行し、フェリーで島へ渡り、1泊2日で灯台を撮影しながら一周するには手頃でしょう。

博多駅発6時31分のひかりレールスターに乗り、岡山駅に着いたのが8時28分。駅の東口で自転車をじっくりと組み立て、記念撮影を終えて出発したのが8時55分です。新岡山港を小豆島フェリーが出港するのが9時半なので丁度良い時間です(その時はそう思っていました)。

岡山市街を抜け、旭川の東岸を河口に向かって走り始めました。ところが、なかなか河口が見えてきません。とうとう本気モードのファーストランが始まりましたが、荷物を積んだツーリング車は慣性モーメントが大きいために、強く踏み込みすぎると横振れが大きくなり、車体が不安定になります。あきらめずに最後までチャレンジしたものの、途中で道に迷いそうになったこともあって、新岡山港に着く直前にフェリーが出港するボーという汽笛が鳴り響いてしまいました。残念、無念!。

新岡山港のフェリーターミナルです。岡山駅から11.9kmです。きれいな木造のフェリーターミナルです。

9時半に新岡山港を出港する両備フェリーにわずかに(2分)間に合わず、約1時間近くフェリー待ちをすることになりました(淡路島へフェリーで渡った時と一緒です。予定より1時間も遅れると、小豆島に上陸した後のタイムスケジュールがちょっと辛いかな。でも、最初から余裕を持って計画を組んでいるので、多分問題はないでしょう。実際に走ってみないと分からないけど・・・・)。

フェリーの待ち時間に、朝食と昼食を兼ねた、おにぎりを食べました。

10時半に出港した両備フェリー・オリンピアドリーム号に乗船するときの話です。乗船する車を誘導する乗組員の段取りが悲惨なくらい悪い、悪い、悪い。こんなに段取りの悪いフェリーに乗ったのは初めてです。これでよくお客さんから苦情が出ないもんだ、我慢しているもんだと、変な感心をしてしまいました。

でも船内の設備は結構整っていました。左の写真は船上の上部甲板に作られた足湯です。メインの煙突の両側に作られていましたが、船上に足湯があるのは初めて見ました。何人かの人が足湯をつかっていましたが、温泉街(村)で育った牛ちゃんとしては、かけ流しでないと、ちょとね・・・・。

フェリーは船倉も船内もほぼ満杯状態でした。晴れの天気予報が続く(行楽日和というらしい)3連休なので、観光客が押し寄せているようです。

フェリーは瀬戸内の海をゆっくりと進んでいきます。瀬戸内の海は船舶量も多く、慎重に航行しているようです。

牛ちゃんは船上から見える灯台を確認するため、右舷に行ったり、左舷に戻ったりと大変です。

左の写真は船上から撮影した「ツブシ礁灯標」です。フェリーが灯標に近いルートを通ってくれたので、予想以上にはっきりとした写真を撮ることができました。

両備フェリー・オリンピアドリーム号の船上から撮影した米埼灯台です。米埼灯台から米埼の集落まで山を越えて続く電線が見えました。

事前に調べていた船上から写せる灯台/灯標はほぼ予定どおり撮ることができましたが、出来上がりはどうでしょうか?。

次第に小豆島が大きくなりますが、小豆島の山々は予想したほど急峻ではないようです。イメージ的には壱岐(坂ばかりで平坦な場所は島の一部だけだが急峻な山はない)と対馬(海からすぐ山になる)の中間ぐらいかな?、ちょっと安心しました!。

土庄港が近づくにつれて、次第に期待がふくらみます。

11時45分に土庄(とのしょう)港に到着。初めての場所はいつも緊張と興奮の一瞬です。

まずは、世界一狭い海峡としてギネスブックにも載っている土渕海峡を目指しました。海面に映った橋のアーチが素敵でしょう。説明文では、海峡として認められるためには、それなりの船が航行(通航)できることが必要だとか・・・・。いろいろな決まりがあるんですね。

世界一狭い海峡・土渕海峡を渡って、渕崎から県道253号線を走り始めたのが、ほぼ12時でした。市街の道路は原則・バリアフリーで作られていて、自転車も走りやすく感じます。

しばらくは平坦だった道も、ホテル「グリーンプラザ小豆島」に近づくにつれて上り坂になりましたが、走り始めのしばらくが平坦だったのはラッキーでした。小江を過ぎた上り坂の途中で千振島に建つ千振島灯台を撮影し、再度走り始めます。

県道とはいうものの整備状態も良く、路側帯もきちんと作られていて、そのうえ交通量が少ない。すごく走りやすい道です。

12時33分、県道26号線に合流、ここまで25.8km(土庄港から13.8km)です。

12時42分、道の駅・大阪城残石公園に到着、ここまで28.3km(土庄港から16.3km)です。

大阪城残石公園は徳川幕府の大坂城拡張・修築工事の際に、石垣石の産出を行った場所だったそうです。残された石の保存と活用を図るための展示施設が整備され、石文化を伝えるとともに、石の搬出に係る港湾も一体で整備されているそうです。当時の石や石の搬出方法等も展示されていましたが、石を切り出したうえに、筏に石を積んで、瀬戸内海を大阪城まで運ぶのは、当時大変な作業だったのでしょうね。

道の駅・大阪城残石公園のすぐ横にある小海漁港の防波堤灯台も石造りでした。この後、いくつもの港で石造りの燈籠を見かけましたが、日常の生活に石文化がしっかりと根付いているのでしょう。

道端に石屋さんが増えてきました。

県道26号線(土庄内海線)は路側帯広くて走りやすい道でした。
これまでず〜っと整備状態も良く、路側帯もきちんとしていて、そのうえ交通量が非常に少ない、すごく走りやすい道です。少々のアップダウンはありますが、平坦な部分もところどころにあるので、足を休めることもできます。無理をせずにゆっくりと走れば、十分に楽しめる道です。13時08分に大部港に到着、ここまで33.3km(土庄港から21.3km)です。県道31号線は、ここから寒霞渓へと登っていきます。

千鳥が浜を過ぎると広大な採石場が続きます。これまで見たこともない広大な採石場です。平坦な道路の山側にず〜っと採石場が続く風景は、日本ではなかなか見られる風景ではないでしょう。驚きですよ。

灘崎から藤崎までゆるやかな長〜い坂(2km程か?)が続きます。そして吉田港へ下っていきます。もう一山越えると、福田港に着きます。途中で小磯灯標を遠望して撮影しました。

13時47分に福田港に到着、ここまで45.7km(土庄港から33.7km)です。アクエリアスを飲んで小休止です。左の写真は福田港の全景です。福田港から姫路までフェリーが通っていますが、小豆島は小さい割には本当にフェリー便(ルート)の多い島です。これまた驚きです。

これから国道436号線になりますが、なんとこれが県道より悪い、いわゆる昔の道です。路側帯は狭く、段差のついた歩道は狭い。そして整備が悪い。交通量が少ないので助かりますが、これで交通量が多かったら、走るのを止めたくなります(これまで走りやすい道が続いただけに落差が大きい)。

これから「橘」の集落まで、点在する小さな港をアップダウンのある国道が繋いでいます。

岩ヶ谷の旧石庁場にある八人石です。国道436号線の道路横下にあります。

大阪冬の陣、夏の陣によって徹底的に破壊された大阪城が大規模に改築されるのにあたって、筑前福岡藩が採石したのが、この岩ヶ谷の石庁場です。巨石や石を切り出す際、8人の石工が押し潰されて死んだと言われるのが、この「8人石」だそうですが、筑前福岡藩といわれると他人事ではないような気がします。

14時2分に橘に到着、ここまで54.8km(土庄港から42.8km)です。ここから、いよいよ橘峠に向かう登り坂が始まります。

橘の集落から橘峠に向かう途中で振り返って見た「千羽ヶ嶽」です。すごい岩山ですが、この島がどのようにしてできたのか、ちょっと気になります。

橘峠の直前で大角鼻灯台へ向かう道(県道248号線・橘大角坂手港線)が分岐します。ここまで56.7km(土庄港から44.7km)です。橘の集落から2km弱の登り坂でした。

右折して大角鼻灯台を目指しますが、この後も800mほど登り坂が続きます。そして、その後は1.5車線のゆるやかなアップダウンが続きます。

大泊を過ぎて県道248号線を離れ、大角鼻灯台まで残り1.7kmの地点です。ここまで63km(土庄港から51km)です。ここを左折しますが、すぐ横に「シータイガー ヴィラ小豆島」の夢破れた看板が立っています。

道は更に狭くなりますが、ほぼ平坦になりました。大角鼻灯台はもうすぐです。

15時20分、突然、大角鼻灯台の案内板が見えました。ここまで64.7km(土庄港から54.7km)です。案内板の前で記念撮影。

大角鼻灯台は、この奥の小道を下ってすぐのところに建っていますが、関係者以外は立ち入り禁止になっていますので、関係者以外はご注意を!。

県道248号線・橘大角坂手港線に合流するまで、やや下りが続きます。

15時35分に県道248号線・橘大角坂手港線に合流、ここまで66.9km(土庄港から54.9km)です。さらに坂手港まで下っていきます。

16時頃に、今日の宿・坂手港の小豆島サイクリングターミナル・エリエス荘に到着、ここまで68.4km(土庄港から56.4km)です。チェックインまでまだ時間があるので、「二十四の瞳」や「映画村」のある田浦まで、ちょっと足を伸ばして見ることにしました(ちょっとミーハーですが・・・・)。

写真は「二十四の瞳」の舞台となった岬の分教場(田浦分校)で、木造の懐かしい教室です。観光客の子供が鳴らす教室入口の鐘の音も、ほのぼのとした懐かしさを感じさせます。ちょっと観光客がうるさいですが(人のことは言えませんね)。

ちょっと観光気分も味わって(映画村は入場料が必要だったのでパス)、引き返しました。

17時前に小豆島サイクリングターミナル・エリエス荘に到着。本日の走行距離は83km(土庄港から71km)です。

サイクリングターミナルはセルフサービスが原則らしく、フロントで布団メーク用のシーツと枕カバーが配給されました。夕食は6時からなので、その前にお風呂で汗を流し、ゆっくりと体を伸ばしました。

18時から1階の食堂で夕食。ビール中瓶(500円)を飲んで食事にしましたが、今日は朝食/昼食を兼ねたおにぎりを10時頃に食べただけなので、ご飯が進みました。

部屋に戻り、ちょっと気になるところはバンテリンで手当しました。明日の天気予報は「晴れのち曇り」、暖い一日になりそうです。


2日目は6時に起床し、ゆっくりと準備を行いました。7時に朝食、走行に備えて朝食は腹8分目に抑えます。

7時半過ぎに使用済みのシーツ類と装具を抱えてフロントへ降り、チェックアウト。2日目のスタートですが、体調はばっちりです。写真は小豆島サイクリングターミナル・エリエス荘と坂手港ですが、朝日が逆光になり暗く写ってしまいました。

出発してすぐに「マルキン醤油記念館」の前を通過しました。昨日気付いていれば訪ねていたところですが、この時間はまだ閉まったままで入館できません、残念!。

8時04分に竹生(たこ)交差点に着きました、ここまで8.4km。ちょうどオリーブ園の入口です。ここから県道251号線(蒲野内海線)に入り、三都半島先端の釈迦ヶ鼻(地蔵埼灯台)を目指します。

内海湾沿いのゆるやかなアップダウンを走っていると、蒲野で県道250号線になります。ここまで13.8kmです。この分岐は道なりに左折しますが、正面の三都郵便局が目印です。

しばらく海沿いの広〜い道路を走ります。

市神子で再び分れ道が現れます。ここまで15.4kmです。ここも海岸沿いに左折しますが、地蔵埼灯台まで3.3kmと案内されていました。

左折するとすぐに道は二手に分かれますが、立てられた案内板『地蔵埼灯台 ⇒ 』に従って右折します(左折しても集落に入るだけです)。そして、曲がったとたんに「うっ、これはやばいぞ!、押しか?」と思わせる急坂が始まります。この旅一番の急坂です。

「辛抱、辛抱、坂はいつか終わる!」、「苦あれば楽あり」と言い聞かせながら、一踏み、一踏みを繰り返すうちに、坂は1.6kmほど続いてピークとなり、平坦に、そして下りとなりました。

平坦から下りに入った頃でしょうか、道路を横切って山に消えていく日本鹿が見えました。えっ、日本鹿?、カメラを構える間などありませでしたが、しばらくそこに立ち止まって、山の中にガサゴソと消えていく鹿の足音を聞いていました。確かに、小豆島は「ぶな」や「にれ」などの広葉樹が多く、道端にもどんぐりの実がたくさん落ちています。小豆島の特徴である岩山が植樹に適さないためかもしれませんが、たくさん残っている自然が日本鹿たちを守っているのでしょうね。感激の瞬間でした。

8時57分、地蔵埼灯台に到着しました。ここまで18.3kmです。灯台の門扉前には駐車場や展望台も整備されていました。敷地内には桜が植えられていましたが、地蔵埼灯台との組み合わせはとても素敵でしょうね。この灯台も関係者以外は立ち入り禁止なので、関係者以外の方はご注意を!。この坂を下りきった釈迦ヶ鼻の先端は公園になっていました。

9時36分、神浦で県道268号線になります、ここまで22kmです。富士峠まで2.2kmの上り坂が始まります。

9時56分、吉野で県道250号線に合流、ここまで26.3kmです。まだまだ小さな港々をつなぐアップダウンが続きます。次第に交通量が増えてきました。

10時09分、道の駅・小豆島ふるさと村に到着、ここまで29.4kmです。サイクリングのグループが休憩中でした。 10時17分、国道436号線に合流、ここまで31.1kmです。道路状態が悪くなりました。

10時29分、渕崎交差点を左折、ここまで34.9kmです。
10時34分、銀波浦で県道254号線(本町小瀬土庄港線)に入ります、ここまで36.3kmです。県道になって道路がよくなりました。ん?。

10時53分、黒崎に到着、ここまで41.5kmです。うみがめ産卵の地と案内されていましたが、源平の戦いで有名な屋島も目の前でした。長い海岸線を走り、ゆるやかなアップダウンを過ぎると土庄港です。

宇野港行きフェリーの乗場、出港時間、切符売場等を確認し、出港までの間に、昼食(讃岐うどんがええな!)の店を探すことにしました。いくつものうどん屋さんを覗きながら、ここは観光客相手風だとか、流行ってなさそうとかケチを付けながらポタポタしているうちに、大型?ショッピングセンターが並んでいる一角に「本格手打ち・××屋」という店を見つけました。まだ新しい店のようでしたが、味はまあまあでした。地元の人も多かったようだしね。

この後、小豆島国際ホテル裏の「エンジェルロード」が海面上に出ているの見つけ、ついでに写真を撮ってきました。

土庄港の高速艇のりばの近くに建つ「平和の群像」です。不朽の名作・二十四の瞳のブロンズ像ですが、平和と幸福への永遠の願いをこめて建てられ、島へ訪れる人をやさしい瞳で迎えてくれているそうです。

私を含め、周囲は写真を撮る観光客でいっぱいでした。

これは珍しい光景です。高知港行きのフェリーと新岡山港行きのフェリーと宇野港行きフェリーの3隻ものフェリーが並ぶ光景は、土庄港以外ではなかなか見られるものではないと思います。こんな光景、見たことありますか?。

更に、この写真の右側には高速船も停泊していたんですよ。壮観でした。

宇野港行きフェリーの船上から撮影した土庄港(フェリーターミナル)です。小豆島とはこれでお別れです。

船内は乗客も少なく自由な場所に位置取ることができました。それを良いことに、撮影可能な灯台を探して、船上を右舷に行ったり左舷にいったり、忙しい船旅でした。とはいうものの、灯台の位置は事前に調査済みなので、カーペット敷きのスペースで腰を伸ばして横たわる時間もありましたよ。

フェリーは豊島の唐櫃港、家浦港を経て、14時39分に宇野港に入港しました。

宇野港から岡山駅を目指して走り始めましたが、ルートは排気ガスの臭いで悪名高い「尾坂トンネル」がある県道45号線です。車道と段差の大きい歩道も狭いらしく、ちょっと心配ですが、怖いもの見たさというか逃げるわけにはいかないというか、訳の分からない理由で選んだルートです。まずは、JR宇野線沿いの県道22号線を走り、尾坂峠南口交差点を右折して、県道45号線に入りました。いよいよ上り坂がはじまりますが、車道が狭いうえに交通量が多いので歩道を走ることにしました。

排気ガスの臭いで悪名高い「尾坂トンネル」です。岡山に向かって左側に歩道がありますが、意外と幅も広くて自転車で走るにも不自由は感じませんでした。路面に小さなでこぼこはあるものの、街中を自転車で走るよりは安全という感じで、排気ガスの臭いもそんなには気になりませんでした。トンネル内はわずかに上っているようです。照明は暗いのでフロントライトは必須です。

全長1,088mのトンネルを抜けると、当然下りが始まりますが、ここも車道が狭いので歩道を走りました。この歩道も比較的に幅が確保されているので、走っていて危険を感じることはありません。

結論としては、「尾坂トンネル」はそんなに走りにくいトンネルでもなかったよ。

坂を下りきると、児島湖沿いの道となりますが、児島湖と車道の間に広い歩道があるので、安全かつ気楽に児島湖を眺めながら走ることができます。風景は湖というよ干潟という感じでした。

児島湖締切堤防には、片道一車線の車道と、幅3mくらいの自転車道、そして散策路も作られています。それぞれが分離されているので走りやすい良い道です。

堤防を渡りきった後は岡山駅を目指してもくもくと走るだけですが、バリアフリーが徹底された道は、車道と歩道の段差がほとんどなく、快適に走ることができました。また、岡山にはマナーの良い人たちが多くて、気分よく走ることができました。


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