志摩ツーリング2010
Touring Date:2010/5/12〜18

はじめに1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目

はじめに

一週間、愛知県の知多半島、伊良湖岬、そして三重県の志摩方面を走ってきました。

旅の前半はかなりの強風に悩まされましたが、終始天候に恵まれ、充実した一週間でした。おかげで顔は日焼けして真っ黒です。相棒は26HEツーリングこと走二郎、志摩方面はアップダウンが多いので、踏み出しの軽さや、上り坂での脚への負担軽減を考慮して選びました。久々に一緒です。

主な目的(地)としては、
・これまで走ったことがない志摩方面を走ること(紀伊長島から伊勢まで、内陸部(Route42)を走ったことはありますが海岸線は初めてです)。そして灯台の写真を撮ること。志摩方面は灯台銀座?と言われるくらい灯台等が多いので、どんな灯台にめぐり合うことができるか楽しみです。
・できれば、伊勢湾の島々へ渡り、島々の灯台を訪ねてみます。
・ついでに、伊勢/志摩の美味しい海産物を味わうことができれば最高です(予算の制限はありますが・・・)。

結果的には、強風に悩まされながらも終始天候に恵まれ、ほぼ計画したスケジュールとおりに走りきることができました。
前半は、渡船(鳥羽市営定期船)で島へ渡ることが多く、また後半も岬々を訪ねめぐったため走行距離は伸びませんでした(トータル338.7km)が、樹間を吹き抜けるさわやかな風に包まれながら走り続けるのはすごく心地よく、自転車の良さを再確認しました。やっぱり自転車って良いですね〜。

また、今回初めてICレコーダを携行し、走行中や灯台探訪中に記憶に残った事柄を記録してきましたので、レポートの中身も少しグレードアップするかもしれませんよ。ご期待ください。


5/12(水);自宅〜福岡空港−(輪行)−中部空港〜師崎〜フェリー〜伊良湖岬。福岡空港から中部空港まで飛行機で輪行。さらに常滑まで電車で輪行し、駅で自転車を組み立てて出発したのが11時半近く。時折、ハンドルをとられるほどの強風(追い風)に煽られながらの走行でした。晴れ風強し

5/13(木);伊良湖岬〜鳥羽〜菅島〜答志島〜坂手島〜鳥羽。強風のため伊良湖から神島への渡船が欠航する可能性があるため、急きょ予定を変更しフェリーで鳥羽へ渡る。鳥羽から市営渡船で各島々へ渡り、灯台を撮影。晴れ風強し

5/14(金);鳥羽〜神島〜鳥羽〜神前岬〜鳥羽。市営定期船で神島(三島由紀夫原作の「潮騒」の舞台となった島)へ渡り灯台探訪を兼ねてゆっくりと散策。鳥羽へ戻り徒歩と自転車で灯台探訪。晴れ風強し

5/15(土);鳥羽〜石鏡〜鎧崎〜相差〜的矢〜安乗〜国府。スタートからゴールまでアップダウンの繰り返しなので、走行距離を短め(約70km)に設定し、ゆっくりと志摩の有名な灯台(安乗埼灯台、etc)を探訪。海沿いの旧道(県道)は樹々におおわれて涼しげな風に吹かれ心地よい。晴れ

5/16(日);国府〜大王崎〜退治崎〜深谷水道〜麦崎〜御座岬〜浜島。先志摩半島はもっと志摩半島らしいエリアだろう。訪ねる灯台が多いので走行距離はすごく短い40km強に設定。御座から観光船で浜島へ渡る。晴れ。とても素敵な民宿『惣吉』に泊る

5/17(月);浜島〜田曽浦〜五ケ所浦〜礫浦〜贄浦〜奈屋浦〜吉津〜方座浦〜古和浦。今日は一日中、自転車で灯台めぐり。ずっと続く海岸線のアップダウン、無理せずゆっくりと楽しみながら走る。走行距離は88km。晴れ、気温が上昇

5/18(火);古和浦〜紀伊長島−(JR輪行)−松坂〜津−(高速船)−中部空港−(輪行)−福岡空港〜自宅。灯台を訪ねながら紀伊長島まで走り、そこから松坂までJRで輪行。松坂駅から松坂港経由で津港まで走り、津港から高速船で中部空港へ。そして飛行機で福岡へ戻る。晴れ時々曇り


2010/5/12(水) 1日目:自宅〜福岡空港−(輪行)−中部空港(セントレア)−(輪行)−りんくうとこなめ駅〜師崎港−(フェリー)−伊良湖港〜立馬岬〜伊良湖岬の民宿。走行距離は73.3km。天候は晴れ、風が強い

6時に起床。PCを立上げ天気予報をチェックし、3〜4日ほどは雨が降らない(後半がちょっと不安定)ことを確認するが、気温が以外と低そうなのでポロシャツを長袖に変更。昨日出発予定だったが、現地の天候不良により出発を今日に延ばしている。

8時過ぎに福岡空港に到着。輪行準備を整えたあと、自転車(輪行袋)とサイドバッグ(左右)を手荷物として預けほっと一息。9時、定刻に離陸したが、眼下は厚い雲に覆われ現地の気候が気になる。機内のアナウンスでは「現地は雨?」、おいおい・・・。

定刻通り、10時15分に中部空港(セントレア)に到着。機内のアナウンスに反し晴れあがっているので一安心。手荷物の自転車(輪行袋)とサイドバッグ(左右)を受取り、カートに積んで名鉄空港線の改札口へ向かう(空港から走り始めたいが、空港と本土を結ぶ連絡橋は自動車専用で自転車や人は通行できない)。

最寄りの「りんくう常滑駅」で下車し、走行準備。準備を終えて、隣のコンビニで水やチョコを購入し、11時20分に走り始めるが、北寄りの風が強くハンドルをとられそうになる。知多半島を南下するので追い風はうれしいが、時折吹く突風でハンドルがとられそうになるほどの強風だ。注意、注意!。しばらく海岸沿いの県道(252号線他)を走り、途中から国道247号線に入る。

12時20分過ぎに「野間灯台」に到着、走り始めてほぼ1時間。「野間灯台」は国道247号線のすぐ横に建っていた。灯台近くの海岸(岩場)には岩海苔らしい海藻が生えていたが、近くの海岸は海苔養殖や潮干狩りが盛んなようで、道路沿いには駐車場や休憩所が建ち並んでいる。強風を避け案内板の陰で昼食のおにぎりを食べる(砂浜では強風に砂が飛んでいます)。今回初めて携行したICレコーダも風の音がうるさくてほとんど役に立たない。

昼食、トイレを済ませ、12時50分に走り始めるが、相変わらずの追い風強風!。嬉しいけれど要注意!。道路は平坦で、比較的に交通量も少なく快走。

あっ、そうそう。中部空港(セントレア)では名古屋鉄道のホームまでカートを持ち込むことができますよ。もちろん、電車内にはカートは持ち込めませんが。

師崎港に着く直前、防波堤沿いの道路に入り「羽島灯標」を撮影したが、強風に白波が大きく舞っていた。

13時50分、師崎港フェリー乗場に到着。ここまで約50km、中部空港からここまで、ほとんど平坦な道で、追い風にも助けられ、快調に走ってくることができた。

14時50分に出港するフェリーのチケット(自転車込で1,900円)を購入した後、周辺の灯台、灯標の撮影散策。師崎港は14年前に伊良湖港から逆ルートで渡っているが、港周辺を走っていると、陽炎のごとく思い出がよみがえってきたりする。

14時50分、フェリーは定刻に出港。大型フェリーだけに、この強風の中でも意外と揺れは少ない。 フェリー船上から島々や灯台/灯標を眺めていると、強風で体が持って行かれそうになる。波飛沫に灯台を写すカメラが濡れそうになるが、手擦りはずぶぬれで掴むこともできない。

野島の高台に建つ尾張野島灯台を狙っていると、その奥に「渥美火力発電所」や風力発電所が次第に大きくなってきた。これだけ風が強いと、風力発電所は大活躍だろう。

15時半過ぎ、伊良湖港に到着。立馬灯台を目指し、港近くの急坂を登る。

伊良湖シーサイドGCの手前、宮下交差点を左折し、海岸沿いの道路に入る。

海岸沿いの道路はきれいに舗装されているが、海からの風が強く、海岸が砂浜のところでは、強風に舞った砂粒が左の頬にピシピシとぶつかってくる。頬に当たるだけだったらまだしも、左耳のなかまで入ってくるので、たまらずティッシュで耳栓を作り、耳(の穴)に詰める。

強風に負けないよう自転車を風上側に傾けて走っているが、一瞬風が弱まると、反対側にふらつき慌てて修正する。その繰り返し。天気が良ければ(風が穏やかな時は)良い海水浴場だろうがね。

舗装道路が切れ(終わり)、堤防沿いに伸びるセメント道路になった。火力発電所の紅白の煙突が次第に大きくなり、それを過ぎるとやっと立馬埼灯台が見えてきた。立馬埼灯台の周囲は浜大根の群落で、紫っぽい色の花々が強風になびいている。

立馬埼灯台の近くには複数の風力発電所が建っているが、これも風が強い証しなんでしょうね。

立馬埼灯台の撮影を終えると今日の予定は全て終了だが、まだ時間もあるので、立馬崎の先まで走り干拓地をぐるっ〜と一周して伊良湖まで戻ることにする。

立馬崎の先端も風が強く、福江漁港の北に位置する(元)湾を閉め切った堤防の道では風に煽られて海に落ちる恐怖さえ感じてしまう。危険さえ感じる堤防は早々に抜け、福江漁港から伊良湖を目指して南下し始める。

県道418号線はず〜っと平坦で、ここが埋立地だということが良く分かる。福江漁港に近い地区には、まだ田圃もあるが、南下するに従って畑が増えてくる。畑の作物はキャベツが多い(今はほとんど収獲が終わって花が咲いているものが多い)ようだが、時折ブロッコリー、そしていろいろな丈の「とうもろこし」も栽培されている。「とうもろこし」は、すでに実がなったものもあり、その成長の早さに驚いたが、家庭菜園を始めて以来、道端で栽培されている野菜の状況が気になってきた。

17時過ぎに宿(民宿)に到着。本日の走行距離は73.3km。お風呂に入ったあと、汚れものを洗濯機に入れて夕食開始。1泊2食、ビンビール(中)込みで約8,000円のわりには、かなり豪華な夕食だ。予想した通り、同じ金額だと旅館よりはるかに民宿のほうが料理が豪華で、装備やサービスに期待しなければ、民宿は最高の宿だ。

明日の天気も晴れの予報だが、風は収まりそうにない。船で島へ渡るスケジュールを見直さなければならないかな〜、なんて考えながら22時過ぎに就寝。


2010/5/13(木) 2日目:伊良湖港−(フェリー)−鳥羽港−(渡船)−菅島−(渡船)−答志島−(渡船)−坂手島−(渡船)−鳥羽の宿。走行距離は2.6 km。天候は晴れ、風が強い

6時前に目が覚め、布団の中でぐずぐずしながら天気予報をチェックする。今日も晴れだが、やはり風が強そうだ。今日は伊良湖岬灯台に寄った後、渡船で神島へ渡り、更に渡船で鳥羽へ渡る予定だ。昨日、港で見かけた神島行きの渡船は意外と小さかったので、この風の中を予定通り就航するかどうか、ちょっと心配だ。

宿を出て伊良湖岬灯台を目指す。伊良湖岬灯台を訪ねるのは2回目になるが、1回目は遠州灘を横に見て、ずっと渥美半島を走ってきた。結構きつかったな〜、なんて思いだす。伊良湖岬灯台は半時計回りに「道の駅」側からアプローチすると自転車でも難なく近付くことができるが、逆に時計回りだと自転車を抱えて階段を下るはめになってしまう・・・。

伊良湖港旅客ターミナルに着き神島行きの渡船について尋ねると、「午前中の船は就航できそうだが、午後は風が更に強くなるので保障できない」とのこと。復路が欠航してしまうと神島泊りになりかねないので、急きょ計画を変更してフェリーで鳥羽へ渡ることとし、急いでチケットを購入(自転車込で2,500円)し、出港の5分前に乗船。

鳥羽行のフェリーは9時半に出港。今日渡る予定だった神島を横眼で見ながら、灯台までのルートを地図と見比べる。また、14日に計画していた志摩の各島々までの渡船の運航時間を確認し、この後の計画を考え直す。
風は強いが大きいフェリーだとほとんど影響は感じず、答志島の陰に入ると波風は穏やかになった。10時25分に鳥羽港に到着、市営定期船中之郷乗場へ急ぐ。

鳥羽港から市営定期船中之郷乗場まで5分弱。待合所の前に自転車をデポし、運航時刻表を確認しながらこの後の計画を練り直す。

まず菅島へ渡って菅島灯台を訪ねる。菅島から鳥羽の佐田浜港へ戻り、佐田浜港から答志島(桃取港)へ渡って島ケ埼灯台を訪ねる。さらに答志島(桃取港)から坂手島へ渡って二つの灯標を撮影し、最後に中之郷へ戻る。渡った島での滞在時間によっては計画が変わるかもしれないが、まあ走りながら(移動しながら)柔軟に考えることにしよう。

乗場前の軽食やさんで一番早く用意できるというカレーライスを食べ、11時30分発の菅島港行き渡船(市営定期船)に乗船(片道490円)。湾内といっても全面に白波が立っていて、小さな渡船だとかなり揺れる。

菅島港に入港する前から目立っているのが、港のすぐ後ろに建つ菅島小学校だ。
校舎の真ん中に位置する階段/踊り場部分が「菅島灯台」をイメージしたものだとすぐにわかる。有名な灯台の近くには、灯台を意識した/イメージしたモニュメントが建てられていることは多いが、ここまで堂々と、おおっぴらなものは少ない。「菅島灯台」に対する住民の方々の想いが伝わってくるようだ。

12時5分に菅島に到着。13時15分発の船に乗る予定なので、使える時間は1時間程度、急いで菅島灯台へ向かう。菅島灯台までは1時間もあれば十分に往復し、写真撮影もできるはずだ。

海岸沿いの道路を時計回りに歩き始める。定期船乗場の隣の漁港では収獲してきたばかりの「アラメ(海草)」干しの真っ最中。波止場や堤防のありとあらゆる場所が干し場だ。道路は港の外れから上り坂(近畿自然歩道、菅島灯台まで1.3kmの案内板あり)になるが、分岐点にはずっと案内板が立っているので、灯台まで道に迷うことはなかった。

12時半頃に灯台に到着。評判通りシックで素敵な灯台だ。じっくりと灯台を撮影する。
灯台は風を避けるよう山陰に建てられているが、それでもかなりの強風が吹いていて、灯台守家族の往年の苦労が偲ばれる(港の近くには「風の島・菅島」の説明板があったが、それだけ風が強いのだろうね)。

想いを巡らせていると時間を忘れてしまいそうになるが、渡船の出港時間が迫っているので、急ぎ脚で引き返す。

どうにか出港5分前の13時10分に港に着いたが、なにか景色が違う。乗場に船がいない。待合室の時刻表を見て間違いに気付いた。あ〜、出港時間は14時、まだ50分もある。こうなったらしばらく島でのんびりしよう、するしかない。

港近くの散策や写真撮影を終えても時間があるので、待ち時間に、この後の計画を見直すことにした。この後、いったん鳥羽(佐田浜)へ戻り、そこから渡船で答志島へ渡る。答志島からの復路の途中で坂手島へ降り、灯標を撮影し、鳥羽(中之郷)へ戻る。うん、これで万全だ。強風のため急きょ計画を変更することになったが、どうにか計画したところには行ける目処がついた。

14時発の渡船に乗り14時20分に佐田浜港に到着(490円)、14時30分発の渡船で答志島・桃取港へ向かう(430円)。ちょっと島影を外れると波風が強烈!、どーんどーんと波が船底を打ち、激しくあおられる。乗客の喚声が、あ〜・・・。

14時40分過ぎに桃取港に到着し、急ぎ足で桃取小学校を目指す。島ケ埼灯台への登り口は桃取小学校の裏手にあるはずだ。

桃取小学校の校門の横には、島ケ埼灯台の案内板(島ケ崎灯台、820m)が立てられていた。案内板に従って進み、校舎裏手の排水溝の板蓋を踏んでいくと、自然に裏手の小屋付き畑横の小道に導かれ、更に進むと丸太を敷いたはっきりとした山道になった(答志島縦走線歩道)。

丸太を敷いた山道には答志島縦走線歩道の案内板が立っているので、途中で道に迷うことはないはずだが、島ケ埼灯台へ行く途中に建っているはずのでっかい貯水塔(貯水タンク)がなかなか見えてこない。かなり進んでも見えないし、進んでいる方向も違うようなので引き返すと、先ほど進行方向を迷った場所のすぐ先に貯水塔(貯水タンク)を発見。あとは案内板とおりに進み、高圧線の鉄塔の脇を過ぎて、断崖の縁に灯台を発見した。

復路は「灯台への道」用の写真を撮りつつ下っていった。

15時45分の渡船で桃取港を出港し、16時15分に坂手港に到着(430円)。徒歩で「丸山ノ鼻」を目指す。

坂手島は港の近くに家々が固まって建っているが、細い道の両側に続く家々は狭い建て坪で隙間なく並んでいる。時折、櫛の葉が欠けるように空き地が出来ているのは、高齢化が進んでいるせいか、ちょっと寂しい。港から離れるにしたがって花壇や庭が増え、小さな家庭菜園も見られるようになった。集落は風下にあたる島の南側に固まっているので、強風は感じない。

「丸山ノ鼻」まで往復(ゆっくり歩いて写真撮影しても30分強)し、二つの灯標を撮影。「丸山ノ鼻」に近づくにしたがって風が強くなり、島陰を出ると強風に砂粒が飛んできた。もう、これ以上は進めない。

17時には港へ戻り、中之郷行きの渡船を待つ。待っている間に、市営定期船(高速船を含む)に自転車が載せられるかと尋ねると、140円/便で載せてくれるそうだ(船内には荷物を固定する手擦りも取り付けられていて、自転車を固定することができる)。市営定期船に自転車を積んで旅する機会があれば、参考にしてください。

17時15分、中之郷行きの渡船に乗り(220円)、中之郷港近くの定期船乗場横にデポしていた自転車を回収し、17時半すぎに宿に到着。


2010/5/14(金) 3日目:中之郷乗場−(渡船)−神島−(渡船)−佐田浜乗場〜鳥羽港導灯〜神前岬〜宿。走行距離は19.2km。天候は晴れ、風が強い

今日は市営渡船(高速船)で神島へ渡り、鳥羽に戻った後で鳥羽港近くの導灯や神前岬の灯台を訪ねる予定。早朝の天気予報でも強風が残るとみられるため、神島まで往復する高速船が就航するかどうかちょっと不安だ。

7時前から朝食を摂り、7時15分には中之郷乗場に到着。高速船は何もないかのように浮き桟橋に横付けし、乗客を受け入れている、良かった。石垣島でも同じような心配をしていたことを思い出した。空はピーカンと晴れ渡っているが、湾内の海面には白い波が無数に立っている。

7時25分に中之郷乗場を出港(490円)し、佐田浜港、和具港を経て神島へ向かう。3分の2の乗客が和具港で降りてしまい、船内は一気に寂しくなった。

答志島の島陰を出ても恐れていたほど波は高くなく、一安心だ。8時20分、神島港に到着。港の近くに立てられた神島案内地図を参考にして歩き始める。

歩き始めてすぐに、介護予防施設「しおさい」の角に「神島灯台まで760m」の案内板があるのに気付いた。案内板が示しているこのルートは島の中央通りみたいな位置づけにあるようだ。案内板は分岐毎に立てられていて(時には路面に曲がる方向が矢印でペンキ書きされている)、まず迷うことはない。

セメント階段が、中央だけ階段で両脇が斜面に変わり、左手に「八代神社」を見て更にすすむと、セメント舗装に変わって伊良湖岬方面の展望が開けてくる。ここから灯台までの区間は風にもろに吹きさらされていて、今日のような風の強い日はちょっと恐怖を感じるくらいだ。

そして突然、神島灯台の玄関の門柱が見えた。門柱には神島灯台の木製の看板が掛っていて、更に進むと海側に厚い風除け塀が見えてきた。
写真のように灯台の敷地は2段になっていて、低い方に昔の官舎が建てられていたと思われ、灯台と照射灯は階段を登った2段目に位置している。灯台の周囲もこれまで見たことが無いくらい厚〜いセメント塀で囲われていて、風が吹いた日のすさまじさを思い起こさせる。しばしの間、有人であっただろう時期の灯台守りの生活に想いを馳せ、そのご苦労をしのんだ。

神島灯台の撮影を終えると、この後はゆっくりと島の観光?。復路の高速船が出港するまで、まだ2時間半もある。9時頃、監的哨に向けて出発。

神島灯台の横から階段(近畿自然歩道)を150mほど上って灯明山(とうめいやま)の分岐に着く。右に行くとレーダー塔らしいが、「監的哨」に向かって下っていく。かなり急な下り坂。神島監的哨は伊良湖岬に据え付けられた試射場から発射された砲弾の着弾点を監視し、報告するために設置された施設らしいが、鉄筋コンクリート2階建てで、屋上からも広く監視できるようになっている、展望が開けた場所だ。ここも映画「潮騒」の撮影場所になったそうで、入口横に案内板(「潮騒」はこれまで5回映画化されたようだが、吉永小百合バージョンが一番人気があるようで、案内板はすべて小百合バージョン)が立てられていた。

監的哨を後にして小学校へ下っていく。下り坂の木々の間から、突然小学校の校庭が見えて展望が開ける。校庭の横には丸太を組んだ塀がつくられているが、強風のためか根元からごっそりと倒れている場所がある、すさまじいものだ。小学校の校庭を横切って海岸通りに出ると、なぜか、やけに「スズメバチ」が多い。

島を一周して港に戻ってきても、船の出港まではまだ時間があるので港周辺を散策。八代神社の階段を登って階段数を数えたり(213段だった)、神社から灯台までの道を確認したり・・・。神島灯台には八代神社経由でも行くことができるが、中央通り経由の方がいろいろなものを見ることができるので面白い。路地に入ると道が狭くて入り組んでいるが、かなり古い建物もある。

11時35分、高速船は定刻に鳥羽へ向けて出港(490円)。高速船は途中で菅島へ寄港した。

12時過ぎに「佐田浜港」に到着。鳥羽港湾センターの食堂で昼食を摂ってJR鳥羽駅裏の鳥羽導灯を目指す。

鳥羽導灯(前灯)は、JR鳥羽駅裏の鳥羽駅西駐車場の道向かいに立っているやぐら型のタワー。入口は道路から見える位置にあるので、すごく分かりやすいがプレートはなし。

鳥羽導灯(前灯)と鳥羽駅西駐車場の間の道が「日和山遊歩道」で、案内板では見晴台まで530m。杉林の間を歩き「見晴台」まで上ると、鳥羽港の展望が開けるが、斜め下に立派な鳥羽導灯(後灯)が見えた。アプローチルートは「見晴台」の少し下から伸びており、すぐに発見することができた(こう書くと簡単に発見できたようですが、あっちこっち捜し歩いても見つけられず、最後に「見晴台」に登ったところ、あっけなく見つかったのです。最初から「見晴台」に来て探したほうが良かったんですね)。

鳥羽導灯(後灯)は導灯とは思えないくらい立派な/古そうな導灯で、九州の島原半島の先端に建つ「口之津灯台」に似た雰囲気を持っていた。写真撮影を終えて「日和山遊歩道」を下り、宿へ向かう。

宿から自転車で国道42号線を走り、神前岬を目指す。

二見シーパラダイスの手前から防波堤横の道に入り、突き当たったとこで自転車をデポし、神前埼灯台を目指す。防波堤の行き止まりには「神前岬と潜島」の謂れを示す案内板が立てられている。

小さな小石の砂浜は柔らかく沈んで歩きにくいので、できるだけ固そうな場所を選んで歩いていく。歩きながらも山の斜面にロープが垂れ下がっていないかと探す。海岸線から神前埼灯台へ続く道にロープが下がっているらしいのだ。ロープを見つけられないうちに鳥居が建つ岩場に着いてしまった。とりあえず、潜島の手前に建つ赤い「桃取水道大村島灯標」を撮影する。ネットで調べていた資料を引っ張り出してみると岩場まで来たのは行きすぎで、岩場の70mほど手前にロープが下がっているらしい。

資料に従って探していると、ちょっと奥まった場所にロープを探し出すことができた。あ〜良かった〜!。

写真の中央に白い流木が横たわっているが、その右側の茂みにロープが下がっていた。詳細は「灯台までの道」で紹介しているので興味のある方は、そちらを参考にして下さい。

ロープ(2本)を頼りに茂みを登ると10数段の石の階段が組んであり、その先は木々の幹や枝に赤や青のビニールテープが巻かれていて、灯台までの道筋を示してくれる。道に迷いそうな場所には、かならずテープが巻かれているが、布テープと違って簡単には切れそうにないのが良い。ロープへの取り付きから灯台まで約10分程度で道に迷うこともなく到着することができた。

神前埼灯台に着くと、灯台から南側へ手擦り付きの歩道らしきものが伸びていた。これがJR松下駅方面へ続くの道なのかもしれない。

自転車のデポ地点まで戻り、15時半に鳥羽市内へ向けて出発。のんびりと歩道を走る。
16時20分に宿に到着、本日の走行距離は19.2km。風は強かったけど、好天に恵まれた一日だった。


2010/5/15(土) 4日目:鳥羽〜石鏡〜鎧崎〜相差〜的矢〜安乗〜国府。走行距離は68km。天候は晴れ

今日は一日、自転車で走る。週間天気予報で雨マークがついていた17日以降も「曇り時々晴れ」に変わり、雨の心配なく走れるようだ。

7時から朝食、エネルギー切れにならないようたっぷりと、でも腹にもたれない程度に食べる。
8時前、宿の写真を撮って出発。天候は晴れ、風がちょっと冷たい。服装は上はTシャツに長袖ポロシャツ、そしてウィンドブレーカ、下は短レーパンにフィットネスパンツ。昨日までは最高気温が20℃に満たなかったが、今日から20℃を超えるようなので、多分、途中で長袖ポロシャツを脱ぐことになるだろう。

今回の相棒は愛称・走二郎こと26HEツーリング(久留米の自転車工房・Baramon製)。ロングツーリングでは軽快に走ることができる700cツーリングを選ぶことが多いが、今回は海岸線のアップダウンが多いコースなので、踏み出しが軽く脚への負担が少ない26HEにした。また、輪行する時にコンパクトに収まるというのも良いね。

鳥羽市内を抜けると、ゆるやかなアップダウンが始まり、ず〜っとその繰り返し、飽きるほど。今日は一日この繰り返しかな?、かなり車が多い。

国道167号線を外れ県道750号線に入る。「麻生の浦大橋」を過ぎ、「本浦」で再度県道750号線に入ると、一気に旧道らしい風景に変わる。そうそう、これくらいが丁度良い。

本浦の海岸から養殖いかだの間に建つ赤い「前長瀬灯標」を」撮影する。
海にいっぱい浮かんでいる養殖いかだの真ん中に立っている白い箱は、どうもトイレのようだ。トイレ付きのいかだ、なかなか快適そうだ。

旧道は勾配もゆるやかで、両側の樹々が道路に影を落とし実に涼やかで心地よい。あえて、ゆっくりと走り続ける。田植えが済んだ水田では蛙が鳴いている。そういえば今年初めて聞く蛙の鳴き声だろう。樹々が途切れると、いろいろな島々が見える。

交通量は少ないが、車とすれ違う時は道路の端までぎりぎり寄るくらいの道幅が続く。

9時10分、ホテル石鏡荘の横に建つ「石鏡灯台」に到着、ここまで14.8km。「石鏡灯台」へは県道750号線を外れ、急坂を一気に下るが、ホテルの入口には「灯台と岬の宿 ホテル石鏡荘」という案内板が設置されている。灯台も商売の役に立っている(売りになっている)ようだ。写真を撮って出発、まだまだ穏やかな道が続く。

10時前に「鎧崎」に到着、ここまで21.6km。鎧埼灯台は周囲が埋め立てられ堤防で囲まれた岬の先端に建っている。小さな子供たちを連れた若いおかあさんが海岸の岩場で子供たちを遊ばせている、穏やか風景。少し風が出てきたが、これくらいが心地よい。北側には神島や伊良湖岬、南には安乗埼灯台も見えている。
10時20分に出発。

相差(おおさつ)町に入ると車が増えてくる。携行した「ツーリングマップル関西」と道路状況が違うような気がするが、なにせこの地図は2001年版、発行されてすでに10年近く経っている。

10時54分、県道47号線に入る。よしルートはOK!。道は次第に上り坂となり、車も増えた。

11時20分、正面の交通案内板に「国道167号線、右鳥羽、左磯部」と表示されている、ん、なんで?。地図で確認すると県道47号線を走ってはいるが、目的地とは逆方向に走ってきている。あ〜、今日は走行距離が短いので、のんびりし過ぎて注意散漫になっているぞ。このミスで往復15kmのロス、気を引き締めないと大怪我をするぞ!。

海岸線が見えてきて一安心し、再び県道47号線を走り始める、今度は間違えないぞ!。でも、道路に案内板が少ないので、時々不安になってくる。旧道の悪いとこだ。悩みながらも、12時20分、どうにか的矢港に到着、ここまで51.4km。

事前にルートの下調べをしていた時、的矢港から渡鹿野(わたかの)島へ渡る「県道船」があることを知った。県道船には自動車やオートバイなどは載せることができないらしいが、自転車も乗れないとは書いてなかったので、旅の想い出にぜひ乗りたいと考えていた。的矢港に着き港の近くの方に乗場や船の呼び方を教えてもらい、木の板を横に掲げたところ、対岸に泊まっていた船が動き始めた。

「県道船」は前乗り/前降りの小さな船で、船頭さんの話では自転車もオートバイと同じ扱いで乗せられないらしい。はるかに遠い九州から来たことや、ぜひ乗りたいと思ってきたことなどを繰り返し、拝み倒して乗せてもらえることになったが、これは一回だけという約束の話だ。普段は乗せてもらえないのでご注意を!(料金は無料でした。これまでの経験だと、ほとんどの渡船は自転車を乗せてくれるのですがね)。

渡鹿野島から対岸の国府までは民間の渡船が通っていて、今度は何も言わずに自転車も乗せてくれた(大人150円、自転車300円の計450円)。13時10分に走り始める。

13時25分、安乗埼灯台に到着、ここまで56.3km、道は平坦になってきた。左の写真は初代の安乗埼灯台のミニチュア模型で、灯台前の広場に立てられていた。
腹が減っていたので撮影もそこそこに近くの食堂に入るが、天井の電気は消えたままで、メニューも「うどん」だけという寂しさ。諦めて走りながらコンビニを探すことにする。

コンビニはなかなか見つからないが、「山ノ神鼻月島照射灯」が建つ阿瀬を目指す。安乗警察官駐在所の先で左折し、細い道を下っていくと阿瀬の漁港に着いた。阿瀬漁港の先を堤防沿いに進むと港の外ずれに別荘が数棟建っていて、その間を左折して進むと左側にセメントの階段が見えてきた。「山ノ神鼻月島照射灯」はその上に建っていた。

阿瀬漁港を後にし、今日の宿を予約した国府を目指して走るが、なかなかコンビニが見つからない。そして、とうとう国府に到着。しばらく迷って宿を見つけ出したが、チェックインの時間には早いので、海岸に出て波乗りを楽しむ人々を眺める。阿児の松原は多くのサーファーで賑わっている。海岸に建つ民宿の客はサーファーが多いようだ。

16時10分、宿に到着、本日の走行距離は68km。天気にも風にも恵まれ、心地よい一日だった。どうにか、船にも乗れたしね・・・。


2010/5/16(日) 5日目:国府〜名田〜大王崎〜退治崎〜深谷水道〜麦埼〜鉄砲塚〜布施田〜岩井崎〜御座岬−(観光船)−浜島。走行距離は43.3km。天候は晴れ時々曇り

6時前に起床。カーテンを開けると薄く雲が出ているが、今日の予報は「晴れ時々曇り」。でも、まだちょっと寒い。サーファーは朝が早く、夜が明ける前から裏の駐車場に出入りする車の音が続いていて、ちょっとうるさかった。 今日は先志摩半島の先端に位置する御座港から対岸の浜島港へ観光船で渡る予定だが、御座港発の14時に乗れるか16時半になるか微妙なところだ。どうにか14時の船に間に合いそうな気がするが、走ってみないと分からないし、訪問場所を減らしても旅の意味がないので、あせるつもりはない。多分二度と来る機会はないので、大切に走らなきゃね。そのつもりで今日の宿を浜島港に決めた。

7時半過ぎからちょっと遅めの朝食。食事の後すぐに出発することになるので、量は控えめにする。
8時過ぎに出発。最初は平坦な道だが、次第にアップダウンが増えてくる。走り始めは意識してペースを抑え、ゆっくりゆっくり走る.

8時半過ぎに大名町名田に到着、ここまで6.7km。「名田ミヤウジ島照射灯」を探す目標は「光月禅寺」(左の写真が光月禅寺でお寺の奥に照射灯の上端が見える)。この寺の裏に照射灯があり、照射灯が照らすミヤウジ島(明神島)には小さな白い灯標が立っていた。/p> 大王埼灯台を目指して走り始めると、道端に大王埼灯台を指す案内板が増えてきて、間もなく波切(なきり)漁港の先に大王埼灯台が見えてきた。ここまで9.1km

左の写真で、波切漁港の奥に小さく見えるのが大王埼灯台で、左側の森に波切神社が建っている。

大王埼灯台は最も観光地化された灯台のひとつだろう。港から灯台へ続く登り道の両側には観光客相手の土産物屋(特産の真珠加工品や海産物が多い)が並んでいるが、観光ポイントは灯台だけ。もちろん、大王埼灯台は常時見学でき、資料館も併設されているが、その他の観光ポイントと言えば海への展望ぐらい。それでも多くの観光客が訪れてくる。不思議なもんだ。

観光客が多すぎてゆっくり楽しめず早々に退散する。人が多い灯台には、なぜか馴染めない。/p> 大王崎に建つ「波切(なきり)神社」の鳥居と階段。

この奥に波切(なきり)神社があり、そのまた奥に大王崎無線方位信号所がある。大王崎無線方位信号所に大王埼大王岩照射灯が併設されているらしいが、信号所は厳重に金網で囲われているので、照射灯の本体を確認することはできなかった。

波切漁港には、大正時代に作られたという「間知石による矢羽積の石積み」が残っていて貴重な文化遺産となっているそうだが、自転車で走った時にはそれに気づかなかった。ちゃんと見てくればよかったね〜。/p> 大王埼灯台を出て、間もなく国道260号線に入る。

混み合った民家の中の細い道を通って退治崎を探すと、国道から少し入った雑木林のなかに「退治埼八十島照射灯」が建っていた。

深谷水道は、昭和のはじめに人工的に掘られた太平洋と英虞湾をつなぐ運河だそうで、もともとは阿児湾の水質を改善するために掘られたものらしいが、普通の漁船だったら十分に離合する幅があり、漁船が頻繁に行き交っている。

深谷水道の横に作られた堤防を通って、深谷水道口灯台と深谷水道北口灯台を撮影する。

深谷水道をあとにして麦崎を目指す。国道道260号線を離れ、家々が混み合って建っている間の細い道を抜けると岬の先が公園になっていて、遠足に来た子供たちが弁当を食べていた。麦崎の西側の漁港(片田漁港?)では漁から帰ってきた海女が船から降りてきていたが、これがあの有名な「海女の磯笛」を吹く海女らしい(後の祭りだが・・・)。/p> 麦崎を後にし、先志摩半島を縦断して英虞湾を目指す。今日は、先志摩半島を走り回って、いろいろな灯台/灯標/照射灯を撮影する予定なので、なかなか忙しいのだが、半島は意外と平坦なので、比較的に楽に?走る事ができる。

写真は、布施田の鉄砲塚から、対岸の大鼻の先端に建つ「大鼻灯台」を撮影したもの。海岸線が入り組んだ英虞湾には真珠の養殖場が多いようで、鉄砲塚の海岸からも多くの筏と、筏の上で一緒に働く夫婦を見かけた。

鉄砲塚を後にして、先志摩半島を再度縦断し(こう書くとすごいようだが、わずか3km程度)、太平洋に面した志摩総合スポーツセンターの海岸線に出る。今度のターゲットは沖の小島に建つ「大長瀬灯標」と「布施田灯標」、どちらも緑色円筒型の灯標だ。

海岸線に着くと沖の小島には灯標はなく、海の中に2個の灯標が建っている。2万5千分の1地勢図も時々、灯台の位置が違っていることがあるので、とりあえず2基とも撮影しておく。

ここまでなかなか良いペースだ。このまま走ることができれば、14時に御座港を出港する観光船に間に合いそうだが、御座岬次第かな。

12時50分、岩井埼矢摺島照射灯に到着。ひょろ〜っと縦長3階建ての照射灯。ここも電線を頼りに見つけることができた。

13時過ぎに、御座岬に建つ別荘群の入口に到着。別荘の入口近くに自転車をデポして(別荘の上まではとうてい登れそうにない急坂だ)、別荘の高台まで歩き、そこから灯台へ続く山道に入る。衛星写真をコピーして携行しているので、入口やルートを迷うことは少ないはずだ。

山道の入口も簡単に発見し、あとは灯台までひたすら歩く。でも、ここまで休憩なしで走ったり歩いたりしているので、かなり脚が重い。ここまでくれば、14時発の観光船に間に合わせたい。でも、今日も昼食抜きかな?。

急ぎ歩きで13時20分過ぎに灯台に到着。写真だけは丁寧に撮影して帰路に着く。写真は御座の白浜海岸の堤防から撮影した御座岬(黒森)で、山腹には別荘へ繋がる電柱/電線が見える。

御座港の観光船のりば(案内板には「浜島行き定期船」と書かれていた)に着いたのが13時45分、出港する15分前だ。乗場にいた親子はもう2時間も待っていると言っていたが、ちょっとでも間に合わなければ、次の便まで2時間半待ちになってしまう。今日の宿は浜島港の近くにとっているので、16時半の便でもまったく問題はないが、前倒しに進むのは悪いことではない・・・。

定時に船が到着し、自転車ごと乗船する(大人300円、自転車450円の計750円。この辺では自転車の運賃は大人運賃の5割増しらしい)。自転車を積む時は横倒しして、船首の縦棒に引っ掛かけるらしいが、今回は荷物も積んでいるので、室内に入れさせてもらう(グリスを座席に付けないでとさんざん言われたが・・・)。乗船客は2時間待っていた親子と牛ちゃんだけ。

船は静かな海面をゆっくりと進み、すぐに対岸の浜島港に到着。自転車で渡船に乗るの簡単だが、降りる時はバランスを崩しやすいので要注意だ。浜島港には3人グループのレーサー乗りが待っていて、エールを交わして入れ替わる。

浜島港と堤防で繋がっている矢取島の灯台を撮影したあと堤防の日陰で時間をつぶし、16時過ぎに宿にチェックインする。浜島の家々は高い塀(防波堤)に囲まれているが、これも津波(高波)防止かな?。


2010/5/17(月) 6日目:浜島〜田曽浦〜五ケ所浦〜礫浦〜贄浦〜奈屋浦〜吉津〜方座浦〜古和浦。走行距離は88km。天候は晴れ

浜島の「民宿 惣吉」の前で、おかみの「松尾ゆり子」さん(向かって右側)と、お手伝いの「美千子」さん(向かって左側)。「民宿 惣吉」は、とっても暖かくて楽しい宿でした。

豪快ながら行き届いた細かい心配り、そして心尽くしの豪華な夕食(ひらめのお造りメインで、ご飯は五穀米)でした。乾いた洗濯ものがきちんと畳まれて部屋の前に置いてあったのも嬉しかったな〜。数年前にご主人が亡くなられて、ちょっと気弱になられたようだが、こういう宿はぜひ頑張って続けて欲しいものだ。私にはHP等で応援するくらいしかできないが、頑張れ〜「民宿 惣吉」さん、そしてゆり子さん。お客さんにいっぱい幸せを届けてください。

6時前に起床。今日もきれ〜いに青空が広がっている。まだまだ牛ちゃんの晴れ男は続いているようだ。
6時50分から朝食。小振りながら伊勢えびのみそ汁付き、朝からすごいな〜。

玄関前で記念撮影し、7時45分に出発。おやつにしなさいとリンゴを頂いたが、こういうのはすごいエネルギーになるんだよね、今日一日頑張って走るぞ〜って気にさせてくれる!。

Route260はゆるやかなアップダウンが続くが、ゆっくりぺースを守る、力よりも回転だ。道幅(歩道)は広く走りやすい。 田曽浦の集落は、民家の間を細い道が迷路のようにくねくねと伸びている。実際は地図よりもはるかに入り組んでいて、走っていると方向が分からなくなりそうだ。

8時20分、どうにか集落の高台に着き、自転車をデポして歩き始める。幅40cm位のセメントで固めた坂道が続いているが、電線も同じ方向に向かっているので、多分この道で間違いないはずだ。

山道をつづら折りに登っていると「田曽灯台 あと0.6」という案内板があった。ルートに間違いないとわかって心強い。左に行くと「ぼら見張り小屋」と表示されているので、ぼら漁が盛んな(だった?)のだろう。その先も、分岐ごとに案内板が立っていて、灯台まで道に迷うことはなかった。途中からほぼ平坦な道になり、最後に少し登って灯台に到着した、8時29分。

灯台が建つ場所は公園というほど広くはないが、開けていて写真を撮るスペースは十分にある。今日もなぜか「スズメバチ」が多い。写真撮影を終え8時35分に灯台を後にする。灯台の近くにみかんの木が植えられているので、そこに集まるミツバチを目当てに「スズメバチ」が集まるのかな・・・、なんてことを考えつつ、また道筋の写真を撮りつつ下っていく。 田曽浦から五ケ所浦までの国道260号線は、アップダウンが多く、道幅は広くなったり狭くなったり、そのうえ工事中が多いので路面も荒れている。あと数年経てばきれいに整備が終了するのだろうが、もう少しというところかな。

五ケ所小学校前の信号を左折し「飯満(はんま)」を目指す。10時3分に飯満(はんま)に到着、ここまで21.8km。狭い路地を抜けた海岸線の堤防から「五ケ所港曽根瀬灯標」を狙う。

国道260号線に戻りしばらく走るとコンビニが見えてきた。今回の旅で三重県に入って初めて見つけたコンビニだ。さっそく店に入り、アーモンドチョコレート、アクエリアス、そしてアイスバーを購入。ちょうど時間が中途半端でおにぎりは置いてなかったが、その先に、またコンビニがあったので、今度は昼食用のおにぎりを3個購入しトイレを使う。

10時20分過ぎに五ケ所浦灯台に到着、ここまで24.3km。写真撮影を終え、アイスバーを食べ、灯台の日陰で小休止し元気回復!。 国道260号線は五ケ所浦から予想外に平坦な道が続く。押淵(33.5km地点)からゆるやかな上り坂が始まり、ストレッチパンツを脱ぐ。今日は少し温度が上がっているようだ。

迫間浦(38km地点)から礫浦に向かって左折すると、ど〜んと正面に急坂が待ち構えていた。どえ〜っ!!。どうにかクリアすると、また次の急坂が・・・、ひえ〜!!。そしてその次も・・・。予想もしていなかった場所で急坂に遭うとショックが大きい。

12時前に礫浦の港に着き(ここまで42.8km)、堤防から「間鼻島灯台」を撮影。
礫浦の南側の堤防の木陰に移動し昼食休憩。コンビニで買ったおにぎり(3個)を食べ、デザートにアーモンドチョコレート。食事後は堤防に横になり腰を伸ばす。吹き抜けていく風が心地よい。コンビニがあるとこういうマイペースの旅ができるんだよな〜!。12時45分に出発。海岸沿いの県道722号線(礫浦押淵線)を走り、相賀浦から国道260号線に戻る予定。

県道722号線は最初から激坂、すぐに降りて押す。最近は降りて押すことに抵抗感が少なくなってきたが、良いことなのか、悪いことなのか・・・。でも苦あれば楽ありだ。途中から平坦、そして下り坂になる。相賀浦からちょっと登って国道260号線に合流する、ここまで49km。相賀浦トンネルの入口で猿の親子を発見、他にも数匹の猿がいたようだ。 奈屋浦で国道を離れ、東宮から奈屋浦の中央に建つ「奈屋浦中ノ島灯台」を撮影。

国道260号線に戻り、上り坂。東宮坂トンネルと中坂トンネルを経て吉津へ到着。海岸沿いの坂を登って吉津灯台、ここまで75.8km。

国道260号線に戻って南島トンネルを抜け、小方竃から方座浦を目指す。湾沿いの道を行き止まるまで走り、そこに自転車をデポ、ここまで82.6km。電線沿いに山道を歩いて約3分程度で「方座浦指向灯」に到着。ルートを見つけるまでちょっと迷った(悩んだ)が、諦めずに探して山道沿いに伸びる電線を見つけた。

左の写真の左上あたりから山道が始まるが、手前に写っている船には船上に小屋が作られていいて、その小屋の中で作業ができるようになっているようだ。泊ることもできるのかな。

17時ジャストに古和浦の宿に到着。今日の走行距離は88km、灯台を探しながら走った距離にしてはまあまあかな。
2010/5/18(火) 7日目:古和浦〜錦〜紀伊長島−(輪行)−松坂〜松坂港〜津港−(高速船)−中部空港−(輪行)−福岡空港〜自宅。走行距離は44.4km。天候は晴れ時々曇り

5時過ぎに目が覚めるが、もう眠くないので、ICレコーダを引き出して時間つぶし。6時過ぎから出発準備。
いよいよ最終日。これまで風が強い日はあったものの天候に恵まれ、計画通り順調に来ることができた。これだけ天気が続くのは珍しい。

7時から朝食。無理を言って朝食の時間を早めてもらったので文句は言えないが、今日の宿は外れだった。まあ、大当たりの宿もあれば大外れの宿もあるさ。でもトイレは久々のシャワートイレ。

7時45分に出発。旧国道260号線を海岸沿いに棚橋まで走りながら「古和浦灯台」へ下るルートを探す予定だ。古和浦港はずれの神社の先から急坂が始まり、すぐに降りて押す。走り始めの無理は大けがのもとだ。携帯電話の無線塔付近まで押し、その後自転車に乗る。眼下の海岸線に白い灯台を発見して、望遠で写真撮影。この先に灯台へ降りるルートがあるかもしれないが、遠目での撮影もしておこう。すぐ先に「ニラハマ展望台」があった。

少し下った先に灯台へ続くルートを発見したものの、山道は次第に狭くなり、さらに狭く危険になったので、最後の断崖前で引き返す。命あっての旅だもんね。

国道260号線は拡幅工事の真っ最中で、旧道と新道の間に急坂があったりする。国道で自転車を押すのは珍しい。

錦灯台を経てJR紀伊長島駅に着いたのが10時過ぎ、ここまで20km。急いで輪行の準備だ。

10時28分発の特急ワイドビュー南紀4号に乗車。車内で昨日もらったリンゴを食べる。リンゴの丸かじりなんて久しぶりだ。松阪駅に近付くにつれて山々が消え、平野が広がってくる。

11時24分にJR松阪駅に到着。駅前で走行準備し、11時50分松阪港を目指して走り始める。今日は南からの追い風だ。JR松阪駅から松阪港まで4km強、道は比較的に走りやすい。

12時過ぎに松阪港の駐車場に到着、ここまで24.4km。

松坂港導灯(前灯)は駐車場のど真ん中に(左の写真)、松坂港導灯(後灯)は、すぐ近くの工場(セントラル硝子)の敷地内に建っていた。

松坂港から引き返し国道23号線に出る。久々に走る国道23号線、これまであまり良いイメージは無い(すごく整備状況が悪いし走行マナーも悪い)が、走りながら考えた。これくらい(整備事情が悪いの)が身の丈なのかもしれないと。これまで日本では自分の身の丈(懐具合)以上に道路を作り続け、借金を増やしてきた。もちろん道路だけで借金が増えたわけではないが、これだけ借金が増えた理由の一つになっていることは間違いない。あまりにも道を作り続けた。これからはそんなに道を作れないし、自分の身の丈(懐具合)程度に道路を整備するとしたら、この程度になるのかもしれない。日本中の道路がこのような状態になるのは、そう遠くない日なのかもしれない。

途中のコンビニで、おにぎりやアイスバーを買い、コンビニの日陰で昼食。いつものペースが戻ってきた感じだ。

14時過ぎに「津なぎさまち港」に到着、これまで44.4km。港に隣接する「贄埼灯台」をゆっくりと撮影し、ターミナルに入る。

ゆっくり丁寧に輪行準備しカウンターで中部セントレア空港までのチケットを購入(2,400円)。トイレで汗臭いウァアを着替え輪行に備える。ターミナルには荷物用のカートも備えられていて高速船の搭乗口まで運ぶことができる。

高速船の中には荷物を固定する手擦りが装備されていて、輪行袋はその手擦りに固定することができた。
15時に出港、乗客は少なく、この高速船がいつまで運航を続けられるのか不安になるくらいだ。

40分で中部セントレア空港の旅客ターミナルに到着。

降船口にもカートが置いてあって、空港のカウンターまでそのまま荷物を運ぶことができる。空港が新しいだけあって、行き届いたサービスだ。

空港内の売店でお土産の「乾燥きしめん」と「赤福」を購入し、飛行機の搭乗。今回も無事に帰りつくことができそうだ。多謝!。


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