初秋の阿蘇〜椎葉〜五家荘
Hunting Date:2001/10/6〜10/7
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まとめ
1.日程;2001/10/6(土)〜10/7(日)
2.天気;初日:晴れ。高原の風がさわやかでした。2日目:晴れ。薄雲がかかっていてさわやかな心地良い天気でした。
3.区間;福岡←(輪行)→阿蘇・宮地〜高森〜五ヶ瀬〜椎葉〜五家荘〜五木〜宮原←(輪行)→福岡。走行距離は約190Km(初日が82km、2日目が109km)
このルートの最初の難関は五ヶ瀬から椎葉へぬける国見峠、次の難関が椎葉から五家荘へぬける県境峠(椎葉越)、そして最後の難関が五木から宮原へぬける子別峠/大通峠でした。
久々のパスハンティングでしたが、さわやかな気候のおかげで十分に楽しむ(苦しむ?)ことができました。
4.装備
- 自転車は相棒のブリジストン・レイダック RD-6(スポルティーフです)。
- 行程も短く旅館泊りなので、ハンドルバックとサドルバッグ(ウェストバッグも携行)の軽装です。
- 地図はツーリングマップル九州を携行しました。いつものパターンです。
- ディジタルカメラも必需品ですね。
- パスハントには適正なギア比も必要ですが、それ以上に強力なブレーキが必要だということに気がつきました。体力を温存/回復すべき下りでブレーキングに体力を使い果たし、命がけで下っていくなんてナンセンスですよね。
5.その他
- 紅葉にはちょっと早かったようですが、峠の頂上ではすでに紅葉が始まっていました。紅葉の最盛期は10月下旬から11月上旬だそうですが、渓流に沿って続く紅葉のトンネルが目に浮かぶようです。
- 椎葉で泊まった民宿・鈴懸(ひえつき節から命名)さんでは、かわいい奥さんの心尽くし山里料理(鹿刺し、やまめ塩焼き、まこ/しらこ、豆腐の田楽、手打ち蕎麦、しめじご飯、etc)に舌づつみを打ち(普通の旅館の料理だと残してしまうのが普通ですが、すごくおいしいので完食してしまいました!)。
- また「ひえつき節」や「刈干切唄」の全国大会での優勝経験をもつご主人に喉を披露して頂きました。小さな民宿ですが、暖かくて食事がおいしいし、そのうえに素晴らしい民謡まで聴ける。ここは絶対お勧めです!。椎葉村役場の近くです。
ルート紹介
阿蘇・宮地〜高森(国道265号線);すぐに箱石峠までの登りが待ち受けています。箱石峠から大戸ノ口まではゆるやかなアップダウンが続きます。大戸ノ口から高森まで一気の下りです。
高森〜馬見原(国道265号線);高森トンネルまで一気に登って、後はずっと下り。そしてアップダウン。
馬見原〜椎葉(国道265号線);ゆるやかなアップが続いて国見トンネルへ至る。昔の厳しい国見峠の面影なし。
椎葉〜椎葉越〜五家荘(県道142号線&林道);道幅は狭く交通量も少ない。上椎葉ダムまでが急な登り。ダムの周囲はほぼ平坦で、その後は時折急な坂があるものの、全体的に緩やかな坂が続く。椎葉越は熊本側が急坂で、熊本側からは登りたくないと思わせる。狭くて急カーブが続く下りはブレーキを握る腕に大きな負担がかかります。握力が無くなったら終わりです。十分に注意しましょう。
五家荘〜五木(国道445号線);幅広い国道へ出た安心感はすぐに奪われる。県道/林道と変わらない狭い悪道が続く。工事中も多いがふもとに近づくにつれて道は良くなっていく。
五木〜子別峠〜大通峠〜宮原;県道247号線はゆるやかな登りが続く。子別峠の近くはやや急な登りとなる。子別峠から大通峠まではアップダウンが続く。
ツーリング・日記編
2001年10月6日(土)。ツーリング初日。福岡←(輪行)→阿蘇・宮地〜高森〜五ヶ瀬〜椎葉(泊り)
05:30;起床。昨夜は久々のツーリングに興奮してか、良く眠れなかった。天候は薄曇りだが、日が高くなれば晴れるとの予報。準備は昨夜のうちに完了している。
06:30;最終チェックを済ませて出発。JR博多駅までは車で輪行袋に詰めた自転車を運ぶ。JR博多駅の近くに引っ越して輪行が楽になった。
06:57;西鹿児島行きの特急「つばめ1号」に乗車。いつものとおりに愛車は最後列の座席の後ろに保管する。車内は結構乗客が多い。朝食のおにぎりで腹ごしらえをする。
08:19;JR熊本駅に到着。8:29発の特急「あそ1号」に乗り換える。ホームが一緒なので助かる。
ディーゼル列車はJR立野駅でスイッチバック(スイッチバックって覚えていますか?)。スイッチバックを初めて経験する観光客が騒いでいる。阿蘇・中岳がかすんで見える。その後は根子岳の雄大な景色が続く。
09:32;JR阿蘇・宮地駅に到着。早速、走行準備。うす曇り。
10:00;出発。今日の服装は、上がTシャツ、長袖ポロシャツ、ウィンドブレイカー。下が短レーパン、ジャージ。しばらくはゆるやかな登りが続く。サドル位置に微妙な違和感があるので調整。サドルバッグを載せるキャリヤを取付けたときに狂ったようだ。
すぐに暑くなりはじめ、Tシャツと短レーパンになる。阿蘇の草原を風がすぎていくときに草が風になびくさまは、まるで草原の波のようだ。
10:45;箱石峠に到着。ここまで9.6km。風が強い。記念撮影。
すすき野(北海道のすすき野とは違うよ)の中を走り抜けていく。北海道とは違う牛の放牧の風景。2週間前は北海道で放牧の風景を見て、今日はここにいる。すごくぜいたいくなこと?。
大戸ノ口(峠)まではゆるやかなアップダウンが続く。
大戸ノ口(峠)からは高森へ一気に下っていく。途中の食堂の「田楽」、「だご汁」、「たかな飯」がおいしそう!。
高森からふたたび登りが始まる。ゆるやかな登り。
12:00;高森峠トンネル(全長589m)、ここまで28.4km。
トンネルを抜けると一気に下っていく。
12:30;蘇陽町のドライブインで昼食(ステーキ定食)、ここまで約39km。
13:20に出発。アップダウンをくり返しながら馬見原まで下っていく。
13:50;馬見原に到着、ここまで約47km。ここからいよいよ国見トンネルまでの本格的な登りが始まる(今日のハイライトです!)。
サドルバッグの調子が悪い。リア・キャリアが下がって時折タイヤと接触するようだ。初めての装備はいろいろとトラブル含み。
ゆるやかな坂が続くが、どこから急坂が始まるんだろう?。ここは九州でも名立たる峠だ、このままで済む筈が無い!。
14:55;あれっ!、国見トンネルだ。ここが頂上?。
ちょっと拍子ぬけ。緩やかな坂が続くだけだった。ここまで61km。
国見トンネル(全長2,777m)は両側に細い歩道がついているが、自転車で走ることはできない。また、中央線には間隔をおいてポールが立っている。でも交通量が少ないので堂々と車道の真ん中を走る。一回だけ車に追い抜かれたが、その時は路肩に停まってやり過ごした。
トンネルを抜けたパーキングで一休み。ウィンドブレーカーとジャージを着込み、椎葉までの下りに備える。道は狭く荒れている。でも利根川下流から整備が進んでいるようだ。
15:50;那須橋、ここまで約77km。
宿に電話して場所を確認すると、予定通りここから5kmほど先だ。
16:22;鶴富屋敷(右の写真)に到着、ここまで約81km。入園料200円。
ゆっくりと散策して記念撮影。
16:45;本日の宿・民宿鈴懸に到着、ここまで82km。
かわいい奥さんが「お疲れさま」と笑顔で出迎えてくれた。お風呂も可愛い(小さな)岩風呂。
風呂上りに気づいたが、壁には賞状やトロフィーがいっぱい飾ってある。宿のご主人が「ひえつき節」や「刈干切唄」の全国大会で優勝した時のもののようだ。奥さんに伺うと、「帰ってきたら唄ってくれるかもしれませんよ」だって。これはすごいコトだぞ!。
18:00;夕食がスタート。
まずは鹿の刺身。甘味があって柔らかい。これはいいぞ!。
豆腐の田楽の甘味噌も良いな〜。
えのは(やまべ)の卵/白子もうまい!。ビールがどんどん入っていく。
手打ちそば、しめじご飯も最高!。同宿の方々(偶然にも福岡の方達ばかり)との会話もはずむ。
食事も終わろうとする頃にご主人が帰宅され、民謡をご披露して頂いたが、その素晴らしいのどに宿泊者一同は大感激!。
お客さんから福岡の祝い事で唄われる「祝い目出度」まで飛び出して、さらに座は盛り上がった。
いろいろな地元の話も聞かせていただき、素晴らしい時間になった。
そのなかでの、登山に来ているお客さんとの会話!。
「明日はどちらに行かれるんですか?」(お客さん)
「椎葉越をして五家荘に抜け、子別峠を通って宮原へでる予定です」(牛ちゃん)
「自転車は押して行かれるんですか?」(お客さん)
「乗っていくつもりですが」(牛ちゃん)
「え〜?、でも、あそこは大変ですよ。自転車ではちょっと・・・」と言って黙り込んでしまった。
牛ちゃん、ちょっとびびり始める。
22:00;就寝。明日もツーリング(パス・ハンティング)日和になりそうだ。でも、夕食時の会話が気になる・・・。
2001年10月7日(日)。ツーリング2日目。椎葉〜椎葉越〜五家荘〜子別峠〜大通峠〜宮原←(輪行)→福岡
06:00;起床。今日はゆっくりと朝食を摂って出発するぞ。
山々には薄もやがかかっているが、良い天気になりそうだ。山間の朝はすがすがしい。
07:00;朝食。峠越えに備えて十分に腹ごしらえ(味噌汁の味噌も手作りだ〜!)。
出発の準備をしていると、奥さんから「弁当を作っておきましたよ!」と手渡され、またまた感激!。
後で考えると、峠越えの道筋には食堂がないことを見越しての思いやりだった。あっりがとうございました!。
07:40;出発。今日は峠おやじ気分。
「鶴富姫化粧の水」でボトルを満たす。おいしい水を飲んで頑張るぞ。
出発してすぐに道を間違えていることに気付いて引き返す。山間の道はちょっと間違えると目指す道へ合流するルートはないので、引き返すしかない。
椎葉市街から上椎葉ダムまでは狭い登りが続く。山間にもかかわらず意外と交通量が多い。
上椎葉ダムをめぐる道路は、ほとんど平坦で快適だ。山々の冷気がすがすがしい。
足に負担をかけないよう低めのギアで走り、脚力を保存。先は長いぞ〜!。
08:35;上福良橋(赤い鉄橋)、ここまで14km。
ここから川沿いにゆるやかな登りが始る。
09:05;水無に到着、ここまで18km。
これより峰越林道、椎葉五家荘線。ここから五家荘まで34.8km、考えていた以上に距離がある。
今日の最初のハイライトだ。
「白水の滝」で記念撮影、ここも平家落人の歴史跡だ。
時折、急坂があるものの全体的にはゆるやかな登りが続く。木陰が日差しから守ってくれる。
紅葉は始ったばかりという感じ。粘り粘りの納豆走行!。「鶴富姫化粧の水」がうまい。
11:10;県境峠(通称、椎葉越、標高1,485m)に到着、ここまで35km。まずは記念撮影。
ここも紅葉は始ったばかりだ。
腹ごなしを考えてちょっと早いが女将さん手作りの弁当で昼食。うまいな〜!。
下りに備えてジャージとウィンドブレイカーを着込み、11:40に出発。
熊本県側は急坂の連続で、ブレーキレバーを握る手が痛い。ここで握力が無くなったら一巻の終わりだ。
12:45;やっと国道445号線に合流、ここまで54km。
でも、酷道で狭く荒れている。自転車と車が離合できないほど!。
13:20;県道247号線に入る、ここまで63km。
ここから、また登りが始まり、ジャージとウィンドブレイカーを脱ぐ。ときどき急坂があるものの、全体的には緩やかな坂が続く。
14:05;平沢津、ここまで71km。
左折して、渓谷沿いに登り続ける。
14:20;子別峠(標高996m)への最後の分岐点、ここまで72km。
もう少し!。峠の近くに民家や民宿がある。
14:48;ちょっとだけ余裕を残して子別峠へ到着、ここまで75.2km。
記念撮影し、最後の大通峠を目指して出発。
すこし登って「端海野自然森林公園」まで一気に下る。
緩やかな登りでも、疲れた足には辛い。ガクっとペースが落ちる。もう少し、もう少しだ。
15:48;大通峠(標高780m)に到着、ここまで86km。やった〜!、これで登りは終わりだ。
記念撮影して最後の水を飲み乾し、下り開始。県道25号線。
17:10;JR有佐駅に到着、ここまで109km。
次の電車まで時間がないので、急いで輪行準備する。
17:30;熊本行きの鈍行に乗車。
JR熊本駅で特急に乗り換え、19:16にJR博多駅に到着。
その他;パス・ハンティングではギア比も重要だが、それ以上にブレーキ性能が大切であることに気付かされた。体力を少しでも回復させたい下り区間で、ブレーキングに体力を消耗するのは辛いし、それ以上に危険だ。
パス・ハントにはブレーキ性能の高い(少ない握力できっちりと効く)ブレーキが必要だ。
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