国道3号線

はじめに関門海峡〜小倉〜遠賀福岡〜大宰府久留米〜八女〜山鹿熊本〜八代〜水俣鹿児島県内

距離(以下は「関門国道トンネル・人道出口」を起点とした累積距離です。ルートマップをクリックすると拡大表示します。)

ルートマップ1(門司〜八女) ルートマップ2(八女〜日奈久) ルートマップ3(日奈久〜鹿児島)
小倉まで:約15km
遠賀川まで:約21km
福岡まで:約78km
鳥栖まで:約105km
久留米まで:約112km
八女まで:約125km
山鹿まで:約157km
熊本まで:約185km
松橋まで:約203km
八代まで:約226km
芦北まで:約254km
水俣まで:約275km
阿久根まで:約306km
川内まで:約335km
市来まで:約352km
鹿児島まで:約395km
ルートマップ(門司〜八女)。クリックすると拡大表示 ルートマップ(八女〜日奈久)。クリックすると拡大表示 ルートマップ(日奈久〜鹿児島)。クリックすると拡大表示


はじめに
国道3号線は北九州市の門司から福岡、熊本を経て鹿児島へ至る全長400km弱の九州で最初にできた国道です。

福岡県、佐賀県、熊本県、そして鹿児島県を通りますが、福岡県から熊本県の中北部までは比較的に平坦なルートが多く、熊本県南部(日奈久を過ぎた辺り)から坂道が増え、鹿児島市との境までゆるやかな(時には急な)アップダウンが続きます。鹿児島市に入ると国道3号線の終点まで下りが続きます。

このルートで最大の難関は熊本と鹿児島の県境に位置する「三太郎峠」で、3つの峠(トンネル)が待ちうけています。古いトンネルなので幅が狭いうえに交通量も多いことから、できるだけ避けたいところですが、2009年には「日奈久」から「芦北(佐敷)」まで「日奈久芦北道路」が開通して国道3号線の交通量が減り、かなり走りやすくなっています(トンネルを避けたい人には、海岸線沿いの細い道を走るルート、そして宇土から国道57号線へ迂回し天草方面へ向うルートもあります)。

その次ぎが福岡と熊本県境の「小栗峠(標高183m)」でしょうか。でも、ここは峠といってもトンネルもなく、ゆるやかな登りが続く比較的走りやすいルートです。

自転車は道路交通法上では「軽車両」なので、車道の左端を走るのが正しい走り方ですが、道路の状況は常に変化するので、その状況にあわせて走るようにしましょう。道路が広くて車道外側線より左側の路肩が広く確保されている場合はそこを、路肩が狭くて交通量が多い場合は、危険をさけるために歩道を走ります(十分に歩行者に注意しなてね!)。いずれにしても他人にに迷惑を掛けないように安全に旅を楽しんでください。

国道3号線は江戸時代の「薩摩街道」と重なる部分が多くて、昔から交通量が多いルートですが、比較的に高低差も少なくて走りやすいと思います。ただ走るだけではなく自分の想いに合わせて楽しんで欲しいと思います。九州は風景もいいですが、鮮魚や地酒(地焼酎)もおいしいところですよ。

国道3号線2011( 関門トンネル人道入口〜福岡 )」や「国道3号線2011-2( 福岡〜鹿児島 )」も参考にしながらご覧下さい。

関門海峡〜小倉〜遠賀
自転車で本州から九州に渡る最もポピュラーなルートが「関門国道トンネル・人道」です。関門海峡汽船で下関・唐戸町から門司港駅前に渡る方法もありますが、折角の機会です、ぜひ「関門国道トンネル・人道」を通り海底の県境(山口県と福岡県の県境)を経験してみてください。

下関の「みもすそ川」バス停前からエレベーター(20円)で「関門国道トンネル・人道」に降りて山口・福岡県境を越し、門司側の「関門トンネル人道口」へ出ます。この近くには「和刈布神社」や「和刈布観潮公園」等もあり、トイレ/休憩にバッチリです。 九州の最北端通過にこだわる人は、少し遠回りになりますが「太刀浦海岸(埠頭)」まで足を伸ばして下さい。

関門海峡沿いに南下するとJR門司港駅周辺が「門司港レトロ」です。明治/大正の建築物が保存され、いろいろな資料館/博物館として公開されており、観光や休憩の好ポイントです。

小倉市街までは、海岸沿いの国道199号線のほうが眺めが良い(途中で宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘したことで有名な「巌流島」も遠望することができます)のでお勧めです。

小倉市街では「小倉城」を中心として「常盤橋」や「松本清張記念館」、「小倉城庭園」等の見所を含め公園がいくつもあり、トイレ/休憩の好ポイントです。「常盤橋」は江戸時代の「長崎街道」のスタート地点で、木の橋が再建されています。
JR小倉駅前の祇園太鼓像

「紫川」沿いに上流へ溯り「貴船橋」を右折して国道3号線に合流します。「金鶏町交差点」を右斜め方向に進み、「金毘羅公園」を左に見て国道3号線を走ります。JR八幡駅、JR黒崎駅前を過ぎてJR鹿児島本線を離れ、JR水巻駅近くで再度JR鹿児島本線と並走します。
注:北九州市内の国道3号線は交通量が多くて路肩も狭く、アップダウンも多いので、門司港からJR八幡駅前までの区間は国道199号線走行をお勧めします。

「遠賀川」を渡って遠賀町を過ぎます。「山田峠」の交差点から左前方に進むと「海老津」の街へ下っていきますが、交差点を右前方へ進むとすぐ左手に「岡垣パーキング休憩施設」があり、休憩、トイレ、食事を摂ることが出来ます。この付近は国道3号線に沿って細い道路が並走していますので、のんびり走行が好きな方にはお勧めです。少々アップダウンがありますが、城山トンネルの手前から道路と歩道がくっつきます。
遠賀川から城山峠(トンネル)までは3通りの走り方があります。ロードレーサーでさっそうと岡垣バイパスの車道を走るパターン、アップダウンが一番少なく、時間的にも一番早いですが、交通量が多いので車には十分に注意してください。ゆっくりと走りたい方は、岡垣バイパスに沿った歩道を走るか、海老津市街まで下り、それから城山峠まで上るパターン。海老津市街は歩道の幅がぐっと狭くなりますが、ゆっくりと下って、ゆっくりと上っていきます。

岡垣バイパスは城山峠へ向けて次第に登り坂となりますが、歩道も広めに整備されていますので、歩道を走ることも可能です(ちゃんとした歩道ですよ)。坂(それほどの坂ではないのですが!)を登りきると「岡垣トンネル(標高約90m、全長279m)」、「城山トンネル(標高約90m、全長443m)」が続きます。この2つのトンネルは左側に広い歩道がついていますので、安心して走る事ができます。ただし、トンネル内は照明が暗いので、フロントライトを点け、注意して走ってくださいね。

トンネルを過ぎて下ると右手に「ドライブイン」や郊外型の「スーパーマーケット/ディスカウントショップ」があり、ここでも食事/食料の購入/トイレ/休憩することができます。
峠を下り切って右手の「JR教育大前」付近が江戸時代の唐津街道の赤間宿跡です。

福岡〜大宰府
この後、国道3号線は小さなアップダウンを繰り返します。車道を走ったり、歩道を走ったり・・・。一部、歩道が途切れるところもありますが、路肩/歩道は広いので楽に走ることができます。福岡市の郊外に近づくと次第に交通量が増えてきますが、道路状況は良好です。

古賀市内の「久保石原東田交差点」の手前左側に「ワールドバイシクルショップFREERIDE」があり、専門的な自転車部品でも手に入れることができます(国道3号線沿いには「ホームセンター」等の店も多く、普通の自転車部品であれば手に入れることができますが、やはり専門店のほうが品物が揃っています)。

新宮町の「上府交差点」の左先に「ウエルタ新宮」があります。食事/トイレが可能ですが休憩する場所はありません(ベンチくらいはありますが、背を伸ばして休憩できる場所はありません)。

「香椎」手前の「下原信号」から左前方へ進み香椎市街へと進みます。香椎市街のごちゃごちゃした細い道を過ぎると左手に「香椎宮」への参道(両脇に楠の木の並木道)があります。余裕があれば参拝してはいかがでしょうか?。 JR線を横切ってすすむと、まもなく広い道になります。ただひたすら突っ走ってください。途中にはなにもありません(途中いくつか公園がありますので、トイレ/休憩等は可能です)。

福岡都市高速道路にぶつかって左折し、福岡都市高速道路の下(国道3号線)を走りますが、工事中が多く非常に走り辛い部分です(最近は道路工事も終わって、歩道も広くなり、すごく走り安くなりました。福岡空港の東側を走る方法もあります!)。福岡空港を過ぎると左手に「上月隈中央公園」があります。

「朱雀大路」交差点を左折すると「大宰府政庁跡」が正面に見えます。そのまま右折すると「大宰府天満宮」へと続きます。「大宰府政庁跡」、「大宰府天満宮」ともゆっくりと見物/休憩/トイレできる好ポイントです。

久留米〜八女〜山鹿
二日市、基山を過ぎると「鳥栖インター入口」に着きます。ここから佐賀/長崎へと続く国道34号線が始まります。 久留米の手前のドライブインはおいしいラーメンを食べさせるとこがいくつもあります(久留米ラーメンはとんこつスープの発祥の地です。明治通りの屋台「南京千両」が発祥で、現在も二代目が跡を継いで営業中です)。ラーメンの好きな方は事前に情報を仕入れて寄ってみてはいかがでしょうか!。「久留米大橋」を渡ると右手の筑後川の土手に休憩所があり,川風に吹かれながら腰を伸ばして休憩することができます.

八女市は古くから商業が盛んな土地で、旧街道筋にあたる矢原町、古松町、京町、宮野町、紺屋町、唐人町には今でも伝統的な家屋が残っています。しばし足を休めて散策する価値は十分にあると思います。また八女は「八女茶」でも有名です。
「矢部川」を渡り「立花町」を過ぎると、福岡県と熊本県の県境である「小栗峠」(標高約190m)に向けて、道は少しずつ上りとなります。ゆるやかな登りの「小栗峠」を過ぎると、一気に下って山鹿市街を目指します。

山鹿市街の手前左には「日輪寺」があり、つつじの季節は山全体が花で埋ります。 また国道3号線沿いの「岩野川」沿いには「横穴古墳」群があり、「岩野川」の本流である「菊地川」沿いにも「トンカラリン」等の有名な古墳群があります。古墳に興味のある方は時間を作って訪ねてみてはいかがでしょうか!。
「熊入三ツ角」で国道3号線を離れて街中に入ります。

山鹿は温泉の町です。気軽に入れる温泉がいくつもあり、「熊入温泉」もその一つです。家族湯もあります。市街の中心にある「温泉センタープラザ」内にも温泉があり、入浴/休憩/食事をすることができます。
山鹿郵便局の先から左折すると「大宮神社」があり、毎年8月16日に行われる「灯篭祭り」で奉納された灯篭が展示されています。山鹿灯篭はすべてを紙で作った伝統ある芸術品です。お土産には「灯篭最中」や「馬刺し」がお勧めです。国道3号線に戻り「菊地川」を渡って「熊本市」を目指しますが、「菊地川」に架かる「山鹿大橋」の少し上流から「熊本山鹿自転車道」が熊本まで続いています。アップダウンはありますが,のんびりと走れることは請け合いです。

「植木町」の町立病院を過ぎて右折すると西南戦争で有名な「田原坂」があります。少し遠回りになりますが、公園/資料館も整備されている休憩ポイントです。田原坂もつつじの季節は山が花で埋め尽くされます。

熊本〜八代〜水俣
国道3号線に戻り「下硯川」信号は右手の本道を進みます(左手のバイパス方面に入ると市街を外れてしまいます)。
熊本市街に入って最初に目につくのが「熊本城」、ご存知「加藤清正」公が築いた名城です。天守閣をバックに記念撮影し、ゆっくりと休憩。 また、熊本で忘れてならないのが「とんこつラーメン」です。桂花/こむらさき/味千の名店が目白押しです。太麺で味も濃いめですが、疲れた体には最適です。 お土産には「辛しレンコン」や「馬刺」もどうぞ!(「馬刺し」は先ほど通過した「山鹿市」のほうが安くてうまいです!)。
交通センターの先には「おてもやん」の銅像や「加藤清正」公の銅像もありますので、旅の想い出に記念撮影!。
「白川」を渡り熊本市街を後にします。

「宇土」から右折すると天草・松島方面へと向います。海の好きな方にはお勧めルートですね。
「松橋町」あたりから道路の両側に「イ草」の田んぼが広がっています。夏場の収穫は大仕事だそうです。

「八代」市街の手前を左折し「球磨川」沿いに溯っていくと「人吉」です。国道219号線を常に対岸にみて走れば、車も少なく快適なツーリングが楽しめます。 「人吉」まではほとんど平坦な感じですが、「人吉」を過ぎたら本格的な峠越えの覚悟が必要です。念のために申し添えます。「八代」市街に入ると「八代城跡公園」等が休憩のポイントです。国道3号線からすぐ近くに「JR八代駅」もあります。トイレには利用できますね。

「八代」市街を抜けて「日奈久温泉」を過ぎると、国道3号線最大の難所、通称「三太郎峠」が待ちうけています。「赤松太郎峠(標高138m)」、「佐敷太郎峠(標高324m)」、「津奈木太郎峠(標高278m)」の3峠を総称するものですが、このルートは旧「薩摩街道(豊前街道)」です。 3つの峠には「赤松トンネル(標高約90m、全長680m)」、「佐敷トンネル(標高40m、全長1,570m)」、「津奈木トンネル(標高150m、全長522m)」の3トンネルがあります。

個人的には私はトンネルが大きらいです(雨の日は別としても、好きな人はいなでしょうね!)。少しぐらい遠回りになってもトンネルは避けたいと思っています。最近のトンネルは歩行者や自転車のことも考えて作られているようですが・・・(でも、2009年には「日奈久」から「芦北(佐敷)」まで「日奈久芦北道路」が開通して国道3号線の交通量が減り、「三太郎峠」もかなり走りやすくなったと聞いています。近いうちに確認を兼ねて走ろうと考えています)。

これらのトンネルは古くて狭くて臭くて交通量も多いので、できるだけ避けたいところです。JR鹿児島本線に沿った海岸沿いの道もありますので、のんびり走行がお好きな方には、そちらをお勧めします。
「JR肥後二見駅」の前から海岸ルートに入り、鹿児島本線沿いに走るルートです。のんびりと走れるのは保証しますが、少々アップダウンがありますので覚悟しておいてください。
でも裏道には裏道の楽しさがあります。私が走った時は「海の浦」という所で、おいしい「茹でたこ」を食べさせてくれる店に出会いました。福岡から車で買いに来る人もいるというのが納得できるおいしさでした。

「三太郎峠」を抜けると「水俣」です。公害の町として有名になった町も、いまでは静かな風景がひろがっています。「水俣」を過ぎるといよいよ鹿児島県です。

鹿児島県内
「境川」を渡るといよいよ鹿児島県です。鹿児島県最初の町は「出水市」です。ここは「丹頂鶴の渡来地」として有名です。また、鹿児島に入ると各地で地焼酎を造っていますので、辛党の方は楽しみが増えること請け合いです。 でも、「米の津川」を渡ると真っ直ぐな道が延々と続き、めげそうになりますね!。九州には珍しい真っ直ぐな道です。
丘を超えると「阿久根市」です。市街を抜けると海岸沿いの道が続き、夕方はダイナミックな夕焼けが楽しめます(雨の日は海風が強くて最悪ですが・・・)。
海岸沿いのを外れて「川内」市街へ入ります。「串木野」市街に入りと、再度海岸沿いの道となります。

「市来町」で海岸から外れ鹿児島市街を目指します。

鹿児島市内の照国神社前には国道3号線や国道10号線の「終点標柱」があります。写真撮影して行けば、国道3号線を走行した良い記念になりますよ。

鹿児島県内(市内)を走行する時の一番の注意点は、桜島の降灰です。風向きによって鹿児島市内に大量に降ることがありますので、頭の隅に入れておいてください。 /

「市来町」から海岸沿いに「枕崎」、指宿」へ出るルートも結構お勧めですよ!。特に「菜の花」の季節は最高です。砂風呂もあるし、「かつお」もおいしい!。「きびな」もいいな〜(^o^)!。


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