国道10号線

はじめに小倉〜中津〜宇佐日出〜別府〜大分中の谷峠〜弥生〜宗太郎峠〜延岡日向〜高鍋〜宮崎高岡〜都城〜国分〜鹿児島

距離(以下は「関門国道トンネル・人道出口」を起点とした累積距離です。ルートマップをクリックすると拡大表示します。)

 
ルートマップ1(門司〜大分) ルートマップ2(大分〜日向) ルートマップ3(日向〜鹿児島)
中津まで: 46km
宇佐まで:70km
日出まで:102km
別府まで:112km
大分まで:128km
犬飼まで:150km
番匠まで:181km
宗太郎まで:212km
延岡まで:237km
日向まで:259km
高鍋まで:297km
宮崎まで:326km
高岡まで:343km
都城まで:384km
国分まで:420km
鹿児島まで:457km
ルートマップ(門司〜大分)。クリックすると拡大表示 ルートマップ(大分〜日向)。クリックすると拡大表示 ルートマップ(日向〜鹿児島)。クリックすると拡大表示

はじめに
国道10号線は北九州市を起点として九州東海岸を通り、宮崎から内陸部に折れて鹿児島を目指す全長約460kmの九州で最も長い国道です。県境に峠はあるものの、全体的には平坦で走りやすいルートです。

但し、九州東海岸ルートは高速道路が全線開通していないため、国道10号線が産業道路/生活道路として重要な役割を果たしており、交通量が非常に多くなっています。走行時は十分な注意が必要です。

このルートはJR線と並行して走っている個所が多いために輪行することも容易で、計画が立て易いルートでもあります。 また、道路沿いには観光地や名所・旧跡も多いことから、いろいろな趣味を持つ方も楽しめると思います。

写真提供は友人の「松岡生男」さんです。
国東・富貴寺

小倉〜中津〜宇佐
JR小倉駅に降り立って自転車を組み立てる。十分にウォーミングアップし、いよいよ国道10号線走破のツーリングに出発!。 ・・っという感じで国道10号線のツーリングが始ります.

JR小倉駅前から「都市モノレール小倉線」沿いにスタートして「三萩野交差点」を直進し、「片野4丁目交差点」を左前方に進み国道10号線に入ります。国道10号線は九州東部の交通の動脈であるため非常に交通量が多くなっています。十分に注意して走ってください。

最初に通過する町が「行橋市」です。ここには名物の「きぬ貝」があります。活でもよし干物でも良しのおいしい貝です。
築城(ついき)町の自衛隊基地を左手に見て「豊前(ぶぜん)市」を過ぎます。

中津市街に入り左手に福岡銀行を見て左折すると、「山国川」の河口に「中津城跡」と「福沢諭吉旧居」があります。「中津」は10万石の城下町で今では「福沢諭吉」が育った(12歳から19歳まで母の実家で育った)ところとして知られています。 また、市内には武家屋敷跡や「合元(ごうがん)寺」を始めとして20近いお寺が並ぶ寺町もあります。
紅葉の貴福寺

時間的に余裕があれば「山国川」沿いに溯って「耶馬溪」まで足を伸ばしてみませんか。「恩讐の彼方に」で有名な「青の洞門」や「羅漢寺」等、特に紅葉の季節は最高です。 また、鉄道の廃線跡を利用してサイクリングロードが整備されていますので、車を気にせずに快適なサイクリングを楽しむことが出来ます。 のどかな田園風景を楽しみながら「宇佐市」を通過し駅館川を渡ると、右手に「宇佐神宮」が見えてきます。「宇佐神宮」は全国4万余りある八幡様の総本宮で、八幡造りの上宮本殿は国宝に指定されています。 ここは見物/休憩/トイレの好ポイントですが、境内はかなり広いので時間の余裕を持って見学してください。 また、太古の国・宇佐の郊外には「宇佐風土記の丘(県立歴史民俗資料館)」等、いくつもの遺跡があります。

宇佐と日出の間は約30kmで標高147mの「立石峠」と標高132mの「赤松峠」越えとなります。結構アップダウンもありますので頑張って走ってください。 「赤松」から左に入れば「杵築(きつき)」へ出て、杵築城跡や江戸時代の古いたたずまいを訪ねることができます。

日出〜別府〜大分

「赤松峠」を下りきると「日出(ひじ)」の街にでます。海岸沿いのこの街は「城下かれい」で全国的に有名です。城下(しろした)かれいは「暘谷(ようこく)城跡」の下の海中に清水が湧くところがあり、そこで育ったかれいのことを言います。 江戸時代は将軍への献上品とされていたほど美味で、昔は武士階級しか食べることが出来なかったそうです。ちょっと値が張りますが、旅の想い出に味わってみてはいかがですか?。
「暘谷城跡」は国道10号線を離れてJR暘谷駅横を横切った海沿いにあります。近くに藩校だった「到道館」や武家屋敷跡等もあり、城跡の「城下公園」では別府湾を見渡しながら一休みすることができます。

日出から約10kmで温泉で有名な別府の街に着きます。別府に関しては特に説明は不要かと思いますが「地獄めぐり」は必見です。「地獄めぐり」(海地獄、山地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、金竜地獄、たつまき地獄、血の池地獄の8地獄)の後は温泉で疲れを癒し、城下かれいで一杯!・・っと行きたいところですね!。 別府市街は海沿いに公園も多く、どこでも休憩することができます。

大分へ向かう途中、お猿さんで有名な「高崎山」があり、道路の向かい側には水族館「マリーンパレス」もあります(高崎山に近くなるに連れて、歩道が狭くなり走りにくくなります。車道は路側帯もほとんどなく、また交通量も多いので、走行時は十分な注意が必要です。もっとも、最近はかなり道路整備が進み、歩道もかなり広くなってきています)。

海沿いを離れて大分市街に入り「中春日交差点」を左斜め前方に進むと、大分市役所の先に「大分城跡公園」があります。 「大分城跡公園」を後にして国道10号線に至る遊歩道には「滝廉太郎」や「フランシスコ・ザビエル」等を始めとする著名人の銅像が並んでいます.

国道10号線に戻りしばらく走ると、右手に「元町石仏」、「岩屋寺石仏」があります。これまで石仏にふれる機会がなかった方は、是非訪ねてください。国道10号線近くの磨崖仏/石仏はここで終わります。

この後、国道10号線はたんたんと郊外を進み、「大野川」を渡って川沿いを少しずつ上っていきます。これからは山間の道が続きます。
磨崖仏

中ノ谷峠〜弥生〜宗太郎峠〜延岡
国道10号線は大野川に沿って「犬飼町」「野津町」を通り、少しずつ上りになっていきます。このルートは車も多いので十分に注意してください。 大分から延岡の間は変化に乏しく、たんたんと続きますが、めげずに頑張って下さい。

「中ノ谷トンネル」(標高195m、全長850m)を避けて「中ノ谷峠」(標高約300m)を越えることにします。峠越えルートはトンネルルートに比べてかなり遠回りになりますが、 車はいないので緑の中をゆっくりと走ることが出来ます。春は「うぐいす」の鳴き声が迎えてくれます。

峠を一気に下って弥生町へ。「番匠公園」はこの後の登りに備えた絶好の休憩ポイントです。川風に吹かれてゆっくりと英気を養ってください。

「番匠大橋」を渡り、これから約20kmのゆるやかな登りの連続となります。大分県と宮崎県の境は「JR宗太郎駅」の先ですが、最高標高は手前の「大原」付近(218m)です。 峠を越えると後はただひたすら下るだけです。北川町を過ぎるとほとんど平坦な道となり、延岡市に続きます。北川町には「西郷宿陣の跡」「御陵伝説地」がありますので、適宜、見物・休憩ポイントに利用して下さい。

延岡は駅伝やマラソンで有名な「旭化成」の本拠地です。そのため早朝や夕方はTVで見かける有名な選手がトレーニングをしているのに出会うことがあります。
延岡から右折して国道218号線を五ケ瀬川沿いに溯ると、太古の伝説が生きる高千穂の町です。

延岡市と門川町の境の峠は標高が約50mです。

日向〜高鍋〜宮崎
日向市は神戸・川崎へ向かう「マリン・エクスプレス」の寄港地です。出発/到着地というのが正解かもしれませんが、近い将来、ここが九州ツーリングの上陸地となる人がいるかもしれませんね。

日向市から約10kmで「美々津」へ着きます。ここは江戸時代に造られた港町の伝統的な街並みと歴史的景観を色濃く残している街です。 ぜひ時間をつくって見学してください。「美々津大橋」を渡ってすぐに左折すると、並行した2本の街路が南北に350mほど延びており、ここが街の中心です。 旧家跡を利用して「歴史民族資料館」も造られています。美々津を過ぎると宮崎平野に近づき、ゆるやかなアップダウンが続きます。変化の少ない風景なので居眠りに注意!して下さい。

都農町の海岸沿いには「リニアモーターカー」の実験線がありますが、国道10号線から見ることはできません。川南町、高鍋町、新富町を通過し、一ツ瀬川に架かる「日向大橋」を渡ると砂土原町で、宮崎まではもう少し(20km足らず)です。頑張ってください。

宮崎市街に入る前に「宮崎神宮」と「平和台公園・はにわ園」に寄ってみましょう。
国道10号線北バイパスの終り近くに「JR宮崎神宮駅」があります。「JR宮崎神宮駅」前の信号を右折するとすぐに「宮崎神宮」の森が見えてきます。 この神宮は「神武天皇」が東征に出発されたという由緒ある神社で、読売巨人軍がキャンプ開始時に参拝することでも有名です。社殿は神宮の森のなかに鎮まっています。
また,神宮の横を通って裏手に抜けてしばらく進むと「平和台公園・はにわ園」に着きます。「平和の塔」の横には400点ものはにわが並ぶ「はにわ園」があり、遠い神代の世界を思わせます。

国道10号線に戻ってJR宮崎駅前から延びる「高千穂通り」との交差点を右折するも良し、「宮崎神宮」と「平和台公園」の間を西に進んで「大淀川」沿いに下って国道10号線に戻るも良しでお好きなルートを選んでください。
「うどん」の好きな人は宮崎の「釜揚げうどん」を是非試してください。つけだれの柚子の香りがなんともいえずさわやかで、ついつい箸が進んでしまいます。 中央通りのアーケード街から少し入ると、おいしい「釜揚げうどん」を食べさせてくれる店が何軒もあります(昼間は休みという店もありますので注意、でも頑張って捜せば必ず開いている店があります)。

その他に、宮崎市周辺はプロ野球の球団が二次キャンプを張ることでも有名です。ジャイアンツが青島、ヤクルトが西都、カープが日南、ドラゴンズが串間・・・等 野球がお好きな方は春がお勧め?。

高岡〜都城〜国分〜鹿児島
この後、国道10号線は非常に単調なルートとなります。すこしずつ上りながら大淀川沿いを走りますが、高城町に入る頃には次第に山の中に入り、 ただひたすら距離を稼ぐだけのような感じになってしまいます。高岡町から都城までは約45km、ゆるやかな登り下りの約2時間半の行程で、中ほどの「七瀬谷」あたりが最高標高&中間点になります。のんびりと頑張ってください。

都城から国分の間もなだらかな丘陵地帯をアップダウンを繰り返して続きます。のどかな田舎の風景が続きますので、のんびりと田舎の風景を楽しみながら走ってください。 道路は「割子田」でいったん下り、また「牧の原展望台(標高380m)」に向けて登りが続きますが道は比較的整備されています。都城から「牧の原展望台」までは約27km、 登りロ考慮すると約2時間の行程というところです。「牧の原展望台」からは錦江湾や桜島の眺望がきれいに開きます。ここが国道10号線の最高標高地点です。
長い坂を下って錦江湾沿いにでると間もなく隼人町です。錦江湾に沿って加治木、姶良を抜け鹿児島市街へと向かいます。

鹿児島市街で最初のポイントは「磯庭園(仙厳園)」です。薩摩藩主・島津家の別邸として造られ、錦江湾や桜島と調和させた眺めは雄大です。磯庭園のすぐ近くに「尚古集成館」がありますが、ここは島津斉彬公が造らせた反射炉跡や溶鉱炉跡があり、わが国に初めて導入された機器/工場跡が並んでいます。 国道10号線を進むと、この後「私学校跡」や「鶴丸城跡」等、順々に見物することができ、「鹿児島市立美術館」の前には「西郷銅像」が建てられています。その裏の「城山」は西郷さんが最後の 5日間を過ごした洞窟があります。城山の標高は107mです、余裕があったら登ってみてください。

ここで注意事項。鹿児島市内の中心駅は「JR鹿児島駅」ではなく「JR西鹿児島駅」です。長距離の列車は「JR西鹿児島駅」発となります(九州新幹線の開通にあわせて、西鹿児島駅は鹿児島中央駅と名前が変わりました)。

これで国道10号線の旅は終わりますが、鹿児島県には本土最南端の佐多岬があります。時間が有れば足を伸ばしてみてください。
どうもお疲れ様でした、\(^-^)/ \(^o^)/!。

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