下五島・福江島ツーリング
Touring Date:2004/10/16〜17


まとめ

1.日程;2004/10/16〜17

2.天気;晴れ

3.ルート
4.装備
5.その他

 ツーリング・レポート

ANAのマイレージを貯めて交換したチケットを使って着いた福江空港です。福江島のシンボル・鬼岳の東側の丘陵に作られています。

今回の相棒はアップダウンが多いことを想定して走二郎にしました。時計廻りに福江島を一周して、いろんな灯台を撮影するつもりですが、最初の目的地は富江港です。

福江空港から浜町まではゆるやかな下りで、浜町から富江まではゆるやかなアップダウンが続きます。

富江港の沖には、富江港沖防波堤B灯台、富江港灯台、富江港沖ノ黒瀬立標等が建てられていますが、それだけ危険の多い港だったのでしょう。

富江市街を抜けて笠山崎へ向う道は、なだらかな畑の中を抜けていきます。

途中で「井穴(いあな)の溶岩トンネル」に立ち寄りました。表面の溶岩が冷え、内部の溶岩が流れ去った後にできたトンネルで、「岩の穴」がイワンアナとなまり、更にイアナに転靴したそうです。

富江熔岩台地(只狩山84メートル)には、いくつかの井穴が確認されていますが、最大のものが県の文化財に指定されました。入口は幅6.5メートル高さ3.5メートルのアーチ状になっています。延長約400メートル地点で水没し、先は不明。洞穴内の水は淡水に近い海水で、海の干満の水位と時間差があることから、奥は海とつながっていると考えられています。洞穴内には、学術的にも珍しい盲目魚「ドウクツミミズハゼ」が生息しています。体長6センチ内外で、鱗はなく、魚体は白色ですき透っています。眼は全く退化し皮下に埋設してケシ粒くらいの痕跡があり、生きたまま観察できるケースは世界的にも珍しいのだそうです。現在は落石のため進入禁止となっていました。

坪の漁港から海岸沿いに遊歩道?を走ると、笠山埼灯台が見えてきました。

近くには、砲台跡や屋根付きのベンチ、トイレ等も整備されており、お弁当を開きながら目の前に広がる青い海を眺めるにも最高のポイントです。

笠山崎から黒瀬郷まで、なだらかな畑の中を抜けていき、黒瀬郷から、いよいよ本格的な坂道になります。

琴石地区から振り返った第一のピークです。

福江島は全体になだらかな島で、対馬のような急坂/急峻な山々はないのですが、島の南西部に坂道が集中しています(もちろん、島の内陸部には急な山道がありますが・・・)。私の感覚では、福江島の道路は、壱岐と対馬の間ぐらいかな?。対馬の道路は、自転車で走るにはタフすぎますが、福江島はどうにか走れるという感じです。また、福江の島の道路は手入れも良くて交通量も少なく、快適に走ることができます。

坂道の第一のピークはアンテナ群への分かれ道がある近くで、黒瀬郷から約4.3km地点。琴石地区まで一気に下って、また上り坂。第二のピークは長峰郷の岬の近くで琴石地区から約1.3km地点。太田地区まで下って、また上り坂。第三のピークは玉之浦町に入ってしばらく走ったところで、太田地区から約2km地点。そこから大宝まで一気の下りです。

大宝地区の国道384号線と県道50号線(玉之浦大宝線)の分岐点です。ここを左折して玉之浦郷を目指します。

大宝から玉之浦までは比較的ゆるやかなアップダウンが続き、井持浦の手前の戸竹口のアップダウンがちょっと長い程度です。

大瀬崎へはこの分岐を左折します。玉之浦の集落まで約1km手前の地点です。

ここから大瀬崎の展望台まで約3.5kmの上り坂が続きます。

最初は比較的ゆるやかな上り坂ですが、次第に急坂になってきます。最後のカーブを折り返すと展望台があり、はるかに見下ろす断崖の先端に大瀬埼灯台が見えました。やった〜!。

展望台から見下ろした大瀬埼灯台です。このツーリングのハイライトです。この風景は写真でも良く紹介されています。

大瀬埼灯台に行くには、写真の右側に続く尾根を下るのですが、あそこまで下ってそして上ってくるのかと思うと、気が重くなります。

でも、気力を奮い起こして出発です。あの写真を撮るためにここまで来たんだから!。さあ、頑張れ!。

展望台の先に駐車場があります。そこには、トイレ、自販機、公衆電話もありました。ここに愛車をデポして、灯台まで歩きです。

駐車場から大瀬埼灯台まで往復40分、片道1.2kmと表示されています。カメラを入れたハンドルバッグを肩に下げて、さあ、出発!。

大瀬埼灯台です。まさに、断崖絶壁のうえに建っています。

この灯台は明治12年に建てられたものですが、建築時の苦労が偲ばれます。なにせ、周りは断崖絶壁です。でも景色は最高!。

往きは良い良い、帰りは・・・。息も絶え絶えに駐車場に辿り付き、しばし休憩!。気力が回復するのを待ちました。

井持浦教会です。井持浦ルルドと案内板に紹介されていましたが、ルルドとはフランスの田舎の地名で、そこの泉の水を飲んだ人の病気が次々といやされるという奇跡が起こったことから、聖水「ルルドの泉」と呼ばれるようになったそうです。

明治30年、井持浦天主堂の傍にフランスの聖地を摸した日本初のルルドが設置されました。五島各地から信徒たちが持ち寄った奇岩、奇石を配し、本場・ルルドの霊泉が混入されたそうです。

いま思えば、泉の水を飲んできたほうがよかったかな〜!(信仰のない私には効果がないかもしれませんが・・・)。

大宝まで引き返し、国道384号線を荒川温泉へと向いました。中須郷から荒川郷へ向う途中に、ちょっとした坂がありました。北からの風が次第に強くなってきました。

荒川温泉の手前のキー崎で、玉之浦港荒川灯台を撮影。夕陽のなかに黒瀬埼灯台が浮かんでいました。

荒川温泉は、海と山に挟まれた狭いエリアに密集して建つ民家の中にありました。今夜?は泊り客が多いようで、何軒も電話してやっと部屋が確保できました。

ぬるい温泉に浸かって、旅(坂)の疲れを癒しました。明日の天気予報は晴れ、比較的平坦な道になるはずです。

2日目も快晴。8時に旅館を出発し、まずは丹奈漁港の防波堤から黒瀬埼灯台を撮影。

貝津まではアップダウンとトンネルが続きます。途中で見た高浜海水浴場の真っ白な砂浜と紺碧の海は、すごく素敵でした。 貝津で県道233号線に入り、三井楽町塩水(えんすい?、それともしおみずって読むの?)の長崎鼻を目指しました。道路は緩やかなアップダウンが続きます。塩水漁港から海岸沿いの赤い道(遊歩道?)を進むと、簡単に三井楽長崎鼻灯台を見つけることができましたよ。

三井楽長崎鼻灯台から海岸沿いの赤い道(遊歩道?)を進むと、五島柏埼灯台が建つ柏の集落に到着します。

遣唐使が派遣されていた時代は、この先に日本の陸地はないと考えられており、日本を見納める場所だったそうです。

この日、柏崎の先端はすごい風が吹いていました。今回は天気が良かったので、体を持っていかれそうな強風にも恐さは感じなかったものの、冬には近寄りたくない感じです。ほっそりした姿も風圧を受けにくくするためなのかな?。

水之浦港魚津ヶ埼灯台です。

五島柏埼灯台を後にして県道233号線に戻り、三井楽で国道384号線に合流しました。

三井楽と岐宿川原の間は4つのトンネルで繋がれ、山越えのイメージはありません。白石湾沿いに走り水浦で左折すると、水之浦港の奥(魚津ヶ崎の先端の岩礁)に水之浦港魚津ヶ埼灯台が見えました。

魚津ヶ崎(ぎょうがさき)公園の先から海岸沿いにもアプローチしたのですが、先端は断崖になっており、灯台に近づけるルートを見つけることはできませんでした。

立小島灯台です。岐宿町の魚津ヶ崎公園の北端・松本の鼻から撮影したものです。

魚津ヶ崎公園は、「遣唐使船が風待ちしたと言われる川原の浦(白石湾)の湾口にある。

小島を浮かべた景観は、まるで箱庭を思わせる美しさで、遠くに三井楽半島と伝説の島・姫島が横たわっている。

空海と最澄もここから大陸へ向かって船出したため、福江島には多くの空海伝説が残っている」と五島市の観光案内で紹介されています。

観光バスも立ち寄るポイントのようです。

水ノ浦から丘を越えると岐宿港です。岐宿港導灯は港の南側の神社の裏に建っていて、この写真は岐宿港の防波堤(導灯の正面)から撮影したものです。

岐宿郷から国道384号線に入り、河務(こうむ)から県道162号線で戸岐郷を目指しました。このルートは比較的おだやかな坂が続き、脚にかかる負担もさほど感じません。

戸岐大橋です。この橋の上から五島能瀬灯浮標を撮影しましたが、写真の奥には、福江島の東北に浮かぶ久賀島の浜脇教会が写っていました。この教会は、昭和6年に五島初の鉄筋コンクリート教会として設立された、ステンドグラスの美しい教会だそうです。

堂崎天主堂です。五島の福江島には多くの教会がありますが、そのなかでも有名な教会のひとつです。

ず〜っと、県道162号線を南下して福江市街に到着しました。福江市街に入ると、道端に明人堂や六角井戸がありました。

福江港の常灯鼻です。この常灯鼻は、北東から吹き寄せる巨浪を防ぐ役目もあったそうです。

この後、県道63号線を福江空港まで走り、今回の走行距離は156km。灯台巡りのツーリングとしては、まあまあの距離です。島の南西部にはアップダウンが多くて難儀しましたが、天候にも恵まれて楽しい旅になりました。