上五島・中通島ツーリング
Touring Date:2007/4/27〜28


まとめ

1.日程;2007/4/27〜28

2.天気;曇りのち晴れ

3.ルート
4.装備
5.その他

ツーリング・レポート

早朝6時の上五島・青方港です。
昨夜の23時30分に博多港を出発したフェリー・太古(たいこ)は翌日の朝早くに上五島・青方港に到着しました。

昨夜の天気予報では今日は一日中、快晴のはずでしたが、陸海上一面に"もや"がかかっていて、写真撮影にはコンディションがちょっと心配です。時間とともに晴れ上がってくれることを祈るばかりです。

今回は2泊3日で上五島を一周しながら灯台を撮影し、復路も友住港からフェリーで佐世保へ渡る途中の船上から灯台/灯標を撮影する計画です。

アップダウンが多いのでちょっと体力的に心配(不安)もありますが、久々のツーリングでワクワクしています。

上五島を一周する間に撮影を計画している灯台/灯標はそれほど多くないので、サブテーマとして教会を撮影することにしました。上五島にはたくさんの教会があるようですね。

最初に訪ねたのは青方の市街に近い『青方教会』です。青方から奈魔へ向かう途中の住宅街に建っている、かなり大規模な教会で、走っている途中でもすぐに目に付きました。

ゆるやかなアップダウンで奈魔(青方港から約5.4km)へ到着しました。

奈魔の家々の間に続く狭い道路を抜け、矢堅目埼灯台を目指して奈魔湾沿いに走ると、冷水教会を見つけました。上五島は平地が少ないので教会の敷地も狭く、満足なアングルで写真撮影をするのはかなり難しいようです。どうしても、このようなアングルでの写真になってしまいます。

小さな石を積み上げた石垣が、どのようにして教会が造られたかを教えてくれるようです。ほとんどの教会には、地域の集会所や掃除の行き届いた公衆トイレ等が併設されていて、教会が地域の中心になっていることを感じました。

海岸沿いの道路は、ゆるやかなアップダウンを繰り返して、矢堅目へ続いています。

矢堅目埼灯台が建つ矢堅崎が次第に大きくなってきました。ごつごつした岩肌の三角形の島(岬)です。遠くからみると電線が矢堅崎の奥まで続いているようです。ひょっとして、電線を伝っていけば灯台まで辿り着けるかもしれないという希望がわいてきました。

舗装道路は「矢堅目」(青方港から約8.7km)で終わり、電線沿いに海岸線へ下る階段の道がありました。階段を下って海岸線へ降り立ち、滑りやすい岩を伝って矢堅崎へ渡れば、後は電線沿いに矢堅目埼灯台へ辿り着く予定だったのですが・・・・、岩壁の斜面に阻まれて引き返すことになりました。期待が大きかっただけに、失意の矢堅目埼灯台になってしまいました、あ〜!。

"もや"も消えず、レポート用の写真もぼやけたままです。天気だけでも早く晴れてほしいけど・・・・。
がっかりして奈魔まで引き返しました。

奈魔(青方港から約12km)からは奈魔湾の東岸沿いに北上し、上五島・中通島の最北端・津和崎鼻に建つ津和埼灯台を目指します。その途中でいろんな教会を訪ねるつもりです。

青砂ヶ浦に入ると、道(県道32号線)は次第に上りになって行きますが、まだまだゆるやかです。道路の右側に『青砂ヶ浦教会』が見えてきました。教会の横には、必ず鐘撞塔があるようです。

「菜切入口」(青方港から約15.9km)バス停まで上ると、広瀬に向かって下り始めます。この後も、道はゆるやかなアップダウンを繰り返しながら、少しずつ上っていきます。対岸には矢堅目埼灯台が"もや"の先にぼんやりと見えています。

道路はきれいで交通量は少なく、すぐ道端で聴こえるウグイスやメジロの鳴き声がうるさいほどです。ウグイスも鳴き方が次第に上手になってきたようです。

県道32号線は白草峠(青方港から約19km)でピークとなり、上小串に向かって下り始めます。白草の坂を上っている途中、左側に赤い崖が見えるなと思っていたら、白草峠に「赤崖断崖」の案内板が建っていました。

白草峠から曽根まで下って『曽根教会』(青方港から約19km)に着きました。曽根教会のちょっと上に、本日の宿・国民宿舎しんうおのめ温泉荘も見えます。曽根教会の写真撮影を終え、立串に向かってガ〜ンと下っていきます。

立串で県道218号線(津和崎立串線)に合流、青方港から約22kmです。道路はここから、ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら少しずつ上っていきますが、事前に予想したほどではありません。というのも、県道218号線は海岸線に点在する各集落まで下るのではなく、ある程度の標高を保ったまま続いているからです。

集落へは県道218号線から枝線(枝道)が繋がっていて、その枝線(枝道)はかなりの勾配で下っています。集落に用事のある人だけが枝線(枝道)を利用し、それ以外の人は集落まで下りなくても良いというのは、非常に合理的な考え方だと感じました。

と言いながらも、そこそこのアップダウンは仕方ありません。一番のアップダウンというのは、大瀬良の先に位置する「大瀬良峠」でしょうか。

左の写真は大瀬良峠の「高峯トンネル」(標高約140m、青方港から約26.4km)です。『高峯トンネル』が開通するまでは、その上の大瀬良峠(標高約180m)を越えていたようですね。トンネルを過ぎると、道路は一気に江袋(標高約60m)まで下ります。

それにしても、田舎の県道とは思えない、きれいな道路が続きます。交通量も少ないし、鳥の鳴き声は聞こえるし、なかなか良いツーリングになりました。

道路の左側に「江袋教会」が見えてきました。急坂を自転車から降りて下ると、改装中のためか小屋掛けに囲まれた『江袋教会』がありました(後で調べたところ、2007年2月に焼失したために復元工事が行われていたようです)。

上って下ると、赤波江の集落へ続く分岐点が見えてきました。かなりの急坂です。復路に時間があれば寄ってみる予定ですが、この急坂はちょっと・・・・。

左の写真は『仲知教会』を裏口から撮影したものですが、教会の後方に十字架が建っていて、どっちが正面なのか、不思議な感じでした。

また、上って下って「一本松」で「赤波江」からの道に合流、青方港から約32.4kmです。ここから米山まで、ゆるやかなアップダウンが続きます。

これまでも、これからも平坦な土地は、ほとんど見かけることができません。人々は急斜面の土地にわずかな畑を拓いて、生活を支えてきたのでしょうか。

『米山教会』です。田舎の隅に建てられたとは思えないくらい、デザインがユニークですよね。また、可愛い教会です。

道路は米山から津和崎まで下りますが、このルートでは珍しく港の近くまで降りる部分です。津和崎まで下ったあと、津和埼灯台まで上りという辛い部分でもあります。

舗装道路を離れ、『津和埼灯台』まで未舗装の階段が続いていました。最後の一部は担ぎでした。青方港から約37.9kmです。でも、まだ9時半過ぎです。ゆっくりと朝食のおにぎりを食べ、写真を撮り、休憩しましょう。バイク旅行のご夫婦が食事をしながら、休憩中でした。

四方八方から写真を撮った後、朝食をとりながら周囲を見回しても、"もや"が残る海面の眺望はわずかです。周辺は公園になっていて、休憩用の椅子も設置されています。できれば長椅子タイプになっていると腰を伸ばして休憩できるんですが・・・・。周囲はツツジが満開で、いろいろな鳥や虫が(うるさいくらいに)飛び回っています。

1時間も休憩すると飽きてきて、時間を調整しながら、ゆっくりと戻ることにしました。

道端に見つけた『タラの木』です。葉っぱや芽も大きく伸びて、なかなか見かけられない風景です(福岡でタラの木を見かけることがあっても、芽は摘み尽くされていて、ボロボロですので・・・・。でも、対馬や五島では結構見かけることができます。また、タラの木は根が伸びて増えていくので、周囲にも何本かの木を見かけます)。
芽を少しもらって、「てんぷら」なんか美味しいだろうな・・・・。

津和崎周辺の道端には住民の皆さんが丹精した花々が咲き乱れ、旅人を癒してくれます。どうも、ありがとう!。

時折、大きな、黒い蝶々を見かけますが、対馬へ行った時も、見かけた蝶々のようです。

津和崎まで下って、また米山まで上るのは、ちょっと辛い。

『赤波江教会』まで近道をしようと「一本松」から「赤波江」へ続く道へ入りましたが、すぐに道がなくなり「一本松」まで引き返しました・・・。

「島首」から「赤波江」へ続く急坂は、かなりきつい!。

「赤波江教会」は赤い屋根と白い塔がきれいな教会ですが、近付くと屋根の赤い色が見えないため、普通の教会になってしまいます。途中まで引き返して教会を再撮影しました。

復路は「高峯トンネル」のうえの大瀬良峠を通りました。大瀬良峠から脇道に入り無線中継所前で大休止。まだ12時10分です。

シートを敷き、腰を伸ばし、顔にハンカチをかえて目を閉じていると、いつしか眠り込んでいました。昨夜はフェリー・太古に船中泊だったので、ちょっと睡眠不足でした。風は心地よく、空にはとんびが舞っています。鳥の鳴き声も聞こえます。

13時過ぎに出発。

途中で見かけた『小瀬良教会』です。不精して県道218号線から撮りました。

写真の道を右へ進むと、「大水」地区へ続く林道小瀬良線です(直進は県道218号線)。まだまだ時間的に十分余裕があるので、大水地区と大水教会も訪ねてみることにしました。

県道218号線(津和崎立串線)が比較的にアップダウンが少ないといっても、少しずつ脚に疲れが溜まってきているようです。林道小瀬良線に入ってすぐの上りがすごく辛く感じます。2万5千分の1地図を見ても等高線を横切るように林道が続いていたので覚悟はしていましたが、それでもやっぱり・・・・。得意の粘り納豆走行で・・・・、もう一息、もうちょっと・・・、頑張れ。

やっと道路が平坦になり「大水」の集落(大水教会も)が見えてきました。でも、大水地区に着くまでに、再度ぐ〜んと下ってまた上っています、あ〜!。

それにしても、「大水」の段々畑、段々屋敷はすごい!です。狭〜いスペースに家が建ち、畑が作られています。大水教会が建つ場所は、比較的に平坦な場所ですが、昔からず〜っと、こういう厳しい場所で生活が営まれてきたんですね。県道218号線を離れて枝道に入ると、どこも同じような風景が広がっているのでしょう。

林道小瀬良線はごみ焼却場で行き止まりになったので、そこから引き返すことにしました。

復路の途中で『大水教会』に寄りました。

県道218号線(津和崎立串線)に戻り、立串を経由して、白草峠まで引き返しました。
宿にチェックインするには時間が早いので、"もや"が晴れていれば矢堅目埼灯台の写真を撮ろうと考えたからです。でも、しばらく待っても"もや"は晴れそうにないので、明日に期待して宿へ向うことにしました。

写真は本日の宿・国民宿舎しんうおのめ温泉荘で、曽根教会のすぐ上に建っています。本日の走行距離は71.5km。
温泉に入り、缶ビールを飲んで、夕食を終えれば、後はバタンキューと爆睡でした。久々のツーリングに大満足です。

明日の天気予報は"晴れ"です。"もや"よ晴れろ!。


2日目;昨夜は早く寝すぎたので、夜中に何回も目が覚めました。でも、5時近くになるとさすがに眠れなくなって、レポート(ツーリング日記)の整理を始めました。

次第に明るくなってきました。"もや"も晴れているようなので一安心です。元気が湧いてきます。

7時から朝食を摂り、7時45分に宿を出発しました。まず矢堅目埼灯台を撮影するために白草峠を目指しました。白草峠へ向かう坂道の途中から「壺ヶ瀬灯標」が見えます。昨日は"もや"にかくれて見えなかったんですね。矢堅目埼灯台も見えるんじゃないかと期待が高まってきました。

そして白草峠に出ると朝日をあびてキラキラと光る矢堅目埼灯台が見えました(その雰囲気が写真に出ていないのが残念ですが・・・・)。写真の左下の岩場に船着場がありますが、灯台のメンテナンスには船で渡るのでしょうね。

西浜まで奈魔湾の東岸を南下し、似首峠を越えて有川湾の西岸にでました。すぐに有川湾に浮かぶ『継子瀬灯台』が見えてきました。

何回か場所を変えて継子瀬灯台を撮影し、有川湾沿いに有川港東岸の平串鼻を目指しました。さすがに今日は交通量も多くなりました。

有川港の岸壁から撮影した『平串埼灯台』です。

有川漁港横から平串埼灯台まで細い山道が続いています。途中の開けた場所からは、海の眺めが素敵でしたよ。

継子瀬灯台と平串埼灯台の撮影を終えると、いよいよ奈良尾までのツーリングの開始です。まず「蛤」まで国道383号線を引き返し、信号を左折して県道22号線経由で鯛ノ浦を目指します。途中から県道22号線を離れ、更に奥の「阿津瀬」を目指しました。

阿津瀬漁港の岸壁から鯛ノ浦湾口に浮かぶ寒古島に建つ「鯛之浦港寒古島灯台」を撮影するのが目的です。

阿津瀬漁港の岸壁から鯛ノ浦湾口に浮かぶ寒古島を眺めたものです。「鯛之浦港寒古島灯台」は少しも見ることができません。きっと山陰になるんでしょうね。

2万5千分の1地図を見ながら「鯛之浦港寒古島灯台」を撮影できるポイントを探しましたが、船で近づく以外にはなさそうなので、諦めて先へ進むことにしました。

鯛ノ浦には、いくつもの「鯉のぼり」がはためいていました。やっぱり子供を感じる風景って良いですね。心が優しくなるようです。

鯛ノ浦の集落を過ぎると、県道22号線はゆるやかな上りが始まります。次第に暑くなってきて、ウィンドブレーカを脱ぎ、次にジャージ(下)を脱ぎ、Tシャツとレーパン姿になりました。

有川以南の上五島は、比較的に平地が多く、大きな集落(漁村)も点在しています。そして、その集落(漁村)を繋ぐ道路が造られたのでしょう。県道22号線(有川奈良尾線)が集落(漁村)を繋いでいます。そして、そこにはアップダウンが・・・・。

曲がりくねった道を、力強く?上っていきます。いよいよパスハントの雰囲気になってきました。木陰や涼風が心地よく感じされます。大瀬良の「広の谷」バス停付近が最初のピークです(標高が約210m)。うぐいすとメジロが大きな声で競演するように鳴いています。う〜ん、初夏を感じます。時折見かける大きな「黒い蝶」は五島や対馬で見かけるものです。

気分良く走っていると、すごい下り、すごい崖です。ほんとにこれはすごい。神ノ浦(こうのうら)へ続く下り道です。これはツーリングではない、パスハントだ、絶対に!。結果的にはこの下りが一番厳しいアップダウンでしたが、この坂を下ることはあっても絶対に上りたくないと思いました。

右の写真は、神ノ浦を過ぎて、船隠入口バス停(標高約110m)から振り返って撮影したものです。県道22号線が右隅まで続いています。沖に相ノ島が、そして海岸に相ノ島灯台が小さく見えています。

船隠入口バス停(標高約110m)を過ぎても、道はまだゆるやかに上っていきます。左手に船隠の集落が見えるようになった頃、道路はほぼ平坦になり、ゆるやかなアップダウンを繰りかえします。

左の写真は浜串の海岸に立つ『希望の聖母像』です。航海の安全を祈りつつ、出船・入船を見守っているそうです。

奈良尾町に入って道路は尾根を走り、左右に海を見ることができます。

福見峠を過ぎると一気に福見地区まで下り、そのまま高井旅へ到着しました。

『高井旅教会』です。

すぐ横の奈良尾中学校では、少年たちが野球の試合の最中でした。また、高井旅海水浴場はきれいな砂浜が続いていました。まもなく、海水浴の客でいっぱいになるんでしょうね。

すでに12時半を過ぎています。途中でコンビニやドライブインがないかと探していたのですが、鯛ノ浦から高井旅までそれらしきものは見かけることができませんでした。やはり、有川の街中で買っておくべきでした。

県道22号線(有川奈良尾線)と国道384号線の合流点です。鯛ノ浦から約21kmでした。ここから北上し有川へ戻ります。

また、白魚峠(標高約120m)までのゆるやかな上りが続きます。

白魚峠を下ると国道384号線と県道46号線の分岐点(合流点?)が見えてきました。ここを左折し若松大橋を目指します。

またまた、ゆるやかなアップダウンが続きます。

若松島と上中島を結ぶ若松大橋です。フェリー・太古もこの橋の下をくぐって進みます。

橋の入口に「二輪車通行止」で二輪車は「おりておしてください」という看板が立っていました。誰が決めたのか分かりませんが、なんと勝手な言い草でしょうか。上五島には4輪車しかないのでしょうか!!!。
(本音では、若松島も走ってみたかったんだけどな・・・・)

県道46号線を白魚まで引き返し、国道384号線を再び北上しました。

『中ノ浦教会』です。バランスの良い素敵な教会です。

この付近から国道384号線は海岸沿いの平坦な道になりました。

『荒川トンネル』です。

国道384号線は峠道のトンネル化が進行中です。宿ノ浦トンネルは工事中ですが、荒川トンネル、金比羅トンネル、今里トンネルはすでに開通しています。

宿ノ浦トンネルが完成すれば、国道384号線はかなり走りやすくなりそうです。これらのトンネルは向かって右側(山側)に歩道が作られています。

『跡次教会』です。ここまでくれば青方はもうすぐです。

上五島には、いろいろとユニークな地名が多いようです。跡次の他にも、浜ノ浦があって続浜ノ浦がある、etc。

青方の『大曽教会』です。 この後、青方、有川を通って、友住郷の民宿に着いたのが16時40分でした。 本日の走行距離は94.4kmでしたが、結構アップダウンがあったので、十分に走った感じです。

ツーリングは今日で終わり、明日は、7時25分に友住港を出港する『フェリー・みしま』で佐世保港へ渡ります。その間にも、船上から見える灯台/灯標を撮影するつもりです。


3日目になりました

友住港に停泊する「フェリー・みしま」です。朝の7時25分に出港し、佐世保港まで約3時間強の船旅です。

船上から見える灯台/灯標を撮影するのも、今回の旅の目的のひとつで、楽しみにしていました。天気も良さそうなので、どこまで見通せるか楽しみです。

崎戸港での乗降風景です。

10時50分過ぎに佐世保港に到着しました。約20分遅れです。

急いでJR佐世保駅に行き、輪行準備して、10時13分の博多行きみどり号に乗車しました。