ツーリング北海道2001

Touring Date:2001/09/15〜09/22
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はじめに

ツーリング北海道2001はツーリング東北2001の後、津軽海峡を越えて続く旅です。

今回の旅では、これまで時間が足りなかったり、台風の影響で諦めた場所を訪れることが大きな目的で、ひとつは「白神岬」、もうひとつは「えりも岬」です。 白神岬とえりも岬は距離が離れているためJR北海道を使って輪行しましたが、一日がかりの移動になってしまいました。さすが北海道ですね。 それでも以前走ったことがある場所や想い出深いポイントは列車のなかからでも、あざやかに思い出すことができました。

それに加えて今回は「鮭の溯上」という季節の贈り物をもらうこともできました。えりも岬へ向う途中の「歌別川」の橋から初めてみたその光景は今でも鮮やかに蘇ってきます。 岬や峠は走り続ければ、いつかは到達することができますが、こういうものは自然の営みと旅のスケジュールが一致した時だけ見ることが出来るものでです。 写真は撮ってきたものの川面の反射で写りはいまいちです(鮭がここに写っているよと教えないと、まずわからない?)。でも心のなかでは鮭がバシャバシャと音をたてて泳ぎ回っています。 こんな光景も北海道ならではのものですね。

帰りの飛行機のなかで、もう来年の計画を立て始めている牛ちゃんでした。
2001/09/19(水) 5日目。木古内〜白神岬〜松前〜上ノ国。122km

06:10;起床。昨夜もぐっすりと眠れたのに目覚めが悪く体が重たい。疲れが溜まっているのかな?。 すっきりしない気分を奮い起こして荷造りを行う。体が重いようだと、明日以降のルートを変えることも考えなくちゃ。

07:00;朝食。なかなかおいしい朝食でした。食後のコーヒーもGood!です。 08:00;おばちゃん達に見送られて出発。さわやかな青空が広がっている。今日の服装は短サイパンに半袖ポロシャツ、それにウィンドブレイカーという軽装です。 すぐに道々5号線との合流点を通過(ここは去年走ったとこです)し、まもなく海岸線にでる。函館山、亀田半島、本州の大間崎、それにフェリーが見える.竜飛岬はまだまだ見えないが、それにしても北海道は道路工事が多い。

08:55;「道の駅・しりうち」に到着し、記念のスタンプを押下。ここまで約17km。知内町は「北島三郎」さんの出身地だそうで、売店にはさぶちゃんグッズがいっぱい。さぶちゃんの歌もガンガン流れている。 次第に日差しが強くなってくるが、相変わらず道路工事が多くてペースが狂ってしまう。

09:45;福島トンネル(全長382m、標高159m)。このあとは一気に下って福島町へ。

10:05;道の駅・福島に到着しスタンプ押下。ここまで約36km。ここは横綱・千代の山と千代の富士の出身地で、道をはさんで「横綱千代の山・千代の富士記念館」があり、相撲甚句が流れている。 すでに日差しが強くなってきており、ソフトクリームがおいしい。10:20に出発。走り出してもぽかぽかと暖かく「小春日和」という言葉がぴったり!。海岸沿いにでると、いよいよ竜飛岬がかすんで見え始める。

11:00;北海道最南端・白神岬に到着。ここまで約47km。早速記念撮影。正面右手に竜飛岬、ずっと左手に大間崎が見える。竜飛岬の奥には本州がかすんで見えている。 でも、感激にひたっているのは俺だけ?、観光客は誰もいない。ちょっと先で白神岬灯台の記念撮影。最近は「日本の端っこ」に使うため意識して灯台の写真を撮っています。 白神岬を過ぎたころから強い向い風となる。海岸線には昆布干しの風景が広がっているが、この付近は波が荒いため昆布も小振りだ(短い)。

11:50;松前城に到着。ここまで約58km。ここはアイヌ抑圧の本拠地なので、個人的には好きではないが、とりあえず記念撮影する。松前城や武家屋敷等を観光して出発。

13:00;松前町立パークゴルフ場の横の食堂で昼食。食堂が見つからなくてエネルギー切れの不安が出始めたとこだったので、ほっと胸をなでおろす。 店のおばさんから「この付近は松前でも特に風が強い地区で、これくらいはそよ風ですよ」と聞きびっくり!。強風に中でも、皆さんは楽しそうにパークゴルフ(ゲートボールをパターゴルフ場でやるようなゲーム)を楽しんでいました。 エネルギーを補給して一安心し、13:25に出発。

向い風が強くてぺースが上がらない。風は先が読めないのでつらい(坂だと必ず頂上があるけど、風はいつまで続くかわからない)。 14時半頃から横風に変わりペースアップするが、そのとたんにアップダウンが始る。う〜ん!。

14:38;やっと松前町を抜ける。ここまで約88km。前方に奥尻島がかすんで見え始める。

14:45;日方泊岬灯台によって記念撮影。紅白のかわいい灯台だ。ここまで約91km。国道にもどる途中の看板に「この海岸一帯はヒグマが出没しています。十分に注意してください」。山の中でもないのに、冗談じゃないよまったく!。 ペダルを踏む足に力が入る。ここで熊がでてきたらどうしよう・・・。前方に黄色い小動物の後姿を発見したので、もしかしたらキタキツネ?と思って、そっと近づいて行くとただの猫。がっかり!。 国道に戻ったあとも、道端には熊出没警告の看板が続いている。まさか国道には出てこないよね。 (突然だけど、東北であれだけ見かけた赤トンボを全然見かけない。津軽海峡を渡っただけなのに、こんなに変わるものなのかな?)。

16:22;JR上ノ国駅に到着。ここまで約117km。ここで明日の列車(電車ではない)の時間をチェックする。無人駅で時刻表もないので、隣の江差駅に電話して確認する。 明日は、8:25発の鈍行でJR函館駅まで行き、11:30発の札幌行き特急に乗り換える。更にJR苫小牧駅で14:01発の様似行きに乗り換え、18時過ぎに到着。やっぱり、一日がかりの輪行になりそうだ。

17:00;今日の宿「民宿食事処 宮寿司」に到着。ここまで約122km。宮寿司という和風な名前なのに建物はペンション風で、4部屋だけの小さな民宿です。 風呂に入って食事におりると、カウンターを挟んででご主人と話しながらの夕食開始です。メニューはお刺身盛合せと酢じめの魚貝類盛合せ、そして握り寿司です。 ビールを飲みながらおいしいものを一品ずつ食べるのが好きな牛ちゃんにぴったりのメニューです。ご主人は札幌で店を開いていて、3年前に地元に戻り民宿を開いただけに味はさすがです!。 気のいいご主人とかわいい奥さんがやってるお勧めの民宿です。機会があればぜひ泊まってみてね。21時過ぎに満足して就〜寝。
2001/09/20(木) 6日目。上ノ国←JRで輪行→様似、走行距離:少し

05:45;起床。JRに乗り遅れないよう寝坊しちゃいけないと思っていると、どうしても眠りが浅くなるようで、昨夜は何回も目がさめる。 ちょっと布団のなかでぐずぐず。でも今日は一日JRで輪行するので、起きさえすればこっちのものだ。

06:45;朝食&支払い。ビールを2本飲み、あれだけ美味しいものを食べて7,600円は安い!。出発前にご主人と奥さんの記念撮影。お世話になりました〜!。機会があったら、また来ま〜す。

07:20;ご主人と奥さんお2人の見送りを受けて元気よく出発。JR上ノ国までは15分程度。レーパンを穿いていないので、結構お尻が痛い。

07:35;JR上ノ国駅に到着しホームで輪行準備。7:55に準備を終了すると後は列車を待つだけ。空には薄〜い雲がかかっていて、東からの微風(昨日と大違い!)が吹いている。輪行するには勿体無いような天気だ。

08:25;函館行きの鈍行列車に乗車する。前乗り/前降りのワンマン列車なので、乗客の邪魔にならないよう自転車は最後部に置く。函館まで2時間37分、1輌編成のトイレ付き列車。 時々、道々5号線が見えて昨年の想い出がよみがえってくる。舗装道路がきれた時は心細かった、確か小雨が降っていた、交通量が少ないので熊が出やしないかとひやひやしたな。 いつの間にかうとうとして、目が覚めたら昨年朝食/休憩した公園の横を通過中。確かここでは雨があがっていたはず。9:30に木古内到着.9:42に出発. 昨年はこのルートを走りながら、来年は絶対白神岬に来たいと思った。そして今日ここにいることができるのは嬉しいことだ。 来年はどうしようかな?。多分、来年も北海道を走っているんだろうな!。

11:01;JR函館駅に到着。スーパ北斗7号が出発する5番ホームまで輪行袋を担いでえっちらおっちら!。カートがある空港の方がよっぽど楽だわい。 待ち時間にみがき鰊弁当(&ビール)を購入する。本当はJR森駅の「いかめし弁当」か厚岸の「かき飯弁当」が食いたかったけどな〜!。

11:30;札幌行き特急スーパ北斗7号が出発。さっそく弁当と缶ビールを開く(乗客が多くて五稜郭ではほぼ満席になったので、小さくなってビールを飲む)。 大沼公園の近では、ツーリング北海道1998Uでしばらく車輪を並べたO氏を思い出す。今も元気で走られているだろうか?。ちょっとお節介で強引な関西風のおっさんだった。 鮮やかに蘇ってくる想い出もあれば、ほとんど記憶にない風景もある。想い出や記憶というのは、その時々の感情の結晶なのかもしれないね。

14:00;JR苫小牧駅に到着。またまた輪行袋を担いでえっちらおっちら!。

14:20;様似行き鈍行列車(ワンマン、一両)が出発。なんと静内で28分も停車する。なんで〜?。 待ち時間の間に携帯電話(iモード)で帰りの飛行機の時間をチェックするが、帯広空港だとやはりJASだ。なつかしの静内温泉センター入口を通過する。台風で足止めをくらった場所だ。

18:00;やっとJR様似駅に到着し走行準備し、駅のすぐ近くの旅館にチェックイン。この旅館は夕食がないので近くの食堂へ食べにでる。明日の天気予報では、 北海道は今年初めての本格的な寒気に覆われて、山間部では雪が降り、平地でも降霜するとのこと。いよいよ北海道も晩秋の季節だ。 「北西の風で、曇りのち晴れ。気温は最低が13℃、最高が17℃」。この程度の温度であれば、準備してきた装備で十分に対応できる。 今日は一日輪行だったので全然疲れていない。眠れるかな〜って思いながら、明日のために22時に就寝する。
2001/09/21(金) 7日目。様似〜えりも岬〜広尾〜豊似。99km

06:00;起床。朝方は結構冷え込んだ。雲が多いが青空ものぞいている。天気予報では、これから寒気が流れ込み、山間部では雪が、平野部でも霜が降りるとこがあるとか・・・。 でも、準備さえきちんとしていれば大丈夫だ。7時に朝食を摂る。

07:40;出発。今日の服装は、上は半袖ポロシャツ&ウィンドブレイカー、下は短レーパン。まずはJR様似駅で記念撮影し、えりも岬を目指して走り始める。 海岸沿いの道を追い風に吹かれて快調に走る。風が背中を押してくれている感じ。天気も次第に良くなり、青空が広くなってくる。晴れの追い風、最高のコンディション!。 前回は台風で足止めをくった「平宇」もあっという間に通過する。ずっと、このまま走っていたい気分だ。

09:12;道々34号線に入る。えりも岬への最終アプローチだ。ここまで26km。橋のうえで観光客が騒いでいるので「何でかな〜?」って覗いて見ると、なんと鮭が溯上している!。 予期せぬ光景に牛ちゃんはすっかり興奮し、急いでカメラを取り出し、川端まで駆け下りて写真撮影する。 右の写真がその時写したものですが、鮭の魚体がわかりますか〜?。牛ちゃんには見えるんだけど!。しばらく飽きずに眺めていた。すれ違ったサイクリストにも大きな声で教えてあげた。

えりも岬に近づくにつれてアップダウンが多くなる。ずっと憧れてきたえりも岬がしだいに近づいてくる。

10:05;えりも岬に到着。ここまで約38km。快晴だが風が強い(風速14m)。ばんばん記念撮影したあと「風の館」に入り、こんどは「ゼニガタアザラシ」を望遠鏡で眺める。 遠くの岩礁のうえでのんびりと日向ぼっこしたり、泳いだりしている。可愛い姿は、いつまで眺めていても飽きない。

11:30;出発。すごい横風が吹いている。自転車ごと持って行かれそうな風だ、慎重に走る。昼食を予定していた「百人浜レストハウス」は閉店中。次の店は・・・?、なかなか無い。 そのうちに後輪が小石を踏むたびにコトッと音が出始め、次第に頼りなくなってくる。あ〜、スローパンク?。多分、下り坂の途中にあった橋の段差を越えた時のダメージだ。

12:00;庶野の食堂に入り、ついでに近くの自転車屋さんを尋ねる(携行したポンプだけで十分なエアが入らないため!)。 自転車屋さんはなかったが、教えて頂いた自動車整備工場で空気入れ(圧搾空気)を借り、早速予備のチューブと取り替える。 フレンチ用ではないエアガンで空気を入れるのに一苦労するが、どうにか空気を入れ終える。快くエアガンを貸して頂いた自動車整備工場の方に大感謝だ!。 ついでにパンク修理(やっぱり小さなスネークバイト!)し、食堂に戻って昼食を摂る。ここまで約54km。13:35に出発する。

海岸には昆布が打ち上げられている。お土産にしようかな〜!、なんて考えてしまう。 黄金道路はトンネルや覆道が多く、いろいろな名前がつけられている。徳内トンネル(最上)もあれば重蔵覆道(近藤)もある。さすが北海道だ!。

15:15;フンベの滝に到着。ここまで83km。どんどんゴールが近づいてくる!。ペダルを踏む足もついつい重くなってくる。道路が川を渡るたびに、鮭が溯上していないか探していたが、そのうちにあることに気がついた。 河口にかもめやカラスがいる川には鮭が溯上している。かもめやカラスがいない川には鮭はいない。ここまでに鮭の溯上を見た川は「歌別川」、「猿留川」、そして「広尾川」。

広尾から豊似まで、ず〜っと真っ直ぐな道が続く。向い風をさえぎるものはなにもない。

16:35;豊似の宿に到着する。今日の走行距離は約99km。ここはワンルームマンション風のバス/トイレ付きでGood!。食事は普通だが、普通なのが良い。新鮮とはいえ毎日魚介類では飽きが来る。 明日は帯広空港から輪行して帰る。明日の天気は「北西の風が強く、晴れ。気温は最低が5℃、最高が18℃」。11月並みの寒気だそうだ。 北西の風が強いとなると、帯広空港まで向い風となって予想以上に時間がかかる恐れがあるので、明日は早立ちすることにする。22時すぎに就寝。
2001/09/22(土) 8日目。豊似〜帯広空港←飛行機で輪行→福岡。46km

05:10;起床。予定通りの目覚めだが、早起きしなくちゃいけないと思っていたため眠りは浅かった。でも飛行機に乗ったらずっと寝てても良いんだからね・・・。 急いで出発準備。天気は快晴、無風。強い向い風を予想していたのでラッキー!。でも寒そうだ。5時50分に出発する。

服装は寒さに備えて、
・上は山用の長袖下着と長袖ポロシャツ、そしてウィンドブレイカー
・下は長レーパン、そしてジャージ
それに指先まで覆うグローブ(薄手)も装着する。

快晴、無風。道端の草々には霜が降り、遠くの山々は頂きに雪が積もっている。一気に晩秋の気配だ。指先が凍えるように冷たい。体が温まるにつれて、こんどは足の指先が冷たくなってくる。 道路状態は良かったり、悪かったり。この区間はまだ歩道整備が完了していないようだ。

06:48;道の駅・忠類で休憩。ここまで約20km。道の駅はまだ開いていない。一昨年もここで休憩した。道の駅・さらべつも閉店中。

08:20;帯広空港に到着。2回目の帯広空港だ。ここまで約46km。今回の全走行距離は約694km。記念撮影をして空港のカウンターに行くが、まだ開いていない。 とりあえずカートを確保して輪行準備(帰りはリア・ディレイラーは外さずタイヤの空気もそのまま!)。9時前には輪行準備を完了し、カートに乗せてチケット購入カウンターへ向う。 アメリカの同時多発テロの影響で預ける荷物のチェックも厳しくなっている。輪行袋を開けて警備員に見せるのも大変だ!。今回(JAS)は自転車を預ける際に誓約書を書かされる。

10時すぎ;飛行機は予定より少し遅れて出発。天候は快晴。飛行機はずっと海岸沿いを飛ぶので、昨日走ったルートを上空からトレースすることが出来る。 さらば、えりも岬、さらば北海道。来年は中標津空港からスタートすることになりそうだ。
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