5年振りに北海道を走ってきました。2017年に美瑛&旭岳を走ったあと、腰椎椎間板ヘルニアを発症して半年間は自転車に乗れなくなり、どうにか頑張って走れるようになった頃にコロナウィルスが流行し始め、趣味で旅することなど夢のまた夢になってしまいました。
あれから3年、室内/屋外でのトレーニングを重ねて、コロナウィルス感染が収まるのを待っていましたが、年を重ねるごと(とうとう古希と呼ばれる年代です)に体力/機能が低下していくし、世の中はウィズコロナに切り替わりつつあり、コロナ感染予防対策を万全にしたうえで北海道ツーリングに出掛けることにしました。
特に心掛けたことは
- コロナウィルス感染予防対策として、4回目のワクチン接種を終えること。飛行機や汽車のなかでは2枚マスクを着ける。アルコール除菌シートを携行して適宜除菌する。走行中はマスクは不要です。
- 日々の行程は、無理せずに走り切れる程度に押えること(毎日の目処は70km前後とします)。
- 特に走り始めはペースを押え、体/脚を温めることを優先します。無理して腰椎間板ヘルニアを再発させないこと。体調や状況によりプランは柔軟に変更し、途中でギブアップすることも選択肢の一つです。
- 最後の北海道ツーリングと思って悔いが無いように楽しみます。
1日目は、飛行機で輪行し(福岡空港を出発し、羽田空港で中標津空港行きに乗り継ぎ)、中標津空港で走行準備して標津市街に予約した宿まで足慣らし走行する計画です。
例年、北海道までの飛行機便は、ほとんどが羽田空港乗り継ぎなので、いつもうまく乗り継ぎが出来ない不安を抱えています。特に福岡空港や羽田空港は飛行機の遅れが常態化しているので、30分ちょっとくらいの乗り継ぎ時間では安心できません。これまではどうにか乗り継げていましたが、今回、とうとう乗り継げない不安が現実になってしまいました。
羽田空港上空に雷雲が発生しているという理由で20分以上遅れて福岡空港を出発しました。羽田空港から中標津空港へ向かう便が同じ理由で遅れるのであれば、乗り継ぎも可能ではないかという希望を持っていましたが、羽田空港で待ち受けていた地上スタッフ、中標津行きの飛行機はすでに扉が閉まって離陸準備に入っており、今日中に別な便で中標津へ向かうか、明日の同じ便で向かうかと判断を求められました。標津市街に宿を予約しているし、今日中にそこまで行けないと明日からのツーリングにも影響するので、新千歳空港経由で中標津空港に向かうことにしました。
結局、中標津空港から標津市街までタクシーを利用し、18時過ぎに宿に到着。室内で自転車を組み立てて明日からのツーリングの準備を完了しました。ちょっと予定は狂ったけれど、まあ想定内ですよ。
野付埼灯台では大発生していた蚊に襲われて撮影もままならず!
北海道の朝は早く、特に標津は道東に位置しているので、5時頃にはもう明るくなっています。天気予報では濃霧注意報が出ていましたが、きれ〜いに晴れ上がっています。今日は、まず標津川に行って遡上する鮭を見て、次に野付半島をのんびりと走って野付埼灯台を撮影し、尾岱沼の宿までの50数kmなので、出発ものんびりです。
宿の前で走行準備して記念撮影し、標津川(標津橋)に行きましたが、昨朝まで降り続いた雨で川の水が濁っていて鮭の姿を見ることは出来ません。まあ、他の川で見ることが出来るだろうとすぐに諦めて標津市街に戻り、セイコーマートで昼食用のおにぎりとお茶を買う(最近は北海道にもコンビニが増えて便利になりましたね〜)。20年ぶりの野付半島を軽い向かい風のなかゆっくりと走って行きますが、地元の人の軽トラック、観光客のレンタカー&荷物を一杯積んだバイクが追い越していきます。野付半島の外海(泊湾)には鮭の定置網がず〜っと仕掛けられていて、時々、何本も竿を立ててを釣っている人がいます。この季節/時季の風物詩ですね。海岸に立ち並ぶ家々は定置網漁用の番屋?のようですね。
道道950号線始点(終点?、駐車場あり)から自転車を押して野付埼灯台に向かうと次第に蚊(やぶ蚊?)が増え始め、灯台を撮影する頃には信じられないくらいの蚊に取り囲まれています。急いでパンツを履き、ウィンドブレーカーを着て、蚊を追い払いながら灯台を撮影しましたが、撮影した灯台の映像を確認することも出来ずに逃げ出しました。北海道に蚊というイメージは無かったのでひどくショックです!。自転車に乗って逃げても蚊は追いかけて来て(追いかけて来たのか、そこらじゅうに蚊がいるのか・・)、ネイチャーセンターに着いても、灯台付近ほどではないが蚊が付き纏ってきます。
ネイチャーセンターに逃げ込むと、室内には蚊取り線香が焚かれていて、さすがに蚊は居ないようです。1階のベンチで昼食用のおにぎりを食べ、ゆっくりと見学&記念撮影&休憩しました。
野付半島の復路はゆるやかな追い風に背中を押されてゆっくりと走り、宿のチェックインまでに時間があったので尾岱沼漁港に寄って防波堤灯台を撮影してきました。尾岱沼温泉はちょっと茶色っぽい色で、露天風呂から野付埼灯台の灯りが見てちょっと感激しました。
3日目は、このツーリング最長の80km超えですが、のんびりゆっくりと頑張ります。
今日もいい天気です。しっかりと時間をかけて朝食を摂り、ゆっくりと準備しましたが、蚊が気になるのは昨日のトラウマでしょうか?。尾岱沼のセイコーマートで非常食を兼ねたおやつを購入してスローペースでスタートしました。
尾岱沼から本別海まで、国道244号線は海岸沿いのほぼ平坦な道が続きますが、比較的に路面状態は良くて走りやすいルートです。この区間の距離は約24kmですが、初めて走るルートなので楽しみです。軽〜い逆風が吹いていましたが、北海道ではほぼ無風と言って良いくらいの良いコンディションです
本別海の別海橋の先から海岸線に出て『第一次伊能忠敬測量隊最東端到達地(記念柱)』で記念撮影しましたが、西別川の河口では丹頂鶴の番が餌を啄んでいました。
本別海からJR厚床駅まで約24kmですが、道は海岸線から離れて、ゆるやかなアップダウンが始まり、次第に体力/脚力を削られていきます。路面状態(特に路肩)の悪い場所があるので気が抜けません。
厚床駅の近くで昼食を購入し、厚床駅で記念撮影し昼食を摂り、ゆっくりと休憩して体力/脚力を回復し落石岬(灯台)を目指します。
JR厚床駅を出発してすぐに道道1127号線(初田牛厚床線)に入る。広々とした牧場/牧草地のなかを、アップダウンをくり返すが、時々スノーシェルターが現れるのが北海道らしいです。
初田牛で国道142号線(根室浜中釧路線)に入るが、森の中に続く舗装されたばかりのようなきれいな道路はアップダウンも少なく快適に走ることができた(時々見かける『危険 熊出没注意』の看板にビビらされるが・・)。
温根別橋までの一気のダウン&アップをクリアすると道道1123号線です。道道1123号線に入ると落石地区の学校や民家が現れ落石湾の展望が拡がります。
落石漁港を真ん中にして驚くほどまっ平らな岬が左右に拡がり、断崖が海に切れ落ちる雄大は風景はさすがに北海道!、見飽きることがありません。
道案内の看板に沿って急坂を上り、車止めのフェンス近くに自転車を停めて、おちいし岬パス(フットパス)に入りますが、ここまで長い距離を走ってきたので脚が重たい。でも、もう少しだ頑張ろう!。
おちいし岬パス(フットパス)は砂利道が終わると、足元がぐずぐずのぬかるんだ道になり、そして腐れかかった木が混じっているので気が抜けない長〜い落石岬木道が続き、やっと落石岬灯台が見えてきました。
落石岬灯台を撮影していると、灯台の近くで数匹のエゾシカが周りを警戒しながら草を食べていましたが、やはりここも野生動物の生息数が多いようですね。
この日は落石の民宿に泊まりましたが、窓の外には穏やかな落石湾が広がっていました。
4日目は、落石岬から納沙布岬まで根室半島の南岸沿いに灯台を撮影しながら走り、その後は根室半島の北岸沿いに根室市街まで走ります。海岸沿いのルートはそれなりにアップダウンがありますが、無理せずゆっくりと楽しみます。
早朝から、落石漁港の防波堤の外に昆布獲りする小さな漁船がいっぱい出ていました。今日もいい天気です。落石の集落では民家の横で草をはむエゾシカを何頭も見かけるし、キタキツネが道路を歩いていますが住民は全然気にしません。
昨日は熊出没注意の看板を何度も見かけましたが、野生の動物の密度が非常に高いようですね。根室半島の南岸沿いは霧が出る日が多くて農作物が育ちにくく、農地としての開発が進まなかったので多くの自然が残っているのだそうです。今日は海岸線を走りながら灯台などを撮影します。
2日目と3日目は一日走って撮影できる灯台は1基だけでしたが今日はいっぱい撮影できます。納沙布岬を訪ねるのは2回目ですが、最初に訪ねたのが1998年ですからあれから25年が過ぎたとのかと感慨深い思いがあります。納沙布岬灯台にはバイクツーリストを含めて多くの人が訪れており、賑やかに記念撮影する光景は見ている方も楽しくなります。
- 海岸線からズームアップして緩(ユルリ)島灯台
- 花咲岬に立つ花咲灯台
- JR東根室駅で『日本最東端の駅』碑
- 歯舞漁港の防波堤からズームアップしてハボマイモシリ島灯台
- 納沙布岬で納沙布岬灯台
- 同じく、ズームアップして貝殻島灯台
- ノッカマップ埼灯台
ノッカマップ埼灯台への入口には、道道35号線(根室半島線)の道端に案内板が立っているので分かりやすですが、大小の尖った石がごろごろした未舗装道路なのでタイヤがパンクしないように慎重に走りました。
黒白に塗り分けられスッキリした感じのノッカマップ埼灯台は広〜い原野の中にぽつんと立っていましたが、ちょっと寂しい感じかな・・。
納沙布岬から根室市街に続く海岸沿いの道路(特に北側ルート)はゆるやかなアップダウンをくり返します(日差しが強い時は結構体力を削られます)。
今夜は釧路市街のビジネスホテルに泊まり、明日はJR釧路W期から浜中駅まで輪行する予定です。
5日目のハイライトはあこがれの霧多布岬(湯沸岬)です。また、根室本線(花咲線)は景色が良い場所で速度を落とし、観光客が景色を楽しめるようにしてくれました。
JR根室駅からJR浜中駅まで根室本線(花咲線)で輪行します。JR根室駅を8時24分発に出発する気動車(ディーゼル車)に乗り、9時31分にJR浜中駅に着きます(もっと早い便もありますが学生で一杯になるのでパスしました)。
浜中町はルパン三世の作家のモンキー・パンチさんの出身地で、駅舎内外にキャラクターのポスターや看板が何ヶ所も掲示されていたので、いっぱい写真を撮ってきました。
また、JR茶内駅前にも同じようにルパン三世の看板が立っていましたよ。
JR浜中駅を出て緩やかな坂を越えると海岸線まで下り坂が続き、霧多布の街中から岬へ続く急坂を上り切ると遠くに灯台が見えてきます。灯台や岬は観光地として整備されていて、周りにはきれいなトイレやキャンプ場、遊歩道などがありました。一山越えて茶内から国道44号線に出て(海岸沿いのルートが景色は良さそうでしたが、アップダウンがきつそうだったのでパスしました)、緩やかなアップダウンを繰り返し、懐かしの道の駅・厚岸で休憩&記念撮影して、厚岸の民宿に着きました。
6日目は厚岸から釧路までリエゾン区間で撮影する灯台はありません。想い出をたどりながら走ります。
厚岸湾沿いの道道425号線(厚岸停車場線)の緩やかな坂を上っていくと海岸線に石を敷き詰めた昆布干場(カンバ)が続いていて、坂を上り切ると遠く厚岸湾口に大黒島(厚岸灯台)のシルエットが小さく見えました。デジカメのズームをいっぱいに伸ばして撮影してみましたが、明らかに灯台だと分かるような写真は撮れていませんでした、う〜ん残念!。道道44号線は海岸線を離れて内陸部に入っていきます。
しばらくは平坦で見所の少ない(退屈な)道が続きます。す
尾幌を過ぎると次第にゆるやかな上りになり、10kmほど走り、浦雲泊へ続く『ふるさと林道浦雲泊線』の分岐点でほぼピークでした。ピークを過ぎると、あとは釧路まで緩やかな下りが続きます。12時過ぎに別保の「メモリアルパーク別保公園」で昼食&長めの休憩をとります。昼食用のおにぎりやプリン、おやつ類は厚岸のコンビニで買って来ましたが、厚岸町では観光客に宿泊費やお土産代を補助していたので大助かりでした。
時間的には十分な余裕があるのでゆっくりと腰を伸ばして休憩し、出発後もゆるやかな下り坂をのんびりと走っていきます。
宿のチェックインにはまだ早いので釧路市街の手前を釧路川沿いに下って幣舞橋まで下り、ゆっくりと散策&記念撮影しました。幣舞橋周辺は釧路市街では珍しくゆっくりと出来る場所だと感じています。幣舞橋からJR釧路駅前はまっすぐ走るだけで、今日はJR釧路駅前のホテルに泊まります。
明日は、ホテルっから釧路空港まで自走するか空港バスで輪行するか、ちょっと迷っています。
7日目(最終日)は釧路市街から釧路空港までバスで輪行し、釧路空港から羽田空港経由(乗り継ぎ)で福岡空港まで帰りました。
旅を終えた感想は、
- 出発前は年齢的/体力的に不安がありましたが、ほぼ計画通りに走り切ることが出来てほっとしました。また、少し自信が回復しました。この調子でトレーニングを続けて行けば、来年もまた北海道を走ることが出来るかもしれませんね。トレーニングするモチベーションになります。
- 一日の走行距離の目安を70kmとする。スタートはゆっくりペースで走り、余裕のあるペースをキープする。休憩は長めにとり、ツーリングを楽しむ、これがポイントでした。
- 最近は北海道にもコンビニが増えたので昼食やおやつ類を簡単に補給できるようになりました。うれしいことです。
- スマホを利用することで携行する地図や資料を減らすことが出来ました。これもまたうれしいことです。