今年は「超高速(超短期間)」で北海道を走ってきました。台風の襲来や家庭の事情で時期がずれ、また、3泊4日という短い期間になりましたが、短期間でも北海道を楽しめるんだという大きな発見がありました。これまでは、最低でも一週間はないと、移動に多くの時間をとられて、十分にツーリングを楽しめないと思い込んでいましたが、それはツーリング期間に占める移動時間の割合が高く、費用も割高になるということであって、北海道の魅力や楽しみが減るということでは無いことに気付きました。これからは、今年の経験をもとに、もっと気軽に、もっと選択肢を広げて、計画できるんじゃないかと思います。 また、例年よりツーリングの時期が遅れたことから、ウェアを一部増やしましたが(薄いダウンベストなど)、それがばっちりあたり、宿で寒い思いをせずにすみました(走行時に寒い時は、雨具などを着て調整しますが、さすがに屋内で雨具を着るのは気がひけるので・・・・)。昨年は、幾つになっても(北海道)ツーリングを楽しむことが出来ることに気付かされ、今年は新たな旅のスタイルに目覚めました。来年は、どんな発見があるのかな?、楽しみです。 今回の旅のポイントは、ですが、さて、どれだけ実現できたでしょうか。
- 今年も「とほ宿」に泊る。でも、何泊できるかな?
- 知床斜里の「天に続く道(斜網広域農道&国道244号線)」を走り、記念撮影する
- オホーツク海を一望できる露天風呂に入りながら海に沈む夕日を眺める
- ウトロ(知床自然センター)で「熊よけ鈴」を買う。旅の良い記念品にもなるでしょう!
- 知床峠を越える/堪能する(峠でいっぱい記念撮影する)
- 国後島(方面)から昇る朝日をみる
- できるだけ多くの灯台を撮影する
今回は出発前にいろいろなことがありました。台風13号が関東を直撃しそうになって、羽田空港での乗り継ぎが懸念されたり、入院中のおばあちゃんの容態が不安定になったので、一時は今年のツーリングを諦めましたが、時期をずらし、期間を短くすることで、どうにか実現することができました。行けるようになった後も、台風16号の進路に一喜一憂したり、飛行機の乗り継ぎに気をもんだりと、走りだす前に疲れてしまいそうでしたが、どうにか定刻より30分遅れくらいで女満別空港に到着することができました。女満別空港へ着いたのが13時半頃で、飛行機は網走市街の上空を通り過ぎ、能取湖上空を旋回し、網走湖上空から女満別空港にランディングしました。きっと、南寄りの風が吹いていたんですね。今年も、装備は自転車(26HEツーリング、愛称・走二郎)とリア両サイドのパニアバッグ(容量は両サイドあわせて25L)、そしてハンドルバッグ(容量9L)です。空港ではいつもカートに積んで移動し、今回は空港に設置された「サイクルステーション」で走行準備/チェックしましたが、問題無く走り出すまではいつも心配です。
走行準備を済ませ、GPSロガーの標高をマニュアルで設定して、走り始めました。空はどんよりと曇っていますが、雨が降らないのを祈りつつ、1年振りの北海道を目いっぱい楽しむつもりです。女満別空港から網走市街までのルートは一昨年逆方向に走っているので、なんとなく記憶にありますが、気温が15℃程度と低いので、時折り、鼻水をすすりながらの走行です(ちなみに、その日の福岡の最高気温は26.7度だったので、温度差は10℃以上です)。
大空町女満別昭和で道々246号線(小清水女満別線)に入りました。地図は、ツーリングマップル北海道をカラーコピーして、ハンドルバッグの上にセットしていますが、日頃見慣れない20万分の1縮尺なので(他の地域は12万分の1縮尺)、距離感がうまく合わず、走行距離や地図上の目印や分岐などを丁寧に確認しつつ進んで行きます。
今日は、道々246号線(小清水女満別線)、道々102号線(網走川湯線)、斜網広域農道などを経て、北浜で国道244号線へ出る予定ですが、道々246号線(小清水女満別線)や斜網広域農道は内陸の高台を抜けて行くだけに、アップダウンが続きます。どんよりと曇った空からは、ときどき小雨がぱらついてきて、ドキッとさせますが、どうにか本降りにならないよう願っています。写真は道々246号線(小清水女満別線)から知床半島を眺めたものですが、遠くに知床連峰がかすかに見えています。道の両側には、テンサイ(さとう大根)やじゃがいも、とうもろこし、大豆など、北海道らしい広々とした畑がなだらかに広がり、収穫まっさかりというところです。また、小麦を収穫したあとの畑では丹頂鶴のつがいが、仲良くこぼれた穀物?をついばんでいました。
アップダウンにも飽きたので、予定通り斜網広域農道を外れて、北浜で国道244号線に出ることにしました。トウフツ湖畔に宿を予約しているので、そのまま斜網広域農道を進むこともできますが、一昨年、斜網広域農道を走った経験から、この先も大きなアップダウンが続くことがわかっているので、これくらいで勘弁してやりましょう!。北浜で国道244号線に出ると一気に交通量が増えました。路側帯は広めですが、車道と段差があったり、路面が荒れていたり、小石やガラス片など車から捨てられたり、弾き飛ばされた危険物?が散らばっているので、できるだけ車道を走りたいところですが、なかなかそうもいきません。路面や車に気を使うし、時々、対向車が追い越しを掛けてくるので、周囲をのんびりと見回している余裕はありません。そのうえ、トウフツ湖畔の直線道路は8km以上続くので、いい加減に飽きてきます。
宿の入口には看板が立っているだろうなと思いつつ走っていたら、通り過ぎてしましました。案内板くらい、立てておけよ(怒!)。16時半頃に宿に到着し、玄関の風除室(サンルームのような小部屋)に自転車を停めてチェックイン。ここはユースホステルですが、一人部屋、そのうえ小さくて低機能とはいえ地デジのTVもありました。ユースホステルやとほ宿を選ぶのは、一人部屋が開いていなくても、相部屋があるので宿が確保しやすいだろうという考えからですが、泊れたうえに一人部屋、TV付きであれば言うことはありません(例え、建物が古かったり、食事が質素であっても・・・)。部屋に入って最初の仕事は洗濯ですが、着替えは一枚ずつしか携行していないので、着用したものは早めに洗濯しておかないと、着替えることが出来なくなります。もちろん洗剤も1回分ずつパックして宿泊日数分携行してきました(市販の洗剤パックは、少ない洗濯ものには多すぎます)。明日の天気予報は「曇りのち晴れ」、真っ直ぐな「天に続く道」を走ります。
トウフツ湖を覆っていた朝霧が消えると、きらきらした湖面が広がっています。今日は良い天気になりそうだ、・・・という夢を見ていたら目が覚めました。実際には朝霧はなく、風もなく、曇っていて、西の空には晴れ間も見える穏やかな朝でした。かなり冷え込んだのでしょう、窓ガラスは結露しています。
斜里町の天気予報をみると、「曇りのち晴れ」で、西の空には晴れ間が見えているので「天に続く道」を走るのが楽しみです。7時半から朝食をとり、荷造りして8時半に出発しました。トウフツ湖をバックに記念撮影し、「天に続く道」の西端を目指して走り始めました。高台の農園地帯まで上り切り、気持ち良く走っていると、お〜、朝っぱらからミスコース!、「斜網広域農道」を走るべきところを「道々246号線」を走っていました。途中でちょっとおかしいなと思いながらも走る続けた、まったくの判断ミスです。
小清水町役場の手前で左折し、「じゃがいも街道」を北上し、「斜網広域農道」に戻りましたが、かなりの遠回りになってしまいました。でも、久々にじゃがいも街道を走れたので良しとするか!・・。時間的には余裕がありますが、「天に続く道」の西端から走り始めると言う目標を逃してしまいました。まあ、その部分は一昨年に走ったルートだし、まあ良いか!、というところで、気を取り直して「天に続く道(斜網広域農道)」を走り始めました。
「天に続く道」は「斜網広域農道」が約10km、国道244号線/国道334号線等が約18km、トータル約28km(国道244号線/国道334号線等の18kmだけをいう場合もあるようです)の直線道路ですが、これだけの直線道路を走るのは、さすがに初めてです。特に「斜網広域農道」部分は交通量も少ないので快適に走ることが出来てお勧めですよ。逆に、国道244号線/国道334号線部分は、交通量も多いので、ゆっくりと直線道路や風景を楽しむという感じではありませんね。
国道244号線に入りました。まだまだ真っ直ぐな道が続きますが、交通量がぐっと増えて、路肩もちょっと荒れています。ちょっと早いですが、斜里市街のコンビニで昼食用のおにぎりとお茶、チョコレートなどを購入しました。最近はコンビニが増えたとはいえ、食料は手に入る所で早めに調達しておくのが北海道ツーリングの鉄則です。ついでにトイレを借りて用を足します。そして、この頃から、時折り、小雨がぱらつくようになってきました。
コンビニを出て10分も経ったでしょうか、次第に雨脚が強くなってきたので、雨宿りできる場所を探していましたが、どうにか西一線のバス停(スクールバス用?)を見つけて緊急避難しました。子供たちが数人入れる程度の小さなもので、入口も狭く、自転車を入れるのも簡単ではありませんが、どうにか自転車とともに避難し、荷物にはレインカバーを掛けて雨装備にしました。最近、雨になったら、バス停ばかりに逃げ込んでいるようですね・・・、天気が悪い日は、常に、バス停をチェックしている気がします。
10数分して雨も止んだので出発しましたが、路面には水溜りが出来ています。奥藻別川では今年初めての鮭の遡上を見て興奮したり、写真撮影しているうちに、ふたたび雨が強くなり、今度は朱円郵便局前のバス停で2度目の雨宿りすることになりました。ここで、レインウェア上下を着込んで、昼食をとることにしました。今回も雨の洗礼を受けましたが、レインウェアを着込めば恐いもの無しです。腹ごしらえが終わったら、「天に続く道」の終点(始点?)を目指して出発です。
国道334号線を外れて海別(ウナベツ)山麓方面へ直進し、「天に続く道」の終点(始点?)や「天に続く道展望台」を目指す乗用車やバス、そしてバイクは少なくはありません。そして、「天に続く道展望台」付近でカメラを構え、「天に続く道」の撮影会が始まっていますが、その道を自転車でとぼとぼと上って行くのは、楽しいものではありません。写真撮影の邪魔にならないようにと、道の端っこで必死にペダルをこぎ、どうにか展望台に辿りつきましたが、そこはバスツアーのお客さんでいっぱいでした。
展望台はそこそこに、更に終点(始点?)を目指し上り続けますが、ほとんどの人は展望台で写真を撮って終りのようで、ここまで上ってくる人はいません。乗用車やバイクも終点(始点?)で停まることなく曲がって行きますが、雨を嫌って車内から出なかったのかもしれませんね。私は、ゆっくりと、何枚も記念撮影しましたが、ずっと先は霞んでいて、写真には写りませんでした。
次第に雨が強くなってきたので、写真撮影を終え、ウトロへ向けて出発します。ここれから「オシンコシンの滝」までは、ラリーでいうリエゾン(区間)みたいなもので、淡々と走ります。そういえば、途中で「知床エゾシカファーム」なるものを見つけました。檻のなかで多くのエゾ鹿が飼育されていて、ここは増殖したエゾ鹿を捕獲して、食肉として加工するようですが、鹿肉はもみじ(肉)と言って、高タンパクで低脂肪、ヘルシーな食品らしいですよ。
遠音別(おんねべつ)さけ・ますふ化場を過ぎ、オシンコシンの滝(駐車場)に着くころは、すっかり雨も上がって、青空も見えるようになりました。
オシンコシンの滝の駐車場には、たくさんのバスや乗用車が停まっていて、多くの観光客がぞろぞろと列を作って滝へ向かっています(以前来た時には、こんなに人は居なかった気がしますが…)。駐車場の隅で雨具を脱ぎ、前後のバッグのレインカバーも外して、走りながら装備を乾かすことにします。また、この先から、この旅初めてのトンネルが続くので、ライト類のセット&チェックも忘れずに実施しました。
ウトロ市街に着いたのが15時頃、宿にチェックインするにはまだ早いので、前々から気になっていた「オロンコ岩」に立ち寄ることにしました。もともと、高いところは好きじゃないので、長い急な階段の途中で少々ビビりましたが、オロンコ岩のトップ(頂上)からはウトロ市街全体が見渡せて、なかなか爽快でした。行ってみる価値はありますよ。階段を慎重に下った後は、宿にチェックインして、オホーツク海に沈む夕日を見ながら、露天風呂に入ります。明日はこの旅のハイライト、知床峠越えです。熊よけ鈴も買って万全?の準備で臨むつもりです。
ウトロ側から知床峠越えを目指すと、最初にプユニ岬(標高ほぼ100m)までの急坂?が待ち構えています。ウトロ市街から見上げると、幌別橋を渡って右手の山陰に消えた乗用車やバイクが、しばらくしてプユニ岬近くのカーブに姿を現しますが、2km弱の間に標高差約100mを上る、ウトロ側の上りでは最も勾配がキツイ区間です(といっても、2kmで100mですから、勾配は5%です・・・)。プユニ岬を過ぎると、知床峠まで、ゆる〜やかな坂が続きます。この日、最初に目指したのは、知床自然センンターで、ここは知床観光の拠点となる場所です。ここで「熊よけ鈴」を購入するとともに、最新の熊出没情報を入手して、宇登呂灯台を訪ねるつもりですが、その前に、最初のサプライズがありました。知床自然センンター手前の路肩で、、立派な角を持った雄のえぞ鹿が、堂々と草を食んでいて、観光客が車を停めて写真撮影しても、逃げようとしません。当然、私も自転車を停めて写真を撮りましたが、えぞ鹿は車よりも自転車のほうが気になるらしく、しきりに頭を上げて様子を窺っていたのが印象的でした。路肩にはヒグマ生息地の看板も立っていて、いよいよ緊張感も高まってきます。
知床自然センンターで熊よけ鈴(お土産を兼ねる)を買いつつ、熊の出没情報を尋ねましたが、ここ知床では、差が有るものの、どこでも遭遇する可能性があるので、注意が必要とのこと(出会えたらラッキーとも言っていましたが、さすがにそういう気分にはなれそうにありません)。秋はひ熊にとっても、遡上する鮭を狙って河口に出没したり、木の実などを食べるために実のなる場所に出没する等、非常に多忙な時期でもあるようで・・・。結局、森にも海岸にも出没するようですよ。
知床自然センターに自転車を停めて、徒歩で灯台を目指しましたが、写真撮影を含めると往復で40分くらい掛かりました(チカポイ岬に設置されたフレペの滝の展望台と同じくらいの距離です。但し、灯台関係者以外は進入禁止ですよ)。熊よけ鈴をカランコランと鳴らしながら歩きましたが、途中では、小鹿が草を食んでいるのも見かけました。ここでは、野生動物と出逢うことは、特別なことでは無いんですね。
灯台探訪/写真撮影が終わったら、いよいよ知床峠への上り開始です。熊よけ鈴はハンドルバッグに取り付けて、時々、指先で鳴らしながら走りますが、距離にして10km強、標高差で600m弱の上りです(ゆるやかな勾配がず〜っと続き、風景も変わらないので、退屈といえば退屈ですが、今回はひ熊という緊張感があったので、眠くなるようなことはありません)。上り始めると、また、路肩で雄のえぞ鹿が草を食んでいます。多分、さっき見掛けたえぞ鹿が移動して来たのでしょう。近寄っていくと、じ〜っとこちらを見ていて、逃げそうな素振りもありましたが、えぞ鹿さんも人間を警戒しているようです。
国道334号線の路肩には、標高を示すプレートが路線番号標識の下に取り付けられていました(多分、2km毎に設置)が、こういうプレートがあると、励みになって良いですね。道路脇には白樺の森が続いていて、時折り、蝉が鳴いていました。九州では、もうツクツクホウシが鳴く頃なのに、まだ頑張って鳴いているのは、エゾハルセミでしょうか?。
標高が高くなるにつれて樹高が低くなり、ウトロ(オホーツク海)側の展望が開けて、風が吹き抜けるようになりました。こうなれば峠はもうすぐです。 11時過ぎに、知床峠に到着。すぐに「知床峠」石碑(以前は木製の看板でしたね)の前で羅臼岳をバックに記念撮影しましたが、観光バスが到着して、観光客でいっぱいになったので、慌てて場所を明け渡しました。
羅臼(大平洋)側を見ると、いつもになく国後島がクリアに見えているし、海面も鏡のように穏やかです。トイレを済ませて、羅臼側に下ろうとすると、道路はまだ上っています。と言っても大したことは無く、すぐに上り切りましたが、知床峠パーキングより少し羅臼側にピークがあるんですね。羅臼側はウトロ側のRの大きなカーブと違って、九十九折りのカーブが続きます。上りはキツイが下りは恐いので、慎重に下っていると、突然、道端にキタキツネ(多分、まだ若い)を見つけました。慌てて急停止してカメラを取り出していると、用心しながらも少しずつ近寄ってきます。多分、餌を貰おうと思って近寄ってきたのでしょうが、何も貰えそうに無いと分かると、道路脇のくさむらの中に消えていました。ちょっとびっくりしましたが、写真撮影もできてラッキーでした。
下りは危険だけど退屈です。速度が出ているので、気が抜けず、周りを見回すことも出来ません。ブレーキを握り続ける手は痛くなってくるので、下り坂が早く終わらないかと思うだけです。
延々と続く下りに飽きた頃、「熊の湯」の前に着きました。知床ではかなり有名な秘蕩(秘境温泉)ですが、入浴する予定も時間も無いので、写真撮影しただけで通り過ぎました。いつかは、ゆっくりと入ってみたい温泉です。 国道334号線沿いには、いくつもの温泉がありますが、温泉民宿街(湯の沢町)は、ツーリングパートナーの馬場ちゃんと一泊したことがある懐かしい場所です。安宿で、温泉も古ぼけていた記憶がありますが、今どうなっているでしょうか。
羅臼市街を左折し、道々87号線(知床公園羅臼線)経由で、羅臼灯台が併設する「クジラの見える丘公園」を目指しましたが、ざいもく岩トンネルの先で分岐し、灯台まで続く道は、勾配が15度を超える急坂で、潔く諦めて押すことにしました。紅白のコントラストが青空に映える羅臼灯台を撮影したあと、公園の展望台に腰を下ろして休憩中のおじ(い)さんに声をかけました。おじさんが腰に熊よけ鈴を下げているので、この付近でもひぐまが出るんですかと聞いたところ、知床ではひぐまは珍しいものでは無いので、常に注意は必要だが、ひぐまも人間を警戒しているので、めったに出会うことは無いとのこと。出没する時間帯は早朝や夕方が多いが、人を見たらひぐまは逃げていくそうだ。ただ、小熊を連れた母熊は小熊を守ろうと立ち向かってくることがあるので、特に注意が必要とのこと。だから、1時間の散歩の間も、熊よけ鈴を着けているとのことでした。牛ちゃんも知床を離れるまでは、熊よけ鈴を着けていきましょうね!!。
おじ(い)さんと話し込んでいるうちに、お昼時が過ぎてしまったので、羅臼に戻って昼食をとることにしました。お目当ては、道の駅「知床・らうす」の2階にある知床食堂の「黒ハモ丼」です。この夏、資源不足になったウナギの替わりに、ウナギ味なる「なまず」が初出荷されたと話題になっていましたが、この黒ハモ丼も代替候補のひとつだという話を聞いて、ぜひ食したいと考えていました。注文して出て来たのがこれ!。ややタレが薄くて(少なくて?)黒ハモの地肌や包丁の跡が透けています。味付けは好みだとは思いますが、色と同じように、ちょっと薄すぎるかな。でも、味は好みなので良しとしても、皮が硬くて噛み切り難く、小骨が多くて食べにくい、ちょっと癖のあるものでした。裏を返せば、もっともっと改善する余地があるということですね。次に期待しましょう!。
14時近くになって、ようやく出発。今日(今回)のハイライト・知床峠は越えたし、宿までは残すところ30kmたらず。ゆっくりと北海道の道、風景を味わい尽します。名前のわりには意外と知られていない羅臼峠、4連続のスノーシェルター(羅臼峠、海望、幌萌、茶標津)、途中の峯浜漁港で小休止しても、16時前にはとほ宿・モシリバに着きました。
昨日の夕食で同席した旅人は、「伊能忠敬」にあこがれ、北海道を徒歩で一周中の男性でした。今回も、中標津空港に降り立ち、海岸線沿いに網走(女満別空港)を目指しているそうですが、それなりの年齢(高齢)で、徒歩はきついよね!、いくら「伊能忠敬」にあこがれているとは言え!!。私も、隠居後に天文学を修め、日本全国を歩いて伊能全図を作った、そのバイタリティはすごいと思っているので、けっこう話しが合ったんですよ。洗濯/入浴を終え、食事/飲酒終わったら、それこそ、何をすることも無いので、明日の朝日を楽しみに寝るだけです。5時前には目が覚めて、ウトウトしながら夜明けを待っていましたが、突然、窓からパーっと日が入ってきました。慌てて着替え、国道を横断して撮った写真がこれです。朝日は水平線から、ちょっと離れてしまいましたが、この朝日を見るのも今回の目的のひとつなので、どうにか実現できてラッキーでした(でも、宿の東側には国後島があるわけで、水平線から昇る朝日はありませんよね、後で気付きました)。今日は、標津市街まで海岸沿いに走り、標津から中標津市街を経由して中標津空港を目指します。中標津空港の標高が65mなので、時折り、ゆるやかな上りがあるはずですが、以前、中標津に泊まって逆ルートで羅臼まで走ったことがあります。思い出のルートを走るという感じですね、覚えていないかもしれませんが・・・。
途中、薫別灯台に寄って写真撮影するはずが、長い下り坂を気持ちよく下っているうちに、薫別市街を通り過ぎてしまい、振り返れば丘の上に灯台が見えます。あちゃ〜!。下ったばかりの坂を1km以上逆戻りして、仕切り直し。どうにか灯台を撮影して国道335号線に戻りました。伊茶仁(いちゃに)で国道335号線が終り、(再び)国道244号線になりました。標津市街を過ぎて右折すると国道272号線です。国道272号線に入ると、道は時折、緩やかな上り坂になって、少しずつ標高が上がっていきます。このルートは、以前、逆方向に走ったことがあって、ゆるやかな下りを心地良く飛ばした記憶があるので、余裕を持ってスケジューリングしていましたが、意外に楽に走り切ることができたので、中標津市街で、思い出の場所(中標津バスターミナル、標津川緑地)を訪ねてみました。
中標津で思い出にひたりすぎていたら、時間が押してきたので、ちょっと慌て気味に中標津空港を目指しました。その間も、記憶にある橋や、交差点等、いろいろと見つけては記憶と突き合わせながら、楽しんだものです。それでも、12時少し前には中標津空港に到着しました。今回も無事に旅を終えることが出来ました、ありがとう!。中標津空港には「サイクルステーション」は無かったので、空港の端っこで輪行準備。準備が終わったら、トイレで着替えましたが、この後は一般旅行者と一緒なので、汗臭いときらわれるからね。
旅のポイントの、以上のように、ほぼ実現できて、満足できる旅でした。
- 今年も「とほ宿」に泊る ⇒ 1泊することができました。泊まった証のスタンプを集めるのも楽しいです。
- 知床斜里の「天に続く道(斜網広域農道&国道244号線)」を走り、記念撮影する ⇒ ばっちりと撮影してきましたが、天気が悪かったので写りはいまいちです。
- オホーツク海を一望できる露天風呂に入りながら海に沈む夕日を眺める ⇒ ばっちりと入浴しオホーツク海に沈む夕日を眺めてきました。
- ウトロ(知床自然センター)で「熊よけ鈴」を買う。旅の良い記念品にもなるでしょう! ⇒ 買ってきました。知床ではずっと鳴らしましたが、良いお土産になりました。
- 知床峠を越える/堪能する(峠でいっぱい記念撮影する) ⇒ いっぱい撮りましたが、観光客に圧倒されて、ゆっくり出来ないのは仕方ないですね。
- 国後島(方面)から昇る朝日をみる ⇒ ちょっと遅れましたがばっちり見れました。
- できるだけ多くの灯台を撮影する ⇒ 可能な範囲で撮影してきました。