東北2008
走行ルート(東北地方)
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2008/09/20(土) 9日目:譜代〜小本〜田老〜宮古〜白浜。走行距離は87.8km。天候は曇りのち雨。
5時半頃に目が覚めニュース/天気予報をチェックする。台風13号の進路が気になるが、本州への上陸はなさそうだ。でも、進路によっては大雨になり、ツーリングどころではなくなってしまう。窓の外の天候は曇り、風もないようだ。
昨夜は昼間に走っていないせいか、眠りが浅くていろいろな夢をみた。高所恐怖症のわりには崖をよじのぼったり、高い所を歩く夢をみたりする。そんなところは行かなければ良いと思うが、やっぱり行ってしまう。夢の中でも困った性格だ。
携帯でチェックした天気予報によれば、宮古地方は「曇り時々晴れ、降水確率10%、最高気温は23℃」。天気予報通りであれば、天気もさほど気にせずにゆっくりと走ることができそうだ。
7時35分に出発。道路にでるまでまず上り。1日休養したので脚も疲労も完全に回復・・なんてことは無かった。道路は長い大きなアップダウンが続く。海には定置網、車はほとんどいない。海岸線の名勝地には目もくれず(海岸線まで下ったら、戻りが大変!)先を急ぐ。
急勾配をくだって机浜。海岸沿いにトンネルが続き、小さな漁港、砂浜を繋いでいる。
8時09分、弁天トンネルを抜けてすぐに左折し、弁天埼灯台の入口の「山海ろばたハウス」の前に自転車を停めて遊歩道に入る、ここまで8.8km。
灯台までの上り坂が急で脚があがらない、三陸は遊歩道もきついのか。到着した弁天埼灯台は、紅白に塗り分けられていて、まるでスリムなマジンガーZみたいだ。灯台は頭と顔の部分、ね〜、そっくりでしょう。8時37分に出発。空は曇っていて暗い。
平井賀で三陸鉄道北リアス線と交差する。普代以来だが、道路と鉄道が平行して走っていると、気持ち的にはすごく安心できる。いつでも休憩、雨宿りできるし(トイレも)、場合によったら鉄道で輪行もできる(野宿もね)。
9時07分、島越(しまのこし)で「前方、道路工事中につき迂回」の看板の指示に従って山側の道路へ入る。少し前から道路脇に、「道路工事中につき通行止め」の看板が出ていて気になっていたが、これだったんだ。少々の工事だったら自転車で通れないことはないが、行き止まりになって引き返してくるのも嫌なので、看板にしたがって迂回ルートに入る。
道は川(松前川)に沿って少しずつ上っていく。車も走って来ないのですごく静かだが、山間の道は次第に暗くなっていく。
前方上方に国道45号線の橋(思惟大橋)を見上げて更に進む。あの道に合流するためにはかなり高度差がありそうだ。
道路を折り返して国道45号線に合流する少し前から小雨が降り始める。とうとう来たようだ。長く降り続かなければ良いのだが・・。
9時48分、国道45号線に合流する。ここまで23.9km。雨はすでに降り止んでいる。県道44号線との合流点を過ぎて(田野畑村大芦)、再び雨が降り始める。降りが激しいので近くの空き家の軒先で雨宿りするが、雨は止みそうにない。雨具を着用し、バッグにもレインカバーを着けて、雨の中を走り始める。気温は15℃で少し寒いくらいだ。小本で雨は小降りになるが、天気予報と違うじゃないか、も〜!。
下りになると道路の横には緊急避難所が何箇所も作られている。下りでブレーキが効かなくなったり、雪で止まれなくなった時、緊急に乗り上げるためのものだろう。緊急避難所を九州で見かけることはほとんど無いが、場所が変われば道路の付帯設備も変わるものだ。
11時08分、小本の熊之鼻展望台に到着(小本トンネルの手前で旧道に入った)。ここまで37.4km。小本灯台は展望台のすぐ下にあるようだ。熊之鼻展望台はトイレやベンチもきちんと整備されている。雨もあがったので雨具を脱いで坂を下り、灯台を撮影する。灯台撮影のあと、トイレで洗面し雨に降られた汚れを落とす。風が強くて寒い。
ここで明日の宿を確保するため、「とどケ崎」に近い「姉吉地区」や「石浜地区」の民宿/船宿に電話するが、この季節は営業していないことが判明。う〜っ、こうなると計画していたルートの一部を変更せざるを得ないかもしれない。とりあえず、とどケ埼(灯台)に一番近い宮古白浜の宿へ電話する。ほかに客がいないようで一旦は断られるが、必死の泣き落としで宿泊OKとなる、助かった。熊之鼻展望台を出発して間もなく雨が降り始め、そのままず〜っと降り続く。
走りながら、ず〜っと「とどケ埼灯台」へのアタック方法について考えている。最初の計画では、閉伊埼灯台へも行きたかったが、宮古白浜を出発して、閉伊埼灯台と「とどケ埼灯台」を訪ね、国道45号線に出るのはちょっときつ過ぎるかも・・・、本州最東端のとどケ崎は絶対外せないし・・、となると閉伊崎を諦めるか、宮古白浜にもう1泊するか/できるか、体が壊れては元も子もないし、等など。
12時35分、道の駅たろうに到着。まだ雨が降り続いている。ここまで50.6km。ここで昼食を摂る。「ねぎみそラーメンとミニカレーセット」、980円也。
雨が降り続く中、出発してすぐに左折し真崎へ向う田舎道に入る。急な登りの後にど〜んと下り、真崎漁港の先に自転車を停めて(道が急坂なので自転車では上れない)、徒歩で真埼灯台を目指す。急な砂利道に足が滑る。灯台に着くとず〜っと下に真崎漁港が見えるが、海岸線はず〜っと岩壁が続き、所々に狭い砂浜が見える。道端に可憐な白菊が咲いていた。真埼灯台から国道45号線へ戻る道は所々かなりの急坂で、耐え切れず今回初めての押しになった(2区間)。それほどの急坂ではないとも思うのだが、脚が動かない。連日の疲れと着用した雨具が脚にまとわりつくせいか?。
14時35分、国道45号線に合流、ここまで60km。雨は小降りになったり、激しく降ったりを繰り返す。半ば、諦めムード。水溜まりに脚(タイヤ)をとられてスリップしないよう、十分に注意して走る。地図にもハンドルバッグにもレインカバーが掛っているので、十分なルートチェックができず、宮古、磯鶏(そけい)津軽石、海幸園をキーワードにして走り続ける。それでも宮古、釜石、仙台までの距離が少しずつ短くなっていく。
路側帯が水溜まりで走りづらいので、歩道を走る時間が長くなる。宮古市街に入ると雨は小降りになり、少しずつペースもあがってくる。
16時30分、白浜の海幸園に到着。ここまで87.8km。チェックイン前に自転車を清掃する。雨の日に走った自転車はブレーキシューの屑(粉)でタイヤが真っ黒に汚れていて、放っておくと固まって汚れがとれなくなってしまうし、すぐに錆びてくる。自転車の汚れを簡単に落したあとでチェックイン。今日は、ほとんど雨中走行だった。雨天走行した後は自転車/装備の手入れが大変だ。濡れたものは乾かさないといけないし、汚れものも多い。シャワーを浴びたあとは、洗濯機を借りて汚れもの一掃の大洗濯。気軽に洗濯機を貸してくれる宿は、本当にありがたい。
連泊はできなかったので、夕食を終えて電話帳を借り、明日の宿探し。山田町に民宿を見つけて電話すると、あっさりと宿泊OK。この2日ほど、宿探しで苦労していただけにほっとする。これで安心して本州最東端の「とどケ崎」にアタックできる(閉伊崎は諦め)。本州最東端の「とどケ崎」は今回の旅の目玉の一つなので、気合入れて行くぞ。朝早く出発するので、朝食はおにぎり弁当にしてもらうようお願いする。ちょっと早いが9時に就寝。
2008/09/21(日) 10日目:白浜〜とどケ崎〜陸中山田。走行距離は46.9km、天候は曇り時々雨。
昨夜は本当に静かな夜で、聞こえるのは虫の音くらい。ゆっくりと休養できた。でも、昨夜早く寝過ぎて何度も夜中に目が覚めた。5時半過ぎに起き出して荷造りを開始。昨日の雨で濡れたものを、あちらこちらに干しているので、荷造りに時間が掛る。天気予報では「曇り、午後から所によりにわか雨」となっているが、走るルートがその「所」になって欲しくないものだ。洗濯物、装備はほぼ乾いているが、靴はそう簡単には乾かないので、濡れていても諦めて走るしかないだろう。
7時、宿の写真を撮って出発。すぐにゆるやかな上り坂が始まる。小さなリスが目の前を横切って森に消えていった。すぐにギアはインナーハイになり、汗が背中を流れ出す。普段はなんともない坂だが、いまはタイヤが路面に粘りつくように重く感じる。
7時24分、県営バス・月山登山口(白浜峠・標高205m)に到着、ここまで2.8km。とりあえずここが最初のピーク。まだ30分も走っていないが、すごく長く感じる時間だった。
左へ進めば閉伊崎へ続くが、諦めて右側の重茂(おもえ)方面へとペダルを踏み込む。道は下り始める。
すぐに県道41号線(重茂半島線)に入る(写真正面の道路)。左折して重茂方面を目指す。
重茂(おもえ)の笹見内集落。左折すると音部里へ下っていく。正面左側が重茂中学校で、ここから道幅が狭くなる。ここから「里」まで集落のなかを一気に下っていく。勿体無いくらい一気に・・・。
下りきって里の集落(重茂漁港)に着けば(7時51分、7.7km)、当然また上りが始まる。ゆったりとした上り、自然の川、森の中の道は涼しさを通り越して、冷ややかだ。
秋は紅葉がきれいだろう、自然な川のせせらぎとの組み合わは最高だろうね。
少しずつ目標に近づいているって、うれしいことだ。
8時18分、ピーク。11.7km。標高は154m?。ここから下り。
8時24分、姉吉への分岐(姉吉バス停)。ここまで12.8km。
ここを左折しちょっと上って、後は姉吉の海岸(漁港)まで、ず〜っと(約1.5km)下り。途中に姉吉の集落。姉吉唯一の民宿も右側に見える。時折、亀の子舗装。
8時32分、姉吉の海岸(漁港)に到着、ここまで14.6km。
正面の倉庫横(向って左側)の道が自然歩道の入口で、ここから「とどケ崎」まで3.8km。普通に歩いて大人の脚で1時間弱というところだ。牛ちゃんは、これまでと同じように愛車も一緒に連れて行く。なんと言っても「本州最東端」だ。
上り始めはセメント舗装の急坂でBPの付いた靴がすべる。急いで、この(自然歩道)ため(だけ)に携行してきたジョギングシューズに履き替える。やっぱり、すごく歩きやすい。でも、この道の8割くらいを自転車に乗って走ったというChan××さんは、すごいというか何と言うか・・・。狭くて、急で、すぐ横は深い崖、自転車に乗って走るなんて、危険で、とんでもない。
道は次第に広く、緩やかになり、自転車に乗ることも可能になった。
このルートは、姉吉海岸側の数100mは急坂、狭い、横は深い崖で、自転車の乗るなんてとんでもない。場所によっては岩がごろごろしていて、人一人歩くのがせいぜいだ。でも、1/3も進むと、道は広く、緩やかでになってきて、人二人が並んで歩くことも可能だ。景色を楽しみながら雑談もできるようになる。
9時14分、とどケ埼灯台に到着。ここまで18km。ここは屋根付きの展望所やトイレも整備されていて、目の前にひろがる大海原の風景は最高だろう(晴れていたら・・・)。なぜか灯台の敷地のまんなかにミニバイクが1台停まっていて、写真撮影に非常に邪魔になるが、近くには誰もいない。自然歩道に着いていたタイヤの跡は、このバイクだったんだな、とんでもない奴!。
すぐ横の岩場に設置されている「本州最東端碑」も記念撮影。展望所で休憩していた「花巻から来たにいちゃん」と雑談し、明日以降のルート等について情報を得る。途中から小雨が降り始め、話を切り上げて引き返す。でも、とどケ埼灯台まで天気が持って良かった。
10時42分、姉吉キャンプ場で休憩し朝昼兼用の食事を摂る。ここまで21.5km。宿で作ってもらったおにぎりを食べて空腹を満たす。また、この時までとっておいた永子おばあちゃんのりんごを豪快に丸かじり、美味い。横で蝉(ミンミン蝉)が鳴き始めるが、蝉は雨の中では鳴かないので、天気が回復に向う良い兆候かもしれない。でも、九州ではすでに蝉はいなくなって、蜩(ひぐらし)が鳴いているというのに・・・。11時半に出発。
11時45分、姉吉バス停、ここまで23.5km。ここから下り。
11時35分、千鶏(ちけい)、25.4km。ここから上って下って石浜。石浜を過ぎた頃に、とうとう雨が降り始める。途中でしばらく雨宿りし雨具に着替える。雨はなかなか降り止みそうにないので諦めて出発。途中、この旅で3回目の押し。
12時40分、寒風峠(ピーク)、ここまで29.3km、雨は降り続いているので、メモをとるのも大変。しばらく平坦で、後は下り。
12時53分、川代に到着、ここまで32.5km。民宿なんかありそうにも無い。また上り。天ケ森のピークを過ぎ、下っている途中で道路脇に電柱を見つけて一旦引き返す。この電柱が海岸線まで下って、山田笠ケ花灯台まで続いているのは、周囲の状況からみてまず間違いないが、この雨の中、山道を下っていくのは危険だと考え・・・、諦めて先へ進む。これも旅だ。
14時半、ちょっと早めだが、陸中山田の民宿にチェックインする。本日の走行距離は46.9km。この町には旅館や民宿も多いようなので、白浜とともにとどケ崎へのアプローチには良いベースとなりそうだ。でも、今日も自転車掃除、洗濯が大変だ。自転車は掃除した後に、玄関内に入れてもらう。明日の天気予報は「曇りのち雨」、3日続きの雨は嫌だな〜。
2008/09/22(月) 11日目:陸中山田〜船越〜大槌〜御箱崎〜釜石。走行距離は68.9km、天候は曇りのち晴れ。
三陸海岸では道端にも津波危険地区が表示されている。昭和33年?頃に大きな津波があったそうで、その時の経験から作られているようだ。また、漁港/漁村には必ず高い堤防が作られていて、津波に対する予防/警戒が徹底しているように感じた。旅館前にも高い堤防(防波堤)が築かれていて、かなり大きな津波にも耐えられそうだ。
朝の天気予報では「曇り、最高気温は25℃」、予報から雨という文字が消えて、幾分か気が軽くなり元気が出る。7時に朝食を摂り、8時に出発。
山田湾沿いに国道45号線、県道?号線を走り、大浦の大浦崎から盥島灯標を望遠で撮影する。遠くには昨日撮影できなかった山田笠ケ花灯台も遠望できるが、このカメラでは撮影はちょっと無理だろう。とりあえず撮影しておいたが、やっぱりぼやけてしまっていた。浦の浜まで引き返して南下し、船越港の横を通って海岸沿いに弁天島を目指す。
岬の先端に位置する荒神社の参道/鳥居です。右側に見える島が弁天島だが、荒神社横の岬に登っても、海岸線の砂浜に出ても、どうしても弁天島灯台を見ることはできなかった。
砂浜には昆布がいくつも打ち上げられていたが、近くに建てられた看板では、昆布やワカメを持って行ってはいけないそうなので、写真撮影するだけにとどめる。
弁天島灯台の写真撮影を諦めて引き返し国道45号線に戻る。国道45号線に合流する直前の急坂が辛い。
船越湾沿いの国道45号線は「四十八坂海岸」と呼ばれているらしいので、ちょっと心配していたが、アップダウンはあるものの、言葉ほどの急坂ではないので一安心。途中から弁天島灯台が見えてきたので、パーキング(四十八坂展望台)に入り望遠で写真撮影する。灯台が建っている位置は2万5千分1地勢図とはちょっと建っているようだ。いずれにしても写真を撮ることができて良かった。
浪坂海岸を過ぎて、国道45号線を離れ、吉里吉里中学校の横を抜けて、峠越えで大槌港に面した赤坂地区へ出る。蓬莱(珊瑚)島に建つ灯台を撮影するためだ。
11時10分、赤坂海岸に到着、ここまで30.4km。空が少し明るくなってきている。
海洋研究所が建つ海岸から蓬莱(珊瑚)島まで、コンクリート製の堤防が続いている。路面が結構荒れているので、足元には注意が必要だ。自転車で走るには危険すぎるので、海岸に自転車を停め、徒歩で灯台へ向う。
赤い大槌灯台は、青い海や白い岩石によく似合う、きれいな灯台だった。
異音がしていたペダルに注油して、11時45分に出発。少し暑くなってくる。この数日は、11時くらいから14時くらいにがっくりとペースが落ち、14時を過ぎるくらいから、またペースが上がってくることの繰り返しだ。今日も脚が重くなってくる。
大槌トンネルを抜け、JR鵜住居(うのすまい)駅を右に見て、根浜、箱崎、箱崎白浜と走る。御箱崎の先端に建つ御箱埼灯台を訪ねるためだ。
箱崎から箱崎白浜まで急坂が続く。特に箱崎白浜側が急坂で、復路の上りが不安になる。押すしかないかもしれないが、それは先のこと、心配してもしょうがない。
12時49分、箱崎白浜に到着、ここまで46.6km。集落の突き当りから市道仮宿線という普通の田舎道へ入るが、上りが急で滑りやすく、ここは押す。しばらく(ほぼ400mくらい)すると舗装は切れるが、比較的に平坦になるので、自転車に乗ることも可能だ。でも、一車線半の砂利道は、降雨時の雨水の流れ道になって侵食されるようで、次第に路面が大きく荒れ始めて、押すことになった。
13時20分、大沢遺跡(左の写真の自然歩道・新奥の細道の入口)に到着、ここまで49.5km。ここから半島の先端にある灯台までは3.9kmと示されている。ここから歩きだ、鳥居の横に自転車をデポし、ジョギングシューズに履き替え、フロントバッグと水筒とカメラ用の一脚を持って出発する。
路面は時折、亀の背中状のセメント舗装になるが、ほとんどは土がむき出しのままで1車線くらいの幅が確保されている。ず〜っと轍が続いているので、灯台のメンテナンス等には車を使うのだろう。オフローダーには良いかもしれないが、自転車ではちょっと走るのは無理だろう。
道の横には、時折、大沢遺跡からの距離と、灯台までの距離が表示されていて、どれくらい歩いてきたか分かるようになっている。道路脇には、杉やヒバの大木が育っていて、観光案内板も立てられているが、雑木が茂っていて景色は見えない。岬の先端近くにはベンチやトイレも整備されていた。
岬の先端には「御箱埼神社(稲荷神社?)」が建てられていて、その奥に大きく茂った羊歯に囲まれた御箱埼灯台が建っていた。苦労して到着した割には普通の灯台で、ちょっとがっかり。まあ、灯台のせいではないんだけど・・・。
多分、岬の先端には漁にでて嵐に遭った舟に港の位置をしらせる火が焚かれていたのだろう。そして、豊漁や漁の無事を祈る神社も。火が焚かれた場所に灯台が建った。そして神社に参拝する人々や灯台メンテナンスのための道路が、自然歩道と名を変えた。そんなとこだろう。
復路、やっぱり箱崎白浜からの復路は押しになり、白浜小学校を過ぎて自転車に乗ることができた。
左の写真は箱崎半島の案内板。
16時30分、釜石ステーションホテルに到着、本日の走行距離は68.8km。夕食は近くのコンビニで調達し部屋で食べる。
明日はいよいよ普通のツーリング、そして560mの峠越えだ。脚が持って(耐えて)くれることを祈ろう。
夜、息子に花巻空港からの航空便予約を依頼し、24日の朝の便を確保する。
明日は、観光する時間もとれそうだ。
2008/09/23(火) 12日目:釜石〜遠野〜花巻。走行距離は98.3km。天候は晴れ一時小雨。
今日は普通のツーリングで、灯台はないけど、標高560mの峠がある。太腿の疲れはピークを越えていて、ちょっと心配だが、まあどうかなるでしょう。最悪、押せば良いし・・・、JR釜石線は横を走っているし・・・。
5時半過ぎに起床。北上地方の天気予報は「曇りのち晴れ、降雨確率は午前、午後ともに30%、最高気温は24℃」、ちょうど良いツーリング日和だ。今日/明日のルートは予定外で、ハンドルバッグ上部に入れていく地図がないのでフロントでカラーコピーする。
6時35分に出発、朝食抜き。晴れていて涼しい。今日短レーパンにTシャツ、そしてウィンドブレーカーといういつものスタイル。
釜石市街は町の中央に製鉄会社、そして街は甲子(かつし)川沿いに、ひょろ長く伸びているようだ。北九州に長く務めた牛ちゃんの目には、釜石製鉄所が小さく映る。
道路(国道283号線)は、路側帯も広く、交通量も比較的に少ないので、走りやすい。何といっても良いのは、アップダウンが少ないこと。確かに道路は仙人峠に向かって、少しずつ上っているが、急な坂がないのだ。多分、こういう勾配のほうが車の燃費も良いのだろう。この道路を設計した人は、先見の明があったのに違いない。
最近、国道283号線に並行して「仙人峠道路」(自動車専用道路)が開通したようだが、今が無料期間のためか自動車がそちらにいってしまい、この道は走っている車がチラホラ。おかげで、とても走りやすい。
洞泉地区までくると、正面の山々が気になってくる。といいながらも勾配はゆるやか。国道283号線を横切るのは、JR釜石線の線路と仙人峠道路。正面に見える峠は標高646mの箱根峠で、仙人峠は山影に隠れて見えない。
大橋地区を過ぎると、さすがに勾配がきつくなってくる。といっても急坂にはほど遠く、道路設計者の素晴らしさが伝わってくるようだ。JR釜石線は大橋で折り返してトンネルで仙人峠を抜ける。
トンネルを抜けると、正面に釜石鉱山が聳えている。道路は左へ迂回しながら、川沿いに登って行く。ここからがこのルートで最も辛く感じた部分で、なかなか前に進まない。時折、追い風が強くなって、背中を押してくれる。風に感謝する。
正面に仙人大橋が見えてきて、少し元気が出てきた。この旅のフィナーレをかざるにふさわしい舞台だ。
ぐる〜っと左に回って仙人大橋を渡る。
まもなく仙人トンネルの入口が見えてくる。
上っている間に、少しずつ雲行きが怪しくなっている。長〜い仙人トンネルを抜けたら、そこは雨だったなんてことはないだろうな・・・。
8時36分、仙人トンネル入口、ここまで20.6km。
下りに備えてウィンドブレーカーとフィットネスパンツを穿く。リアフラッシュライトとフロントライトを点灯し、慎重にトンネルを抜ける。
トンネルを抜けると遠野市、雨は降っていなかったので一安心。
ず〜っと緩やかな下りが続く。国道283号線はブレーキも不要なくらい下りも緩やかで、時折あくびが出る。緊張感が切れたのかな?、坂は下りのほうが危ないというのに・・・。
勾配はゆるやかで、路側帯は広く、おまけに交通量は少ない。理想的なツーリング道路、記憶に残る道になりそうだ。
遠野はジンギスカンが名物らしいので、昼はそれを食べるかな・・、なんてことを考えながらゆっくりと下って行く。
9時57分、JR遠野駅に到着、ここまで43.1km。
公衆電話の電話帳で花巻の宿を探す。花巻の地理に不案内なので、わかりやすい「ビジネスホテル空港」という宿に電話し、予約OK。花巻空港まで車で3分だそうだから、自転車でも10分といったとこだろう。一安心。あとは走りながら食事できる場所を探そう。道沿いに観光地があれば、見物でもしよう。
遠野市街をのんびりと走る。観光客も多いようだ。
昼食にはまだ時間が早いので、なかなか食事できそうな店が見つからず、道の駅・遠野風の丘まで来てしまう。10時40分、ここまで46.6km。
道の駅では、田舎の物産を集めた××祭りの最中で、食べ物の店も開いている。レストランが開店する11時まで、いろいろと見物するが、家族連れの客も結構来多い。開店したレストランで「そば御膳」を摂るがちょっと期待外れ、違うメニューが良かったのかもしれない・・・。レストランを出た後、出店で「ずんだ餅」を食べる。体が甘いものを欲しているようだ。
11分40分に出発。脚が重いが、今は午前中の貯金で走っているようなもんだ。
柏木平はぐる〜っと回って、ちょっと上り。登りきってJR釜石線の線路をくぐり、また上り。脚がせつなくて力が入らない。一番辛い時間帯だ。これを過ぎると、また軽くなる。
12時52分、道の駅・みやもりで小休止。道の駅・みやもりのすぐ横にあるJR釜石線の眼鏡橋(左の写真)は、宮沢賢治の「銀河鉄道」のモチーフになった橋だそうだ。へ〜っ、感じる人は感じるんだな〜っと感心して写真を撮る。13時13分に出発、まだ脚が重い。
次第に脚が軽くなってくる。昼間帯を過ぎると回復してくるのは今回の特徴だ。多分、歳をとったからだろう、理由、理屈はないが・・・。
13時30分、花巻市に入る。ここまで71.6km。
14時10分、国道4号線に入る、ここまで87.3km。ここで小雨が降り始める。もう少しだというのに・・・。
14時30分、小雨の中を「イギリス海岸」に到着、ここまで90.9km。ささやかに宮沢賢治を偲ぶ。
花巻空港の横を走っていると、「空の日」のイベントで空中アクロバットショーをやっていた。しばし自転車を停めてショーを眺め続ける。幾つになっても胸がわくわくするものだ、やっぱりプロペラ機は良い。三沢や尻屋崎で見たスクランブル発進のジェット戦闘機も良いが、こういうプロペラ機のほうが和むと思うのは私だけだろうか。
15時20分、宿にチェックイン、花巻空港の誘導灯がホテルのすぐ近くまで来ている。本日の走行距離は98.3km。1泊2食バストイレ付きで6,000円。これは安い。食事はバイキング方式だが、そのほうが気楽で良い。
2008/09/24(水) 13日目:花巻空港〜関西空港〜福岡空港(輪行)。走行距離は2.6km、天候は晴れ。
花巻空港に到着。
花巻空港では、自転車を手荷物として預ける(輪行する)時に、パンク修理用の「ゴムのり」が没収された。危険な成分が入っているかもしれからだそうだが、ローカルの飛行場ではこういうことが多い。大きな(メインの)空港では問題にならない(チェックできない?)ものまでチェックされて取り上げられる。どの空港も同じレベルでチャックするのなら良いが、統一されていないために、トラブルになる。現に、私の前の人も、機内持ち込み手荷物をチェックされた時、いつもは問題にならないものがチェックにかかったために口論(はっきり言ってトラブル)となっていた。
繰り返すが、乗客のなかに「ローカル空港のくせに・・・」という気持ちがあるのも事実だが、チェックのレベルが違うので問題になるのだ。それも問題発生時の影響が少ないと思われるローカル空港で・・・。
ついでだが、家に着いた後で自転車のメンテをした時に、サイクルメータのセンサーも付け根から折れていた。仕方ないと思うが、悪いことは重なるものだ。
ともあれ体も壊れず、無事に生還できたことに大感謝!。
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