ツーリング北海道1998U
Touring Date:1998/09/11〜09/19
|はじめに|1日目|2日目|3日目|4日目|5日目|6日目|7日目|8日目|9日目(最終日)|
平成10年9月に下北半島〜道南〜道東、道央を中心に約800Kmを走破したので報告します。
6月には稚内から釧路、帯広へと走り、今回は青森の野辺地から海峡を越えて函館、帯広、富良野と走ることができました。今年2回目の北海道ですが、今回も北海道の広さ、厳しさ、楽しさを満喫したツーリングでした。
でも、年に2回も北海道を走れるなんて、すごく幸せです。
はじめに
日程:'98/9/11(金)〜9/19(金)の8泊9日(1泊は夜行列車の中)
旅人:牛ちゃん(当時47歳)
区間:青森・野辺地〜大間崎←(フェリー)→函館〜長万部〜室蘭〜苫小牧〜静内〜広尾〜帯広空港〜帯広←(輪行)→落合〜富良野〜旭川の約800Km
ルート:主に国道238号線(稚内〜網走)、国道243号線(別海〜厚床)、国道44号線(根室〜釧路)、国道38号線(釧路〜豊頃)、その他に道々をいくつか
装備等:
- 自転車はブリジストン・レイダック RD-6。フィットネスという分野の自転車で14段変速のドロップハンドル、タイヤは700×28Cです。
- ペダルはMTB用のBPでシューズはシマノのSH-M090です。ペダルはBPの方が安全で、力が効率的に伝わると思います。サドルも大きくて厚めのものに交換しています。
- デイバック、ハンドルバッグ、輪行袋、そして小さなバッグ2個をシートピラーに取り付けたリア・キャリアに搭載しました。夜は旅館に泊るので装備は最小限にしていますが、寒さ/雨対策は手を抜きません。
- ウェアは主に上が半袖下着(Tシャツ)と半袖ポロシャツ、下が短レーパンをベースにしています。朝夕及び寒いときは、それにウィンドブレーカーと長ジャージを着用しました。
- 汗止めのバンダナと危険防止用のヘルメット、そして短グロ−ブも必ず着用しました。
- 出発前にタイヤをパセーラ・ツアーガードに交換しましたが、硬い割には乗り心地や踏ん張り感も良くて大満足です。パンクもありませんでした(ロング ツーリングでのパンク無しは初めてでした)。
宿泊等:
- 宿は旅館に3泊、民宿に1泊、ビジネスホテルに1泊、町民休養ホームに2泊(台風で足止め)、夜行列車に1泊です。
- 宿は事前にチェックしておき、前夜に予約したのがほとんどです。
- 台風15号接近に伴う暴風雨により宿に連泊することになりましたが、2日目が予約客で満室のため別な宿の手配や移動方法の検討等、頭を抱えました。連泊する可能性があるときは、その可能性を含めて宿を選ぶべきでした(台風や大雨の中を荷物持ちで移動するのは大変です!)。
感想・反省等:
- 行きは夜行寝台列車、帰りは飛行機で輪行しました。夜行寝台列車での輪行は自転車を置くスペースが少なくて悩みました。
- 台風15号の余波で「平宇〜旭」が交通止めになった時、しばらく待てば解除されるだろうと勝手に自分で判断し、結果的に1日ロスしてしまいました。地元のことは地元の人に聞いて、正確に判断することが大切だと痛感しました。
- ポロシャツは白よりも色付きの方が汚れが目立ちません。白は自動車の排気ガスですぐに黒ずんでしまい、洗ってもなかなか落ちず最初の白には戻りません。
- 日焼け止めクリームは目より上に塗らないようにしましょう。汗に溶けて目に入り痛い目?にあいました。
- 2回目のロングツーリングで精神的には余裕がありました。雨の日は無理をせずに休養日とし、余裕を持ってツーリングを楽しみました。
'98/09/11(金) 1日目(出発日)。夜行の寝台列車で青森の野辺地へ向う
会社の仕事を終了してばたばたと帰宅し最終の準備。夕食を摂る時間もなく、あたふたと出発!。
19:40;自宅を出発し、タクシーでJR新杉田駅へ向う。自転車は輪行袋に入れてタクシーのトランクに積んだが、トランクに積むときに運ちゃんに手荒く扱われたので、壊れていないかと心配だ!。
20:00;JR新杉田駅から京浜東北線に乗車するが、乗客は少ない。
京浜東北線は浜松町〜上野が混雑したので、荷物を持って降りれるか心配したが、上野駅で乗客がどっと降りたため、問題無く降りることができた。輪行するときはいろいろと気を使うことが多い。
21:05;JR上野駅に到着。15番ホームに自転車を置いて駅内のコンビニで夕食等を購入する。列車を待つ間にホームで夕食を摂る。
21:20;寝台列車「あけぼの」がホームイン。
8月に北関東を襲った台風の影響から東北方面のJR線が完全に回復していないため、東北本線経由の夜行寝台列車は運行を中止しており、青森方面への夜行寝台は秋田経由の「あけぼの」のみ。
そのため、野辺地駅への到着が大幅に遅れることになり、走行計画も完全に狂ってしまった。寝台列車で自転車(を入れた輪行袋)を置くスペースを捜すが、手頃な場所が見つからない。やむなく着替(更衣)室へ置いたが、乗客の邪魔にならないか、いたずらをされないか非常に心配だ。
21:41;寝台列車「あけぼの」は定刻に出発。途中で手回り品切符(270円)を購入。
寝台に寝そべりながら明日のルート等をチェック。明日の宿は大間崎の先端、本州最北端の民宿という「海峡荘」を予約している。
23:30;就寝。最初は爆睡していたが、途中から目が覚めて、後はうつらうつら!。
'98/9/12(土) 2日目。野辺地〜大間崎。約108km
07:02;JR秋田駅に到着。天気は晴れ。10時21分にJR青森駅に到着予定というアナウンスがあるが、15分遅れているという話もあり良く分からない!。
JR青森駅で野辺地行きの急行に乗り換えても野辺地への到着は11時頃になり、それから走行準備して110km走るのはつらいな!。
野辺地から先も輪行する手があるが、連絡の良い列車があるかどうか、ああ、悩ましい・・・。
錠ケ関、弘前を通過。
10:21;JR青森駅に到着。重い輪行袋を担ぎ、急いで盛岡行きに乗換える。あ〜乗換え時間が短いので焦る〜!。
10:25;盛岡行き「はつかり12号」に乗車。列車内で車掌さんに野辺地駅から大湊線へ連絡する列車を確認するが、野辺地駅で待ち時間が2時間以上もあるという・・・。こうなったら頑張って走るしかないようだ!。
10:54;JR野辺地駅に到着し早速走行準備。快晴。
11:20;駅前で記念撮影して出発する。服装は短レーパンに半袖ポロシャツ。最初は北西の風でやや向い風だったが、次第に無風となり暑くなってくる。
出発前に急いで(雑に)塗った日焼け止めクリームが汗に溶けて目に入り痛い。左目が特に痛く、時折り片目運転になる。
13:40;大魚むつ総合卸売市場の「下北屋仕出センター」に寄って昼食を摂り、痛い目を水で洗う。ここまで約52km、ペースとしては悪くない。
ほたてラーメン500円。卸売市場を見物し、観光用の「ねぶた」を記念撮影する。
14:30;出発。ほぼ無風。途中で昔懐かしい「アイスキャンディー売り」を追い抜く。今でも売り歩いているんだ。時間があれば食べたいけど、と考えながら先を急ぐ。大畑周辺は坂が多い。
16:30;「桑畑ゆとりの駐車帯」でトイレ&休憩。ここまで約93km。どうにか明るいうちに到着できる目処がたってきた。風が出て寒くなってきたので短レーパンの上に長ジャージを履く。
17:00;出発。残りは15km弱のはずだ。
17:40;少し暗くなりかけて、本州最北端の「大間崎」に到着する。記念撮影。やった〜!!。海辺ではしゃぎ過ぎて靴を波に洗われる。海上がもやっていて北海道は見えない。
岬の近くに今日泊まる予定の民宿「海峡荘」を発見。
17:50;民宿「海峡荘」に到着。本日の走行距離は108km。久々のロングランと睡眠不足でいささか疲れ気味だ。ここの夕食は最高!。殻に盛った「生うに」が出てきたのにはびっくり、すっご〜い!。
九州の佐賀から仕事で長期滞在しているおっさん達と懇談し、九州の話に盛り上る。
今日は温度が高かったせいか、まだ頭(顔)がほてっている。
明日の北海道・渡島地方の天気予報は「曇りのち晴れ」、温度は今日より2℃程下がるようだが、絶好のツーリング日好になりそうだ。明日の行程は110km程度なので、ゆっくりのんびり楽しもう。そして温泉にゆっくりつかろう・・・っと!。
下北半島はまだ本州で、水田もあれば杉林もある。民家が無くなっても一人ぼっちの恐怖に耐えることもない。こういうとこは北海道とちょっと違う。
本州最北端の宿で涼しい風に吹かれ、漁り火(いか漁?)を眺めながら22時頃に寝る。
'98/9/13(日) 3日目。大間崎←(フェリー「ばあゆ」)→函館〜大沼公園〜森〜長万部。約124km
今日はいよいよ北海道へ渡る。
05:30;起床。天気は曇っていてゴメ(海猫)が鳴いている。ゆっくりとストレッチを行う。
05:40;「本日の昆布漁は風が強いため中止します」という大間崎漁協の放送が流れている。げっ、今日は風が強そうだ!。
06:00;出発。短レーパン&半袖ポロシャツ。函館行きフェリーに乗るため大間港へと向う。
06:30;フェリー「ばあゆ」が出発。北西の風が吹いているが、函館方面の空は晴れている。フェリーの中で朝食を摂ろうとしたが、朝食に手ごろなものがなく、結局食べ損なう。
がきがうるさくてゆっくり眠れない。この、くそがきが!、親は何してんだ、この〜っ!。っと口に出さずに悪態をつく。
08:10;函館港に到着。北西の風(完全に向い風です)が強く快晴。今日は暑くなりそうだ。
最初に五稜郭を訪ねる。ここは観光には良いと思うが、平城なので海から大砲で攻撃されればひとたまりも無さそうだ。
五稜郭を後にして国道55号線を北上するが、向い風のためにペースがあがらない。
「赤松並木街道」を走行中、後から来たロードレーサーでツーリング中の「へんなおっさん」に声を掛けられる。その、へんなおっさんに強引に誘われて大沼公園へ向う。
市渡交差点から大沼トンネルまでは約2km超の上り坂が続くが道幅は十分に広い。大沼トンネルは歩道も広くて走りやすかった。トンネルを抜けて右折し大沼公園へと向うが、ロードレーサーに乗るおっさんから、あっという間に引き離される。
上りの時は意地になって引き離したんだけどね。やっぱりロードレーサーは速いや!。
10:20;大沼公園に到着。ここまで約39Km。大塚さんと懇談し記念撮影し連絡番号等を交換する。ここは観光客でいっぱいだ。
10:50;出発。亀田半島をまわる大塚さんとはここでお別れ。
相変わらず向い風でペース上がらず。途中のコンビにでアイス最中、お茶等を購入。朝食抜きのためアイス最中がうまい。正面に駒ケ岳が見えるが、なんで駒ケ岳っていろんなところにあるんだろうか?。ちょっとした疑問。
11:20;道の駅「You・遊・もり」で記念スタンプ押下。ここまで約58km。その後、JR森駅で名物「いかめし」を購入する。意外と小さいが腹持ちは良いそうだ。逆風の中、海沿いの道を走る。
13:00;:JR石谷駅(無人駅)で昼食&休憩。ここまで約67km。
14:00;出発。相変わらず向い風が吹いている。途中の「国縫(くんぬい)神社」で小休止。
17:00;長万部温泉ホテル「もりかわ」到着。本日の走行距離は約124Km。さっそく温泉に入るが、ほてった身体には温泉より冷水の方が心地よい(これじゃ温泉に泊まる意味がないね!)。
温泉にはひと浸かりして、あとは冷水シャワーで身体を冷やす。18時過ぎから夕食。品数は多いが陳腐で見るだけで食欲が減退する。昨夜の食事が良かっただけに見劣りがする。
洗濯機もシーツとかタオル等の洗い物が入れっぱなしで・・・・。ここの旅館はすごく×!。明日の天気予報は「晴れ後曇り」、明後日は「曇りのち一時雨」。
とりあえず明日は走行OKなので、白老の「ホテルサカタイン」を電話で予約する。食事が好評というので楽しみだ。
明日の走行予定距離は約110km。でも「虻田」までの約45kmは坂が多いので、気合を入れて走らなくては!。
今日は途中で何回も「とうきみ(とうもろこし)売り」を見かけた。腹が減ってなかったので買う機会がなかったが、とてもおいしそうだった。明日は是非食したい!。
今日は股間がすれて痛かったので、明日はサドルを少し下げて様子を見る。
「へんなおっさん」について
今日、出会った大塚さんは東京の人で、ユニークなおっさんだ!。
JR北海道が払い下げた土地に応募して当選し、また航空機のチケットにも当選したので、下見を兼ねてツーリングに来た、新しいもの好きな気の若いおっさんだ!。
おっさんの愛車はロードレーサーなので、一緒に走ると平坦な道では置いていかれるが(タイヤが違うので当り前?)、上り坂ではふっふっふっ、軽〜く逆転だ!。
雨具は携行されていないようだが、北海道の雨は舐めたらあかんぜよ〜!。
会社では副社長だそうだが、日頃はどんな顔をして仕事をしているのかな?。ツーリングの話に盛り上り、横浜に帰ったら連絡することを約束して別れた。
でも、別れた後が大変だったそうだ。その翌日からツール・ド・北海道が始り、大塚さんも見物に行かれたそうだが、その時に不運にも転倒して足を骨折!し、そのまま函館で2ケ月間の入院生活だったそうだ。かわいそうに〜!。
'98/09/14(月) 4日目。長万部〜函館〜白老。約120km
今日は昼に「とうきみ」を食う。トンネル用にライトを装着する。サドルを気持ち下げる。
06:00;起床。今日の天気予報は「晴れのち曇り、夜には雨が降り出す所あり、最高気温は21℃の見込み」。どうには昼間は天気が持ちそうだと一安心。
07:00;朝食、宿泊費は約9,000円。
08:00;出発。輻輳は半袖ポロシャツに短レーパン。そして体が温まるまでは長ジャージを着用。長万部から静狩までは海岸沿いにまっすぐな道が10km近く続く。次第に岬が迫ってきて静狩跨線橋を越えると、いよいよ登り坂が始まる。
静狩峠まではやや急な登り坂だが、トンネルを抜けると最高地点(200m)まで緩やかな登りが続いた。ここまで約20km。東風(向い風)が時折強く吹くが心地よく感じる。その後、約7kmを下って「礼分」に着く。
それからまた緩やかに2km登って大岸トンネルに着く。33.5km地点(豊浦?)から2km弱登って豊泉トンネル。
10:30;「ようこそ豊浦町へ」という案内と、広くて心地良さそうな芝生に惹かれて公園で休憩。ここまで約40km。坂が多い割には良いペースで来れた。風がすがすがしくて登りもさほど気にならなかった。
大きな白樺の木と心地よい風が吹く高台の公園、でも次第に風が強くなっている(でも良かったのはここまで!)。
11:30;1時間ほど休憩して気力充実で出発。出発してすぐに、すさまじい向い風になってスピード上がらず、前傾を深めて這うような我慢の一踏みを繰り返す。
風が変わった14時頃にやっと走行距離が約60kmになったが、この約20kmを走るのになんと2時間半も掛かってしまった(時速8kmは急な上り坂と変わらない!)。それほどすごい向い風で、初めての経験だが、これが北海道か!。
昼頃から次第に雲が多くなる。室蘭の近く(白鳥台)までは小さなアップダウンが続く。室蘭市街の手前で白鳥大橋を記念撮影する。
14:30;室蘭市内のコンビニで昼食を購入し、近くの公園で昼食&休憩。ここまで約83km。家族で砂遊びをしている風景を見て、子供が小さかった頃を想い出す。次第に寒くなってきたので長ジャージを着用する。
15:30;出発。室蘭で国道36号線に入ると、斜め後ろからの追い風となり普通の走行ペースを回復。この道は札幌へ行く基幹ルートであり、交通量が多く気が抜けない。
地図上では海岸線沿いのため「海をみながら、のんびりと走ろう!」と思っていたのだが、走っていて自然に海が目に入るほど海沿いを通っているわけではなく、また海側へ顔を向けるほどのんびりと走れる状況でもない。
ただひたすら距離をかせぐ。国道1号線でも走っているような気分だ。白老町は本日「お祭り」で子供の歓声が聞こえる。「女御輿」や「男御輿」、派手さはないが、過ぎる夏を惜しむように精一杯楽しんでいる。
17:30;薄暮の中で旅館に到着。本日の走行距離は約123km。向い風に悩まされた一日だった。自転車を倉庫にいれてもらい部屋へ。部屋はきれいで申し分なし。
風呂を浴びた後で夕食。この旅館は食事が好評と聞いていたので楽しみにしていたが、定食みたいなメニューにがっくり!。
明日の天気予報は「南または南東の風がやや強く曇り、所により一時雨」。
明後日は「南または南東の風が強く雨」。台風15号が接近中で明後日は暴風雨(足止め)になるかもしれない。
とりあえず明日までは天気が持ちそうなので、静内までの約110kmを走ることとして「静内町民休養ホーム(静内温泉)」を予約する。
明日は出来るだけ早立ちして、少しくらいの雨でも頑張ろう。多分、明後日は雨のために休養日にせざるをえない。
'98/09/15(火) 5日目。白老〜苫小牧〜静内。約120km
今日こそ「とうきみ」を食うぞ。雨になったら防水手袋の効果が確認ができる。
06:00;起床。今日の天気予報は昨夜と同じで「曇り時々雨」だが、降雨確率が昨夜より高くなっている。雨装備をしっかりチェックして出発だ!。でも気温が20℃以上というのがうれしい。
07:00;しっかりと朝食を摂る。
07:35;しっかりと雨対策をして出発。国道36号線は長くて、真っ直ぐで、工業道路みたいに単調だ。ただひたすら距離を稼ぐ。
風は東または南東でほぼ追い風。天気は薄曇りといったところで、次第に明るくなっているような気もする。苫小牧で国道235号線へ入る。国道235号線は「歩道」と「国道」と「高速道路」が同じ高さを並走している非常に珍しい道路だ。
次第に暑くなり、短パン&半袖ポロシャツに着替える。鵡川町のコンビニで昼食を購入。
10:40;鵡川沿いの公園でちょっと早めの昼食&休憩。ここまで約60km。風にのってお祭りの笛の音が聞こてくえる。川を渡る風がさわやかだ。でも今日の景色は北海道を走っているという感じがしない。
ゆっくりと昼寝でもしたいところだが、雨にふられるのもいやなので早々に出発する。
11:30;出発。走っているうちに次第に明るくなり、時折日が射すようになる。雨を覚悟していたので得をしたような気分だ。道の両側に牧場が点在するようになり、やっと北海道らしくなってきた。有名な馬の名前も見かける。
今回のツーリングでは一番さわやかな日になるかもしれないな。
13:20;新冠町の「大狩部御野立所公園」で休憩。ここまで約96km。ここは大正天皇が皇太子の時に立ち寄られたところだそうだ。馬をみながらしばし休憩し13時50分に出発。
14:20;時間の余裕があるので、「サラブレッド銀座パーキング(駐車公園)」へ立寄る。たくさんの馬が放牧されているが、この春に産まれて身体が大きくなった子馬が母馬にすり寄る様子は子供達を思い出させる。
14:40;出発。地図に記入されていない新しい「道の駅・サラブレッドロード新冠」へ寄り記念スタンプを押下。
15:30;本日の宿「静内町民休養ホーム」へ到着。本日の走行距離は約120km。宿のおじさんにお願いして、自転車を雨のあたらない場所に保管する。
チェックイン時に明日の連泊(泊れるスペースがあれば、どこでも構わない)をお願いするが、予約が一杯で駄目。キャンセルの見込みも少ないとのこと。う〜ん困った!。
明日の天気予報は「南東の風が昼頃から非常に強く、のち北西の風、雨」。台風5号が接近している。台風がそれれば出発できるかもしれないし、明日の状況を見て決定しよう。
'98/09/16(月) 6日目。台風5号による暴風雨のため休養。
昨夜からずっと天気予報が気になっていたが、台風5号は今朝の6時に静岡に上陸して日本列島を北上し、本日の夕方に「えりも岬」沖を通過した。
06:00;起床。雨が降っている。うつらうつら。
07:00;状況は変わらず。
07:40;朝食。朝食後に本日の宿捜し。どこも満室が多くて5軒目の「鈴谷旅館」で空室をゲット。でも雨の中をバスで静内町まで移動しなくてはならない。
10:00チェックアウトの準備をしてフロントに行くと、会議室であれば17時以降は宿泊可能とのこと。昨夜、言ってもらえば宿の手配をしたり、天候に気を病む必要もなかったのに・・・。でも良かった。
予約していた宿に理由を説明してキャンセル。ごめんなさい。
今日は一日、隣の「老人福祉センター」で温泉につかったり、昼寝したりしてのんびりと休養。
ホールはカラオケとダンスで盛り上っている。TVで台風情報等をず〜っとチェック。明日は天気が回復するようだが、えりも岬付近のがけ崩れ等が心配だ。明日の天気は「西のち北西の風が強く、曇りのち晴れ」の予報。
'98/09/17(火) 7日目。静内〜平宇→静内(台風の余波で波が高くて海岸線の道路が通れず、静内に引き返す)
台風一過、次第に天候は回復するが、台風の余波で風、波が荒い。本日は「えりも岬」経由で広尾までの予定。
06:00;起床。晴れ。北または北西の風が時折強く吹いている。昨日より寒くなる模様。「広尾」はまだ孤立しているようだ。国道36号線は目黒〜広尾で道路閉鎖中。行けるとこまで行って待つしかないかな!。とりあえず出発準備。
07:10;出発。途中でおじさんツーリストとすれ違う。多分、このおじさんも台風で足止めを食ったくちだろう。エールを交わす。西風が南東の風に変わろうとしている。波が高い。
08:15;道の駅「みついし」に到着、ここまで約23km。記念スタンプ押下。道の駅「みついし」で道路情報を入手。「目黒〜ツチウシ」、「庶野〜上目黒」が通行止めの模様。がけ崩れではなく高波のためだようだ。
併設されているコンビニで朝食用のおにぎり等を購入。「とうきみ」はまだ茹で上がっていなかった。日高幌別の道路表示で「高波のため平宇〜旭が通行止め」。
平宇は様似の少し先だが、通行止めのとこまで行って朝食を摂りながら道路閉鎖が解除になるのを待つこと決める。JR様似駅に寄って記念撮影。
10:20;「平宇」の通行止めゲートに到着、ここまで約56km。すでに数十台の車がゲートのオープンを待っている。朝食を摂りながらゲートのオープン待ち。
広尾までは約80kmで、所要時間は休憩を入れると約5時間。午後1時出発がリミットだ。庶野止まりとすれば約50kmで、所要時間は3時間もあれば十分なので、午後3時出発まで待てる。
ただひたすらゲートオープン待ち。情報が入らないため、トラックの運転手達がゲート担当に食ってかかっている。状況は「台風余波の高波で大きな石が道路に打ち上げられ撤去中だが、まだ高波が続いており更に石が打ち上げられている。
波次第の作業のため、今日中に終了できるかどうかは不明」だそうだ。今日中に広尾まで行くのはあきらめる。えりも町も現在孤立中のため、到着したとしても宿が確保できるかどうかわかならい。
最初から日高山脈越えルートを選べば1日を無駄にせずに済んだのだが・・。でも、えりも岬は捨てずらいし・・、悩みまくり!。
今日は様似泊まりとするとして、今後のパターンを検討する。
案1.明日同じルートに再チャレンジ。
案2.えりも岬をあきらめて日高山脈越えにチャレンジ。結構きつそうだが、う〜ん・・・!。
14:00;道路閉鎖解除をあきらめて旅館捜しを開始。国道236号線(日高山脈越えルート)と国道356号線(えりも岬ルート)の両方を選べる日高幌別から宿捜しを開始。日高幌別は満杯、様似も満杯、・・・・
15:50;浦河のホテルも満杯だったので理由を聞いたところ、静内で中学校長先生の全国会議が実施されており、この周辺はほとんど貸し切り状態で空き部屋がないのだそうだ。
こんな時に全国会議なんかしなくて良いのに・・・。エリアを拡大して問い合せたところ、静内の旅館でやっと空き部屋をゲット。そこは昨夜泊まった温泉センターよりも更に逆戻りした場所だ。浦河から静内まで輪行することに決定。
16:54;JR浦河駅より乗車。車内は高校生ばっかしで、上級生/女生徒がやけに威張っている。
17:56;JR静内駅到着。駅前で明日の朝食(輪行時に車内で食べる)を購入。
18:10;本日の旅館「かつや旅館」に到着、本日の走行距離は約80km。変な疲れを感じた1日だった。明日の天気は「曇り一時雨」、最低気温:15℃、最高気温:19℃。
明日は山越えになるが、確実に進める日高山脈越えるルート(国道236号線)を走ることに決める!。早発ちにそなえて早めに就寝!。
'98/09/18(金) 8日目。静内←(輪行)→日高幌別〜広尾〜忠類〜帯広空港〜帯広。約135km
今日は日高山脈を越える。最高標高は約500m、できれば山越えはしたくなかったが、確実に進むためには已む無し!。今回もえりも岬には縁がなかったようです・・。
05:20;起床。静かに小雨が降っている。今回初の雨天走行となるのかな?。出発前に荷物の雨対策(パッキング)を徹底する。
06:00;出発、小雨が降っている。
06:16;様似行きの列車に乗車。車内は今日も高校生で一杯で、うるさいくらいに元気が良い。車内でアンパンの朝食を食べる。今日の海は波が静かだ。
07:34;JR日高幌別駅着。早速走行の準備。雨も止んだようでラッキー!。「目黒〜ツチウシ」はまだ道路閉鎖中の模様。近くのコンビニで昼食を購入。
08:10;出発。天候は曇り、雨は止んでいる。ずっと両側に牧場(馬)を見て走る。国道236号線は広くて、きれいで、車が少なく最高!。ゆったりと登っていく。
20km付近の「道路情報センター」でトイレ&情報収集。標高は約200m。
26km付近で標高は約300m(9:50)
29km付近で標高は約400m(10:10)
31km付近で標高は約500m(10:25)、すぐに野塚トンネルに入る。
野塚トンネルは全長4,230m。すご〜く長いトンネルだが、歩道も整備されている良いトンネルだ。
10:45;野塚トンネルを通過。長かった〜!、ここまで約36km。トンネルを抜けると雨が強くふっていたので、近くの発電設備の軒を借りて雨宿り&休憩。ついでに昼食を摂る。次第に寒くなってきたので冬装備にチェンジ。
11:45;雨は止みそうにないため、雨装備で出発。防水手袋を装着して効果の程を確認する。走り始めたものの、ずっと下り坂のため体が冷えてくる。寒い!。日高山脈を超えると「牛」の牧場ばかり。日高山脈の手前は馬の牧場ばかりだったのにね。
12:55;「中川一郎記念館」に到着、ここまで約64km。しばし休憩。ふもとに下りて寒さが和らぎ、ほっと一息というところ。次第に雨が小降りとなる。
14:05;道の駅「忠類」到着、ここまで約84km。昼食?&休憩。帯広のホテル「ノースランド帯広」を予約。素泊まりで9,500円、結構高い?。
15:00;出発、残りは50kmだ。「十勝スピードウェイ」をサウスゲート越しに見学。ノーマルカーで練習走行しているようだ。早々に出発。
16:15;帯広空港入り口、ここまで約110km。前回の最終地点だ。これで前回のルートとつながった。まだ残りが約25km、安全に頑張ろう!。
18:00;「ノースランド帯広」到着、ここまで約135km。山越え&雨の中を良く頑張った!。ここはビジネスホテルではなくシティーホテル、すっごくきれいだ。従業員のマナーも良く、雨に汚れた自転車の保管も快く処理してくれた。
ビールの他に夕張メロン酒をひと缶。明日は最終日、楽しもう!。
'98/09/19(土) 9日目。帯広←(輪行)→落合〜富良野〜美瑛〜旭川空港←(輪行)→横浜。約112km
今日は最終日。昨日で宗谷岬と青森・野辺地がつながったので、本日はおまけのツーリング。道央をのんびりと気楽に楽しもう!。
05:20;自然と目が覚める。早速出発準備。曇り空で霧も出ている。天気予報は「曇りのち晴れ」
06:10;忘れ物が無いように確認してチェックアウト。約11,000円。すぐ隣のJR帯広駅で輪行準備。昨日の雨天走行のため自転車がすごく汚れている。
06:57;余裕を持って汽車に乗り込む。2時間弱の汽車の旅。この汽車も通学列車で、うるさい!。霧が晴れるとさわやかな青空が広がっており、日高の山脈を望むことができる。
「新得」で2輌編成の列車が1輌づつに切り離され、前方の車輌が富良野経由で滝川まで行き、後の車輌は折り返して釧路行きとなる。学生はすべて降車し静かな車内となる。
08:45;JR落合駅に到着し降車。きれ〜いに自転車を掃除して走行準備をする。
09:20;出発。下り坂だが、向い風が強くてペースが上がらない。
09:50;道の駅「ふらの」到着、ここまで約11km。記念スタンプを押下する。ずっと向い風が強い。ペダルを踏むと音がするが、昨日の雨の影響で油切れか?。
10:55;「金山」で国道237号線に入る。これからは追い風だ。ここまで約39km。
11:20;「東山やなぎ」で国道38号線に入る。富良野市内のコンビニでお茶とアイス最中を購入。
12:30;JR富良野駅に到着、ここまで約58km。記念撮影。駅前の観光案内所で旭川ラーメンのおいしい店を尋ねる。
12:50;ちょっと道に迷ったが、旭川ラーメン「×××」に到着し、早速旭川ラーメンを注文。ここの旭川ラーメンは麺に芯が残っているようで、変な粘りもあり、あまりおいしいとは感じなかった。スープも辛すぎるため残してしまった。
13:20;出発。富良野、中富良野、美瑛は高原の牧場/畑のイメージがあったが、なんと道の両脇には水田が続いている。
14:45;深山峠の茶店で休憩し、「とうきみ」&「ぶどう果汁」を食す。店の人ととりとめのない会話を交わす。十勝岳からは噴煙が立ち昇っている。
16:20;最終目的地の旭川空港に到着、ここまで約113km。旭川空港は改装工事中。付帯設備の工事が真最中だ。ANAでチケット購入。混んでいるが空席あり。ANA870便で17:40発 → 羽田着19:20。
輪行準備を完了して、トイレで洗体&着替え。着替えた服を輪行袋に入れてクッションにする。手荷物としてカウンターに預ける時に、誓約書を書かされる(JASは誓約書なしだったが・・・)。
17:40;定刻に飛行機が出発。さらば北海道。しばし(ずっと?)の別れ。室蘭までは夜景が美しかったが、その後雲に入る。東北地方は秋雨前線のため厚い雲に覆われている。その影響で結構ゆれた。
21時過ぎに横浜着。今回の全走行距離は802km。
メインへ戻る