北海道の走り方
− 私の独断ですが参考になれば −

オホーツク海道反時計廻り宿の探し方良い本があります宿の特徴食料の確保は早めに地元の人に聞け雨対策と着替えるタイミング北海道だけの装備指先が凍える旅費を安くあげよう鮭の遡上

□あこがれのオホーツク海道

オホーツク海沿いに網走から稚内へ続く国道238号線を、ライダー(チャリダーを含む)は憧れを込めて「オホーツク海道」と呼びます。名前のとおりオホーツク海沿いの道ををただひたすら駆け抜けるルートで、晴れた日は最高ですが、雨風が強い日はすっごく寒くてつらいルートです。また、民家や店も少ないので、宿や食料の確保には十分な注意が必要です(最近のツーリングマップルには、コンビニの場所も記載されているので、飲食料は早めに購入することをお勧めします)。

でも、すごく北海道らしいルートです。
□夏は反時計廻りルートが、秋は時計廻りルートがお勧めです

オホーツク海道(国道238号線)はほとんどが海岸沿いで近くに高い山がないため、風の影響をもろに受けてしまいます。長距離を走る時は風の影響が長く続くため、風向きには特に注意が必要です。オホーツク海沿いは網走から稚内方面へ走り、稚内からの日本海沿いは南下して札幌方面へ向かうのが、夏場における北海道の標準的なツーリングルートのようです。

私は時計廻りルートを選択したため、逆風にずっと苦しめられました(出発直前まで夏場における北海道の風向きを知らなかったため、反時計廻りで走ってしまいました。まあ、それはそれで楽しかったのですが・・・。できれば不要な苦労はしないほうがいいですね!)。体力と時間に余裕がある人は別としても、風は味方にしておいたほうが絶対に楽ですよね!。

風向きは気圧配置によるので、太平洋高気圧の勢力が強い夏場は南東寄りの風が吹き、西高東低の冬型では北西の風が吹くことが多くなります。ツーリストが増える夏場は南東寄りの風が多いため、例えば襟裳岬から納沙布岬経由で宗谷岬までは反時計まわりが追い風です。でも苫小牧から襟裳岬までは逆風になってしまいます。風向きは気圧配置によるということを理解しておくことがポイントだし、特に季節の変わり目にはいろいろと変わります。

また、道東地方は、春先から夏にかけて霧雨が多く発生します。逆に秋以降は道西地方に雨が多くなり、道東地方は晴れる日が多くなります。こういう天気の傾向を日頃から注意して見ておくと、ツーリングを計画する時に参考にできますよ。

追記
風向きは読めないな〜!。ツーリング・ド・北海道3では反時計回りのルートを選択したのですが、この時も向い風に悩まされました。う〜ん、まいった!。
"風が強い"のも北海道の特徴です(それでも地元の方は普通に生活していますが・・)。"風の吹くまま、気の向くまま"(ちょっと古いかな)、すべてを受け入れて北海道を楽しみましょうね!。
□宿の探し方

北海道では、民宿をうまく利用して自分のプランにあったツーリングを楽しみましょう。観光シーズンともなると、ホテルや旅館はツアー客でいっぱいになってしまい、直前に連絡しても予約はなかなか困難です。行程が天気に左右されやく、事前の予約が困難なサイクリストには、ホテルや旅館は不向きのようです。その点、民宿は個人や小グループでの利用が多いため団体客が少なく、丁寧に捜せば前日や当日でも予約が可能です。もちろん、時によっては、その地域の催し物が(例えば、お祭りやマラソン大会等)があって、空き部屋が見つからない時もありますが!。その時は一つ前の町か一つ先の町で探すことになります。でも、そのようなことを減らすため、きるだけ観光シーズンを外して旅することにしています。

次に便利なのが、ビジネスホテルです。一人や二人での旅行には、特に使い勝手が良いと思います。食事はたいして当てにできないので、近くのコンビニで購入したり、外食することになりますが、意外と安く泊まれたりしますよ。もちろん、ランドリー設備も使えるところがほとんどです。

民宿の良いところは
○いろいろな場所にあります(小さな町にも民宿はあります)。
○料金が安い(1泊2食で5〜6千円というとこもあります)。
○家族的な雰囲気で、自転車旅人に不可欠な洗濯機を借りることもできます。
○地元の新鮮な魚介類/野菜類を売りにしているところも多く、同じレベルの料理だったら絶対民宿が安いです。

テントを携行するキャンピングべースの旅には、各地のキャンプ場のほかに、ライダーハウスや、とほ宿、そして旅人宿などもあります。ツーリングマップル北海道には、そういう情報も網羅されているので便利です。
□宿屋の探し方(良い本があります)

良い本があります。北海道の全て?の宿泊施設が網羅されています。小さな町や村の旅館/民宿まで網羅されており、自分の脚力に合せて宿泊場所を選ぶことができ、ツーリング計画を立てるのがすごく気楽になりました。A4版のため携行するには大きすぎますが、必要なところをコピーして持参できます(最近は、スマートフォンやタブレットがあるのでネット経由でサーチできますよ)。私のお勧めの一冊です。

本の名は「クルージング情報 宿泊北海道」(全道3200軒を掲載)。
札幌の出版社・株式会社クルーズ「宿泊北海道」編集係というところが発行したものです。 ネット版は、「Web de 宿泊北海道」 を参照してね。


□北海道の宿の特徴

宿の特徴というか、地方の特徴というか、北海道では雪のない季節に、一気にいろいろな事業が進められるため、夏場の道路は工事関係者で溢れ返ります。当然ながら、工事の従事者が付近の旅館に宿泊することになり、手頃な価格の旅館や民宿は、そういう方々に占領されてしまいます。町に旅館が1〜2軒しかないようなところは、特にその傾向が強いようです。先客を断っていただくこともできない(道路工事も北海道の重要な産業の一つです)ので、旅人は別な町で宿を捜すことになります。頭の隅に入れておいてください。観光客がぐっと少なくなる9月以降は特にこの傾向が強いので、注意が必要ですよ。

週末は工事も休みなので、空き部屋ができる場合もあるようです。


□食料の確保は早めに(店があった時に食料を確保しよう)

場所によっては、食堂やコンビニが全然無いルートもあります。そういう時は旅館で弁当を作ってもらったり、店があった時に食料を確保しておきましょう(最近のツーリングマップルには、コンビニの場所も記載されているので、飲食料は早め早めに購入することをお勧めします)。天気の悪い日にエネルギー切れ等を起こすと最悪です。特に道北ルートは町と町の間隔が長く、走っても走っても民家/店が無いことがあります。
□地元のことは地元の人に聞け(私の反省)

題名のごとく、地元のことは地元の人が一番詳しいので、しっかりと情報を収集し、より快適なツーリングができるように工夫しようということです。

9月に函館から帯広方面まで南岸沿いに走った時のことです。台風で1日足止めを食らい、翌日は台風一過の晴天の中、海岸沿いのルートを気持ち良く走っていたのですが、えりも岬の近くで足止めを食らってしまいました。ゲートに着く前から道路が閉鎖されているのは知っていたのですが、この晴天だとすぐに封鎖解除されるだろうと勝手に決め付けてずっと待っていました。結果的にはその日は封鎖解除されず、台風の日と合わせて2日も足止めを食らってしまいました。もっと状況を良く聞いて迂回ルート等を選択していれば、もっといろんな所を走れたのにね。


□雨対策(装備)と着替えるタイミング

夏場でも雨が降ったりすると、ぐっと気温が下がり、寒さに震えるのが北海道です。また、常に(強い)風が吹いているので、夏でも寒さ対策は絶対に不可欠です。ウェアも十分に準備して下さい。北海道は本州とは違います。

レインウェア(ジャケット/パンツ)は防寒着としても使えるので、必ず携行します。また、レインシューズカバーや防水用のグローブも重宝します。なお、防水用グローブは完全防水用を選ばれることをお勧めします(防水と記載されたグローブで、縫い目から水が沁み込んできて、全然、役に立たないことがありました。防水と記載されていてれば、水を防ぐと考えるのが常識だとおもいますが、ある会社によると、完全防水でないと水が入ってきても仕方がないそうですぞ!)。

降雨の確率が高い日は、最初から雨装備にします。レーサーパンツ(ショートorロング)の上にレインパンツをはき、上着(長袖ポロシャツの場合が多いです)の上にレインジャケットを着て、靴の上にレインシューズカバーを着けます。もちろん、ハンドルバッグやサイドバッグ(パニアバッグ)にもカバーを着けます。雨が降らない間(降るまでは)、レインジャケットに付属しているフードは風でパタつかないよう襟の内側に折り込み、レインパンツの裾は膝下まで折り曲げ、シューズカバーの先端(つま先)は外し上に折り曲げて靴の先端を出し、熱がウェアの中に籠らないようにします。そして雨が降り始めたら、ぱっと引き出し、伸ばせば、完全雨装備が完成します。レーサーパンツも気温にあわせて、ショートにしたり、ロングにして調整し、Tシャツやポロシャツも半袖や長袖にして、重ね着、組み合わせで調整しますが、携行するウェアを最大限に活用することがツーリングを快適に過ごすポイントです。

北海道では雲が厚いと霧雨になることが多いようです。霧雨の時は雨具に着替えるタイミングが非常に難しく、着替えるタイミングを逃してしまい、気が付いたら体が冷えて切っていたことがあります。霧雨の時は早め早めに雨具(最初は上だけでも)に着替えたほうが良いでしょう。そして指先を雨や寒さから守るのも大切です。二度目の北海道ツーリング時は防水の長手袋を持っていき重宝しました。

特に道東(釧路や根室地方)は夏場に霧や霧雨が発生することが多いので、その対策が必要です。


□北海道だけの装備

私の、北海道だけの固有の装備(携行品)として、予備のタイヤを携行することにしました。もちろんパンク対策として、予備のチューブや修理道具は常に携行していますが、2014年の北海道ツーリングでタイヤが内側まで切れてしまい、チューブ用のパッチで内側と外側から応急措置し、その場を凌ぎましたが、ロングツーリングではいろいろなトラブルが発生するということに改めて気付かされました。


□指先が凍える(時々は指先の運動をしよう)

北海道ではず〜っと平坦な道が続き、長時間ブレーキを使わないことがあります。その後でブレーキをかけようとしても指先が動かないことがあります。特に気温が低い時は指先が痺れて、ブレーキが絞れなくなるので注意が必要です。
□旅費を安くあげよう

北海道は素晴らしいところですが、往復するための旅費が大変です。フェリーを使ったり、夜行列車に乗ったりして、できるだけ安くしないと、旅先で金欠となり、悲しい食生活をおくるはめになってしまいます。そういう時に便利なのが、往復航空券と1泊がセットになった「ビジネスパック」です。福岡〜札幌でも4万円以内で購入できます。パックによっては1週間以上も使えたり、札幌以外の都市に宿泊できるものもあります。旅行社に相談してみると良いですよ。


□鮭の遡上

秋は鮭が遡上する季節です。9月の北海道を走るようになってから、毎年鮭の遡上を見ることができます。そこで、鮭の遡上を見るポイントに関するアドバイスです。河口の上空にカモメや鴉が舞っている川は、間違いなく鮭が遡上しています。多分、産卵して力尽きたところを捕食しようと待ち構えているのだと思います。ただし、「シシャモ」は10月中旬以降にならないと遡上してこないので、ツーリングの途中で見るのはちょっと無理かな・・・。


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