10年目のオーバホール

Update:2012/2/12

2012年2月6日、年明けから久留米の自転車工房・ばらもんさんに10年目のドック入り(点検)していた26HEツーリング(走二郎)が帰ってきました。
オーバホールの目的は、これまでの10年間で溜まった垢/汚れを落とし、緩みや歪みは直し、疲労したパーツは取り替えて、これからの10年間を安全かつ快適に走ることができるようにすること。2002年にこの自転車が出来上がって以降、クランクセットの交換(当然、BBやフロントディレイラー、リアディレイラーも交換しました)、そしてハンドル、チェーンなどの消耗品を含めフレーム以外の多くの部品を取り替えてきました。2011年にはハブのグリスアップやエルゴパワーレバー、スプロケットの交換等も行い、自分なりにメンテナンスしてきたつもりですが、やっぱり節目ではプロの目と腕できっちりとチェック/調整してもらったほうが安心だよね。
また、この機会に駆動系(BBやクランクセット)やホイールのリムやスポークも交換してもらい、自転車の状態はもう完璧!、まだまだず〜っと走ることができそうです(問題は体力だけかもね・・・)。

10年目のオーバーホールから帰ってきた走二郎です。これまでと大きく変った部分は、10速化したエルゴパワーレバー(レバーはオーバーホールの前に交換しました)とクランクセット、それにリムを新調して組み直してもらったホイールです。その他に整備してもらったのは以下の通りです。
 ・フロントハブの回転調整とグリス封入
 ・フロントディレイラーとワイヤー等の調整
 ・リアハブのグリス封入
 ・ヘッドパーツのグリス封入
 ・可動部分への注油
 ・全体整備と締め込みトルクチェック

傷ひとつない新品のリムとスポークは、交換直後のこの時にしか撮影することができませんが、きれいなものです。このリムにはこれからもいろんな傷(思い出)が記録されていくことでしょう。
リム更改を検討した時の、ばらもん・小玉さんのアドバイスは、
「現在のホイールは、ニップル穴の狭いマビックに対しDT(EU仕様の細身ニップル)の2.0/1.8ですから 現在でも高耐久性でベストな組み合わせです。カンパのレコードハブも材質が柔らかいのでスポークの首にフィットし折れにくいです。今後どのくらいの間隔で2本目が折れるかで 交換を急ぐかどうか判断すればいいでしょう。ただ、やはり乗った距離や10年経過しているのでリムやスポークの本来の寿命は過ぎていると思ってください。カンパのレコードハブは回転部分も超長寿命です」でした。
このアドバイスを受けて、リムはMAVIC XC-717 32H シルバーへ、スポークはこれまでと同じくDT コンペティション2.0/1.8へ取り替えることにしました。すぐに取り替えないと壊れてしまう/使えなくなるという状況ではありませんが、これからの10年、安心して乗ることを考え、この機会に取り替えてもらうことにしました。

スギノ ALPINA2 トリプル のクランクセットです。PCD:110/74、クランク長は165cm、チェーンラインは45mmです。
チェーンリングはアウターとセンターにスギノの PE110S Silver 46T/36T、イナーに PE74S Silver 24T を組み合わせています。アウターの46Tには変速をよりスムーズに行うため、刃の長さや角度(進行方向、横方向)に細かな細工が施されています。この細工だと刃の摩耗具合を確認することが難しくなりそうですが、ギアチェンジには効果を発揮してくれそうです。これが46tの拡大写真ですが、刃の細工の具合が分かりますか?。
BBにはシマノの UN54 68mm−113mm を組み合わせています。チェーンリングは以前より若干外側へ寄りましたが、フロントメカを調整してもらったので、具合はばっちりです。

MAVIC XC-717 32H シルバーリムです。
MAVIC XC-717 32H リムのシルバーはすでに生産中止になっていましたが、ばらもん・小玉さんのネットワークでどうにか調達してもらいました。ロードやMTB用に開発されたパーツのなかからツーリング用の自転車を組み上げるので、希望するパーツをタイムリーに揃えるのはなかなか難しく、今回シルバーのリムを入手するのは無理かなと思っていたので、ばらもんの小玉さんに大感謝です。

これまで使っていたリム(Mavic X517 32H シルバー)も変形等のダメージはほとんどないので、小玉さんのアドバイスで予備用として保管しています。

10速化したエルゴパワーレバーです。
これまでのレバーは材質がカーボンだったので、輪行を伴うツーリングだと、欠けてしまいそうで心配でした(実際、一部にはカーボンが剥がれそうな傷ができています)。機会があれば金属製のレバーへ交換したほうが良いと考えていて、10速化と合わせてこの機会に取り替えることにしました。もともとは、レイダック(走一郎)に取り付けていたレバー(Campagnolo Centaur 10s)で、レイダックはSHIMANOに戻して、そのレバーをこの自転車に流用しました。
スプロケットには、Campagnolo Record 10スピード Ultra Drive カセット 13/29を組み込んでいます。サドルも結構、良い色になったでしょう。

ついでにブレーキシューも交換しました。ばらもん・小玉さんから、「ブレーキシューが減っているので、早めに交換した方が良いですよ」と指摘されていたものです(2012年3月20日交換)。
最初はこれくらい簡単に交換できるさ〜と高を括っていましたが、カンパニョーロはシマノと違ってブレーキシュー(パッド)がフォルダから簡単には外れません。ネットで調べてみると、カンパニョーロのブレーキシュー(パッド)はホルダーから外れにくいことで有名?なようで、専用工具を使用しないと外すことは困難だとわかりました。ホルダーごと購入して交換することも考えましたが、専用工具を購入した方が安くつくことがわかったので、専用工具の「Jagwire Pad Press Plus」を購入しました。

「Jagwire Pad Press Plus」さえあれば、カンパニョーロのブレーキシュー(パッド)交換は簡単です。てこの原理を利用した工具は、それほど力を入れなくても、スムーズにブレーキシュー(パッド)を取り外し/取り付けすることができました。そのなかで気付いた点をいくつか・・・、
・ブレーキシューの固定ナットは取り付けたまま交換作業を行うこと。
・ブレーキシューを固定する黄色のテーブルは360度自由に回転するので、取り外し時や挿入時の状況に応じて、適宜方向を変えながら作業を行います。
・ブレーキシューには、アルミリム用、セラミックリム用等、用途が決まっていますので、しっかりと確認して購入してください。
ブレーキシューはひんぱんに交換するパーツではないので、「Jagwire Pad Press Plus」を持っている方は少ないと思います。近くの方でこの工具が必要になった場合はご連絡ください。

ブレーキシューの取り付けや調整には、タックス(TACX)のブレーキシューチューナーが便利です。このブレーキシューチューナーは、うたい文句が「リムに取り付けてブレーキシューを合わせるだけで、最適な位置に固定でき、トーインも付く」というものですが、まさにその通り。
ブレーキシューの取り付けで一番難しいのがトーインの調整で、ツールを使わずに調整しようとすると、微妙にずれてしまい、最終的には「ま〜良いや」と妥協してしまうところですが、このブレーキシューチューナーを使うと、位置を合わせて締め付けるだけで良いという優れものでした。お勧めです。


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